※クローン人間研究の実例について:性格や記憶はどうなる?

クローン人間を作り出す研究は、日本では西暦2000年から法律によって禁止されています。

その法律が、「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」というもの。もしこれを破り、生命としてクローン人間を誕生させてしまった場合、その人物は10年以下の懲役か、1000万円以下の罰金を支払わなければなりません。

しかし、実はそのクローン技術の研究は、全面的には禁止されているわけではありません。例えば、クローン動物を作り出す研究は、問題視する声はありつつも、今日まで世界の様々な研究機関で行われています。

そして今年2018年1月24日には、中国科学院にて、全く同じ遺伝子を持った2匹の猿がクローン技術によって誕生し話題となりました。

1996年に哺乳類では初のクローン動物である羊の「ドリー」が誕生して以降、様々な哺乳類がクローン動物として生まれてきたのですが、猿のようなさらに人間に近い霊長類のクローンが誕生した例は、中国科学院から発表されたものが初だったのです。

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こういった研究がいつかクローン人間の研究につながる恐れがあると指摘する声もあるのですが、実は、そういったクローン人間を作り出そうという研究は、今ほど規制がかかる以前は、実際に行っている研究者もいました。

そこで今回の記事では、そういったクローン人間研究の過去の実例についてご紹介しますとともに、もしクローン人間が誕生した場合、その性格や記憶はどうなるのかというちょっと不思議な話題についてまとめていきたいと思います。

クローン人間を作る研究の実例について

クローンに関する研究自体は、実は今から100年以上前には行われていました。

そのクローン研究において、動物が初めて作り出されたのは1891年のことです。生物は1番最初は「胚」という状態からスタートしますが、その胚分割によって、初めてクローンの「ウニ」を作り出すことに成功しました。

また、そういったクローンを作り出す技術で最も身近なものが「挿し木」です。挿し木とは、植物の一部を切取り、切り口を土に埋めることで発根させ、同じ遺伝子を持った植物を増やす方法です。

今や全国的に展開している桜の品種「ソメイヨシノ」は「エドヒガン」と「オオシマザクラ」の雑種が交雑してできた単一の樹が、挿し木によって増えたとされるクローンであることがわかっています。

そして、このソメイヨシノは1603年~1868年まで続いた江戸時代の間に誕生したと考えらえているので、実は人類は知らず知らずの間にクローン技術を利用していたのですね。挿し木自体はもっと以前からある方法ですから、クローンはずっと昔から作られていたことになります。

と、植物のクローンはまだいいとしても、人間のクローンを作るという話になれば、倫理的な問題を考えなければならないのは当然のことです。

クローンとして生まれた人間を愛しながら育てることができるのか、クローン人間は人権が軽視されるのではないか、クローン人間が生産的に作られ、奴隷制度ができてしまうのではないか、などなど、様々な問題がこれまでに指摘されています。

そして、そのクローン人間誕生の可能性をぐっと近づける哺乳類のクローンが誕生したのが、先に説明したように1996年のことです。

その後、日本では2000年にクローン人間の作成を取り締まる法律ができたわけですが、

実はこの4年間の間に、クローン人間を作るための実例ともいえる研究が行われ、世界がこの問題に注目しました。

そしてその研究を行ったのが、アメリカの物理学者であるリチャード・シード氏です。

彼は、当時でさえそういった倫理的な問題がささやかれている中で、なんと自分の細胞から「クローン胚」を作り出し、それを妻のお腹に移植して育てるという驚愕の研究を実際に行い、話題となりました。

この時、妻の年齢は明らかにされませんでしたが、リチャード氏はすでに68歳だったため、妻もかなりの高齢であると予想されます。実際、その奥さんはすでに閉経を迎えていたそうです。

結果、高齢の妻のお腹では赤ちゃんは育たず、この研究は失敗に終わりましたが、

もしもこの研究がうまくいっていたとしたら、この世にはすでに同じ遺伝子を持ったクローン人間が実験的に誕生していたことになります。

そして、こういった実例があったからこそ、日本やその他各国で、クローン人間の作成を取り締まる法律が次々に作られたのです。

クローン人間ができた場合、その性格や記憶はどうなるのか?

クローン人間を作り出すことについては倫理的な観点から否定的な声が多いのですが、中には、そういったクローン人間の誕生を指示する声もあります。

そして、実際にリチャード・シード氏のもとにも、クローン人間を作ってほしいという依頼は意外にも多く集まっていたようです。彼の計画は失敗に終わりましたが、それを必要とする声もあったということですね。

そして、その理由として挙げられていたのが、例えば「死に瀕しているわが子を作ってほしい」というようなもの。

もし、実際に自分の子供が死にかけていたら、脳死になってしまったらなどと考えると、そう思いたくなる気持ちもわからなくもないですが、ただ、この話はそう単純なものではないということは明白です。

というのも、もしクローン人間を作ったとしても、そのクローンが、ドナーとなった人間の性格、記憶などを受け継いで生まれてくるわけではないためです。

ちなみに、クローン人間を作るとは具体的にどういうことかというと、これは、「一卵性双生児」を人為的に作り出すのと遺伝情報的には同じことです。ただ、一卵性双生児は双子として同時に生まれてきますが、クローン人間の場合には、その片方が違う年齢で生まれてくるというところが大きな違いですね。

しかし、一卵性双生児はもう既にこの世に沢山いますし、皆さんの知り合いの中にもいるかもしれませんが、まず性格については、それぞれに違った性格をしていますよね?

