日本のカブトムシは、カブトムシとしては珍しい先が4つに枝分かれした角を持っているため、そういう意味では世界的に見てもレアな特徴を持っているのですが、
その体の大きさ、そして強さに関しては、どうしても外国の大きなカブトムシにはなかなか太刀打ちできません。
そして、そんな数いるカブトムシの中でも、特に最強と謳われているのが
「ヘラクレスオオカブト」と
コーカサスオオカブトです。
ヘラクレスは全カブトムシの中で最も大きな体長を持つカブトムシとして知られており、最強の候補としてはまさに筆頭の存在ですが、
このヘラクレスに負けず劣らずの体格を持つコーカサスも、その狂暴な性格と、3本の角によって相手を挟みこんでしまったときには、まさに無敵ともいえる力を発揮します。
しかし、この2匹のカブトムシを知っている方の中には、
「じゃあ、ヘラクレスとコーカサスの雑種ができれば最強じゃん」
と思った方もいるのではないでしょうか?
という訳で今回の記事では、そのヘラクレスとコーカサスの雑種はいるのか、詳しくまとめていきたいと思います。
ヘラクレスとコーカサスの最強の雑種は存在するのか?
もし、ヘラクレスとコーカサスの雑種が存在するとするのであれば、
その結果生まれてくるオスのカブトムシは、コーカサスが、さらにヘラクレスの長い角をはやしたようなイカしたしたカブトムシになるに違いない!と思った方も少なくないはず。
もしそんなカブトムシがいれば、まさに最強はそいつで決まりだと思いますが、
結論から言いますと、いまだかつて、そのヘラクレスとコーカサスの雑種はまだ存在していません!残念…
ただ、実際にはカブトムシはその別種同士で交配した結果、その雑種が生まれることもあるといいます。
では、なぜヘラクレスとコーカサスの間にはその雑種が誕生しないのでしょうか。
カブトムシの雑種が誕生するための条件とは?
実は、最強と名高いヘラクレスオオカブトは、コーカサスオオカブトと交配して雑種を生み出すことはできませんが、
「ネプチューンオオカブト」や
「サタンオオカブト」とであれば、
その交配の結果雑種を生み出すことができます。
ではこれはいったいなぜなのかというと、
実はカブトムシと一口に言ってみても、その種類は非常に様々な分類わけがされており、
具体的には「属」が同じ種類、遺伝情報的にその特徴がよく似ている種類同士のカブトムシでないと、異種交配は難しいとされています。
そして
- 「ヘラクレスオオカブト」
- 「ネプチューンオオカブト」
- 「サタンオオカブト」
は、いずれも「ヘラクレスオオカブト属」に分類される種類であり、いずれも上下に2本の角を持つためその種が非常に近い関係にあるのです。
一方、コーカサスはというと、こちらは「アトラスオオカブト属」というものに分類されます。
そのため、例えば日本のカブトムシと交配させて、下の角の先が4本に分化したヘラクレスオオカブトなども作ることはできません。
雑種は基本的に一代限りしか存在できない
今回の昆虫に限らず、動物界には度々ハイブリッド動物が誕生していますが、
例えばライオンとトラの雑種でライガーというものがいましたが、こういったハイブリッド生物は基本的に生殖機能を持たず、それ以降子孫を残すことができないということがわかっています。
また、種が近いためにこのような動物が誕生してしまいますが、やはりもともと種が違うということもあって、こういう異種交配で誕生した動物は寿命が短く、また病気にもなりやすいという傾向にあるそうです。
そのため、現在では特に理由なくそういったハイブリッド動物を作ることは倫理的な観点から問題視される傾向にあり、台湾ではそのライガーを作ることは法律によって禁止されているそうです。
また、カナダの北極圏では、以前ホッキョクグマとグリズリーの雑種と思われる個体が複数発見されて話題となりました。このように、同じ種の動物であれば自然界でも雑種は誕生してしまう可能性があるんですね。
それにしても、ホッキョクグマとグリズリーはどちらも熊の中で最大サイズを誇る種同士ですが、こういうもののハイブリッドってかなり怖いですね…。絶対にそんな地域に行きたくない(笑)
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!