※テロメアの役割や機能を簡単に解説!

近年、人の寿命や若返りのカギを握っているかもしれないということで非常に注目を集めている「テロメア

人の細胞の中には「核」という部屋があり、その核の中には遺伝情報を保存した計23個の「染色体」が格納されているのですが、今回お話しするテロメアは、その染色体の末端の部分のことを言います。

細胞は、分裂して新しい細胞を作り出すときに、その染色体を複製するところから開始するのですが、実は新しい細胞になるたびに、その染色体のテロメア領域は徐々に短くなっていき、それがある一定のところまで短くなると、細胞はそれ以上の分裂をすることができなくなります。

そして、細胞分裂のストップが体中のいたるところの細胞で起こると、人は最終的に生命活動を維持できなくなり、亡くなってしまうのです。

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ということで、このテロメアがいかに大事か、というのはこれだけでもよくわかると思うのですが

このテロメアについては、今わかっているだけでも興味深い部分がもっと沢山あります。

そこで今回の記事では、そのテロメアに関する情報をできるだけ簡単にお伝えしていきたいと思います。

そもそも、「染色体」および「DNA」とは何か?

テロメアというものについて理解をするためには、まずは人の「DNA」とはそもそも何かというところを知っておいた方が良いので、まずはじめにその人のDNAについて簡単に解説します。

このDNAは犯罪捜査などに利用されることでもしばしば話題となりますが、実は私のDNAも、この記事をご覧になってくださっている方のDNAも、人間同士であるならばそのDNAの99.9%は同じです。

つまり、人間同士のDNAの違いはたった0.1%であり、DNA捜査で見ているのは、そのわずか0.1%の部分なのです。

これにはびっくりする方もいるかもしれませんが、人はその0.1%の違いによって、顔、髪の色、目の色などが変化するということなんです。不思議な話ですよね。

さて、話だけしていてもしょうがないので、今度はその具体的な構造を解説しますが、人のDNAは、以下の図のように2本の鎖がお互いに結合し、ねじれながら伸びていくらせん構造をしています。

そしてこのDNAは、さらに言えば、たった4つの「塩基」というものによってできています。

その4つとは

  • アデニン(表記:A)
  • チミン (表記:T)
  • グアニン(表記:G)
  • シトシン(表記:C)

の4つです。

これがATAGACATG…のように並んでいくことで、まずは片方の鎖が出来上がります。

またDNAの2つの鎖はつながっているといいましたが、

例えば、片方の鎖の5番目の塩基がAだった場合、

もう片方の鎖の5番目の塩基はTと決まっています。

このように、4つの塩基のうち、AはTとしか結合することができず、GはCとしか結合することができないという特徴を持っています。つまり、DNAはその片方の鎖の塩基配列さえわかれば、もう片方の塩基配列を予想することができるのです。

また、今説明したことを実際にその配列として示すとすると、DNAのある一部分は例えば以下のようになります。(上下を見てください。)

  • ATAGCTGACT…
  • TATCGACTGA…

AはTとだけ結合し、GはCとだけ結合していますよね。

そして、このような関係を「塩基対」というのですが、人間のDNAは、実に約30億塩基対で1セットといわれています。

すごく長いですが、その30億塩基対のうち、

ここからここまでの配列が~の情報

そしてここからここまでが~の情報

というように決まっていて、

それによって人間は形作られ、さらに人によって多少の違いが出てくるということなんですね。

さて、ではいよいよここから「染色体」の話に入っていきますが、この染色体とは、そのDNAがヒストンというものに巻き付きながら、最終的にきれいな「X型」のような形をとってもののことを言います。つまり、染色体とはまさにそのDNAが束になって、ひとかたまりになったものなのです。

これがどういうことかというのは、以下の図を見ていただければお分かりになると思います。

そして、今回お話しするテロメアは染色体の端の部分であると先に言いましたが、これはまさに、その染色体を形作っているDNAの末端部分のことを言うのです。そのDNA末端のある特定の長さの塩基配列のことを、テロメアといいます。

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テロメアの役割と機能を簡単に解説!

さて、これでその染色体とは何か、テロメアとは何かということについてはわかりましたよね。

ということで、次にそのテロメアの役割と機能について、こちらも簡単に解説していきたいと思います。

まず、テロメアとはそもそも染色体の端っこで、細胞分裂のたびに短くなっていくといいましたが、

ここで押さえておきたいことは、細胞は分裂をして新しい細胞を作り出すときには、その全てが新しくなるという訳ではないということ、

つまり、染色体も新しく分裂するのですが、新しい方の細胞に入っている染色体はテロメアが少し短くなっており、細胞も実は年を取っているということなんです。

では、そのテロメアとはいったい何なのかというと、これは、その染色体がほどけないように、染色体のキャップとしての機能を果たしていることがこれまでの研究からわかっています。

つまり、長い長いDNAの端っこに、そのテロメアといわれる塩基配列がある一定の長さ伸びていることによって染色体が途中でほどけてしまったり、もっと簡単に言えば、大事な遺伝情報が書かれている部分にまでそのDNA減少が及ばないようにしてくれているのが、このテロメアという部分なのです。

そのため、実はこのテロメアもDNAの一部ですが、これが多少短くなったくらいでは、その影響が人間が人間としているための重要な遺伝情報にまで及ぶことはありませんし、もっと簡単に言えば、そのテロメアとは人の遺伝情報には直接的に関与していない特に重要な意味のない繰り返し配列なのです。

しかし、意味がないというのは遺伝情報的にはという意味であり、そのDNAの重要な部分を保護するという意味では、このテロメアはすごく重要な部分です。そもそもテロメアがなければ、細胞は上手く分裂することさえできないのですから。

テロメアと「プロジェリア」の関係

皆さんは、「プロジェリア」という病気をご存知でしょうか?

この病気は早老症といわれる病気の一種であり、染色体の異常によって起こる病気の1つなのですが、

このプロジェリアと診断された方は一般の方に比べて早く年を取ってしまい、平均して13年ほどで命を落としてしまいます。

この病気については度々テレビなどでも取り上げられていますので、おそらくご存知の方も多いと思いますが、

実はこのプロジェリアの患者は、生まれつき先ほど説明したテロメア領域が短くなっているということがわかっています。

つまり、テロメアの長さが、細胞分裂に必要な最低限の長さにまで達するまでの時間が普通の方に比べて早いということが、その短命の1つの理由となっているのです。

まとめ

今回の記事では、染色体、およびDNAとは何かということに関する説明や、その末端にあるテロメアの機能や役割について簡単に解説しました。

人の老化や寿命と密接な関係を持っているとされるテロメアですが、人の体細胞は、基本的に約50回分裂を行うと、そのテロメアがかなり短くなってしまい、それ以上の分裂が出来なくなってしまいます。

この細胞の限界分裂数を「ヘイフリック限界」と呼び、わかりやすく言うと、人の体細胞は、約100年という時間をかけて、その50回という回数を消費していくのです。

しかし、実は近年の研究から、その体細胞のテロメアは、「テロメラーゼ」という酵素の働きによって修復され、特殊な環境でテロメラーゼを発現させた細胞は、ほぼ無限に分裂を繰り返す「不死化細胞」になるということもわかっており、これが、人の老化防止や、寿命を延ばすことになるのでは?と注目され、現在研究が行われています。

もしかすると、人はあと数百年もしたら、今の倍以上の寿命を獲得しているかもしれません…!

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