もちろん、似ている部分もあるかもしれませんが、性格は成長の中で形作られていくものなので、たとえ同じ遺伝情報を持った一卵性の双子であっても、性格が同じになるわけではありません。

また、記憶についても同様のことが言えます。

例えば、もし脳死の状態のドナーから細胞1個を取り出し、その情報をもとにクローンを作ったとすると、姿形はドナーの人間とほぼ同じ子供ができますが、その子はドナーとなった人間と同じ記憶を持っているわけではありません。

という訳で、もしクローン人間を作ったとしても、その性格、記憶は全く異なる人間が生まれてくるだけです。

ただ、ここで少し不思議な話をしましょう。

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細胞に記憶は宿るのか?

人間の記憶は脳にインプットされるというのは誰でも知っていることですし、現在では、新しい記憶は「海馬」に記憶され、古い記憶は「大脳皮質」に送られるというところまでわかってきていますが、

そういった記憶は、実は細胞にも宿るのでは?という話を皆さんは聞いたことはありませんか?

こういう話について、ほとんどの科学者はその説を否定します。普通の感覚でいえば、これは確かに現実的ではない話でしょう。

しかし、世界にはこれまでに様々な不思議な話があり、特に、臓器移植によって、貰い手の趣味や嗜好が変わったり、ドナーとなった人間の記憶が一部残っていたなんて言う話は、これまでに何度か報告されていることなのです。

これが、本当か事実かということは皆さんが信じるか信じないか次第ですが、今回はその実例を1つ紹介しましょう。

まず、これはアメリカのミシガン州郊外に住む「グレンダ」と「デビット」という2人の夫婦の話ですが、そんな夫婦の片方であるグレンダは、ある時非常に不思議な経験をしたのです。

というのも、この夫婦は生前は非常に仲の良い夫婦だったそうですが、それでも時には喧嘩をしてしまうこともあり、そういう時には、仲直りの合言葉として「コパスティック」という言葉をかけることを1つのルールとしていたそうです。

このコパスティックは今はあまり使われていない英語で、「順調」というような意味を持っています。

しかしそんな夫婦はある日、ドライブを楽しんでいる最中にトラックと衝突する悲惨な交通事故にあってしまいます。そして、この時グレンダは命を取り留めたものの、夫のデビットはこの事故で命を落としてしまいました。

その後、亡くなってしまった夫のデビッドは心臓提供のドナーとなり、その心臓は「カルロス」という青年に移植されたのですが、

それから2年たって、事故から回復したグレンダは、その夫の心臓を持つ青年と会う機会がありました。

この時、2人はまだ一度もあったことがない状態でしたが、グレンダがそのカルロスの胸に手をあて、夫の心臓に向かって「コパスティック」とつぶやいたところ、そのカルロスは、急に驚いた表情を見せたといいます。

というのも、そのカルロスはその心臓移植を受けて以降、その「コパスティック」という言葉がなぜか口から出るようになっていたというのです。

ただ、ここでさらに驚くべきことに、彼は実はスペイン語しか話すことのできないスペイン人。コパスティックの意味も知りません。

これはつまり、その心臓移植によって、その夫の記憶の一部が、カルロスに移ってしまったという、「細胞が記憶を持つ」という可能性を示した実例の1つであるといえるでしょう。

また、カルロスは心臓移植の後、もともと野菜好きだったのが肉好きになり、音楽も前とは違うものを好むようになったんだとか。

ただ、こういった話は、現時点では科学で証明できるようなことでは到底ありませんし、科学者の多くはこの細胞に記憶が宿るという説を否定すると思いますが、

逆に、細胞に記憶が宿らないということを科学者も証明できない以上、誰もこの不思議な話を本当の意味で否定することはできないでしょう。

プラナリアの研究からわかったこと

突然ですが、皆さんはプラナリアという多細胞生物をご存知ですか?

このプラナリアは、驚異的な再生能力を持つことで知られており、例えば、その体を3つに分断すると、その3つのそれぞれの部位が切られて足りない部分の体を修復し、3匹のプラナリアになります。

脳が残っている個体が体を再生するということならまだなんとなく納得できますが、驚きなのは、たとえしっぽの先の部分を少し切ったとしても、そのしっぽの部分が頭部まで見事に再生するということです。

その実際の様子は、以下の動画を参考にしてください。

そして、2013年にはある興味深い研究結果が報告されて話題となりました。その発表では、なんとプラナリアの尾の部分から再生したプラナリアであっても、その個体は以前頭部と結合していた時の記憶を持っている可能性があるということが分かったというのです。

これはすなわち、細胞に記憶が残る可能性があるということ示唆する非常に興味深い研究データです。

これをそっくりそのまま人間に当てはめるのは少し無理がありますが、もしかすると、細胞にはある特定の記憶を宿す何らかのメカニズムがあるのかもしれない。そういう可能性があることをその研究データは初めて示したのです。

ということで話を戻すと、例えばもし自分のクローンを作った場合、その子供が自分の記憶を一部もって生まれてくる可能性は、0ではないのかもしれない。

クローン人間は双子の片方を作り出すようなものであるといいましたが、既に成熟した生命の細胞から取り出した核を使って、自分と同じ遺伝情報を持ったクローン人間を作り出すことは、全く同じ過程で分化していき、一緒に生まれてくる「一卵性双生児」の関係とは全く違います。

誰もそれをやってみないことにはわかりませんが、当たり前ですが、そんな研究がこの先実際に行われることはないでしょう。

しかし、記憶とは何なのかということを考える上で、これは非常に気になる部分なのは確かですね。

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