カタツムリは、特に6月~7月にかけての梅雨の時期に活発に活動する生物ですが、
そんなカタツムリは、なんとなくあじさいの葉にいるようなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
以下の画像のような感じですね↓
あじさいの花と一緒に写ったカタツムリがとても可愛らしくて、良い写真ですね~(*^-^*)
では、なぜカタツムリはそのあじさいの葉にいるのでしょうか?
その関係について詳しく解説します。
カタツムリとあじさいの関係とは?食べるわけではないならなぜそこにいるの?
見出しとタイトルでネタバレしちゃってますが、実は、カタツムリはあじさいの葉を食べるわけではありません。
かたつむりは枯れ葉や枯れ木、植物の葉や茎を食べて生活しているので、あじさいの葉を食べても良いような気もしますが、
実はあじさいの葉には、「青酸配糖体」という毒素が含まれていて、一般的なカタツムリはこれを食べることはできないのです。
この青酸配糖体は人間にも有毒で、これを摂取しすぎるとめまいや呼吸困難に襲われてしまう可能性もあります。あじさいの葉以外では、青梅なんかにも含まれている成分です。
ただ、例えばあじさいの葉をひとかじりした程度でそのような症状が現れることは量的にあり得ないのですが、カタツムリもその有毒性を知っているのか、好んであじさいの葉を食べるようなことはしません。
では、なぜカタツムリはあじさいの葉にいるのかというと、
実は、カタツムリは特別あじさいを好んでそこにいるわけではありません。
つまり、そのほかの植物にもカタツムリはくっついているのですが、そのカタツムリが活発に活動する時期はちょうどあじさいが見ごろを迎える時期なので、
その関係で、あじさいを見るとなんとなくそこにカタツムリがいるというようなイメージが広まったようです。
あじさいの葉は身を隠すのに最適!
ただ、それならなぜカタツムリの中にはそのあじさいに上っている個体がいるのかというと、
実は、あじさいの葉は身を隠すのに最適で、雨や風を耐え忍ぶためにその葉にくっついていることがあるのです。
カタツムリは、雨の日が続く梅雨の時期によく動き回りますが、
乾燥に弱いため、じめじめした季節を好むものの、実は雨自体は苦手な生物として知られています。
これはなぜかというと、カタツムリは肺呼吸をする生物なので、あまりにも強い雨にさらされたり、うっかり水たまりに落ちてしまうと、おぼれてしまうのです。
私たちが大雨だと感じるような雨は、カタツムリにとっては滝つぼにいるようなものでしょう(笑)
そのため、雨が降っているときには、基本的にはあまり下に降りて活発に動くということはしないようです。
カタツムリは何を食べるの?
さて、ではカタツムリはあじさいの葉を食べるわけではないということがわかりましたが、もしこれをペットとして飼う場合には、いったい何を好んで食べるのでしょうか?
ということで、その飼育をする際にお勧めされているエサとしては、キャベツやホウレン草、レタスといった野菜類を与えてあげるとそれらを好んで食べるそうですよ。
また、そういった野菜類に加えて、草や葉っぱを与えてみて、1番良く好んで食べるものを与えてあげるようにすると良いそうです。
ちなみに、カタツムリはその殻の形成を促すために、カルシウムを摂取する必要があります。
そのため、通常のエサの他に、卵の殻のようなものを与えて、カルシウムを摂取させてあげる必要があるそうです。
ちなみに、自然界に存在するカタツムリは、しばしばそのカルシウムを住宅地のコンクリートから摂取するそうです。
コンクリートはカルシウム成分を含む石灰を加工したものなので、カタツムリたちはここからカルシウムを摂取することができるんですね。
カタツムリは1匹でも子孫を残せる!
私たち人間や、その他の動物のほとんどは、性別が分かれていて、オスとメスのペアがそろって初めて子孫を残すことができますが、
実はカタツムリは、その2匹の間での交尾を介さずとも、自力で子孫を残すことができます。
これは一体どういうことかというと、
そもそも、まずカタツムリには、オスやメスといった「性別」という概念がありません。
具体的には、カタツムリはその体の中に
「オスの生殖器」と「メスの生殖器」
の両方を持っていて、そのどちらの役割も担うことができます。
このような生物は「雌雄同体」であるといい、ミミズなんかもこの雌雄同体の性質を持つ代表的な生物です。
そして、カタツムリはもしそのパートナーを見つけると、2匹それぞれが相手に精子を与え、そのそれぞれが母親となって卵を産みます。
非常に不思議な生態ですが、カタツムリは行動圏内が狭く、必ずしも繁殖力が高いとは言えないことから、このような効率の良い繁殖方法を身に着けたのでしょう。
そして、このような性質があることから、見出しにありますように、カタツムリは1匹だけでもその子孫を残すことが可能です。
これはどういうことかというと、カタツムリはそのオスの性質とメスの性質の両方を持っているため、他の個体と交尾をせずとも、自分の体内だけでその受精反応を行うことができるのです。
このような反応は「自家受精」という名前で知られています。
しかし普通のカタツムリは他の個体と交尾するのが一般的なのですが、なかなか他の個体と出会うことができず、どうしても子孫を残そうと思うと、稀にこの自家受精反応が起こるそうです。不思議ですね…!
まとめ
今回の記事では、カタツムリとあじさいの関係や、なぜあじさいにいるのかということについて解説しました。
ちなみに、カタツムリはもともとは海にいた貝の仲間で、その中で陸に上がったものが、こんにちのカタツムリにまで進化したものと考えられています。
ただ、以前は貝だったということで、もともとはエラ呼吸ができたものと思われますが、陸に上がって時間が経つうちに、エラ呼吸を忘れてしまい、肺呼吸を覚えたんですね。
なんとなく守ってあげたくなる存在カタツムリ。
もし飼育される方は、エサや水やりの量に注意してあげましょう(*^-^*)