
結婚して夫婦で一緒に人生を歩んでいこうと決意する方いれば、
離婚をして、2人がまた新たにそれぞれの人生を歩んでいこうとする人。
今日も、世界のいたるところで結婚や離婚の手続きが進められているわけなんですが、
最近、「ペーパー離婚」という言葉を耳にする機会も少しずつ増えてきているのではないでしょうか?
このペーパー離婚とは、
法律上の手続きにより離婚が成立し、姓を変えているものの(旧姓に戻す)、実際は同居していること
を言います。
つまり、婚姻関係は解消しているにも関わらず、夫婦としての生活は続けているということです。
では、結局夫婦として暮らすのに、なぜこのようなペーパー離婚をする方がいるのでしょうか?
今回の記事では、その理由や、メリット、デメリットについてご紹介していきたいと思います。
目次
ペーパー離婚とは?なぜするのか?理由を解説!

ペーパー離婚とは、先ほど申し上げましたように、
書類上は離婚が成立しているにも関わらず、離婚前と同じように夫婦としての生活はともに送っているような方々のことを言います。
この「ペーパー」という言葉は、
よく
- 「ペーパードライバー」
- 「ペーパーカンパニー」
のようなところでも使用しますが、
このペーパーは和製英語的な意味で
「書類上はそうなっているが、現実が伴っていないこと」ということを意味します。
今回のペーパー離婚も、まさにそういった例の1つですね。
また、書類上結婚はしていないものの、夫婦として一緒に暮らしている方々のことを
「事実婚」状態であるといいますが、
ペーパー離婚とはつまり、書類上の婚姻関係を解消し、この事実婚状態になることを言います。
では、なぜこのようなことをするのか、と感じる所ですが、
その理由として一般的には、一度婚姻届けを提出し、書類上の手続きが完了した後で、
夫婦の片方が旧姓を名乗りたい場合にこのペーパー離婚を選択する場合が多いとされています。
旧姓を名乗りたい理由としては、単純に自分の旧姓に思い入れがあるからというのも1つの理由ですが、
旧姓の公的書類(パスポートなど)を得る手続きが必要となった場合などにこのペーパー離婚を選択する方もいます。
そして、そういった手続きのためだけにペーパー離婚をし、その後また書類上の手続きを行い再び婚姻関係を結ぶなんていう方もいるそうで、
このような事例は
「ペーパー離再婚」といいます。(ややこしいですね。)
手続きのためにやむなく離婚をするものの、その後再び法律上でも夫婦の関係でいたいというような場合にこのような選択をとられる方もいるようです。
また、そのペーパー離婚は、相手の自己破産や、何らかのトラブルを避けるためにやむなくされるという方もいるそうです。
つまり、何らかの理由で離婚を選択するものの、実際は夫婦でいたいので一緒に暮らしていますよ、という関係をペーパー離婚というのですね。
では、これにはいったいどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか?
ペーパー離婚のメリット、デメリットとは?

それでは、このペーパー離婚をすることにはどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか?
まずはメリットの方から解説していきたいと思います。
ペーパー離婚のメリット
ペーパー離婚のメリットとして、まず1つ目に挙げられるのが、
公的書類の手続きや、仕事の関係において、ペーパー離婚をしていたほうが非常に円滑に作業が進みやすい
ということです。
結婚をして夫婦のどちらかに性を合わせてしまうと、
変えられてしまった方は、以前から続く手続きなどを引き継ぐうえでそれが障害になってしまうのは明白ですよね。
基本的には結婚をすると男性側の姓に合わせることが多いですが(90%以上)、
近年では女性の社会進出、自立が進んでいますので、この法律による縛りを望まない方が多くいるのです。
そして、2つ目のメリットとして挙げられるのが、
法律上の夫婦関係から解放される
ということです。
似たような話になりますが、性が変わってしまうということも含め、
夫婦という関係ではいたいものの、法律上の夫婦ではいたくない、
双方が自由な関係でいたい、という場合などにペーパー離婚を選択される方がいます。
ペーパー離婚のデメリット
ペーパー離婚には夫婦お互いがより自由な関係でいられるというメリットはありますが、それによるデメリットもあります。
そして、そんなデメリットの中で1番気になるのが、
法律上の夫婦ではないため、法定相続権が認められない
ということです。
普通、夫婦のどちらかが亡くなった場合、配偶者が法定相続人となりますが、法律上の婚姻関係がない以上、その権利は行使出来ません。
しかし、これに関しては、亡くなられた方の遺言などがある場合に、それと同等の権利を得ることは可能だそうです。
ペーパー離婚の2つ目のデメリットは、やはり
離婚歴がつく
ということです。
はじめから事実婚状態であれば問題ありませんが、ペーパー離婚はお互いの利益を考えてのものだとしても、離婚歴がつくことには変わりありません。
ペーパー離婚3つ目のデメリットは、
その説明が難しい、また現代の社会ではなかなか受け入れられない
ということです。
特に、最近特集でもまとめられていましたが、
子供が出来た場合、その親が両方別姓であるというのは、別の保護者から見て特殊な家庭に映るかもしれません。
なぜ結婚したらどちらかの性を名乗らなければならないのか?

私たち日本人にとって、結婚したらどちらかの姓を名乗るということは当たり前のようにも感じられるところですが、
改めて考えてみると、なぜ結婚したらどちらかの姓を名乗らなければならないのでしょうか。
もちろん、統一していたほうが家族としての手続きは楽になるかもしれませんが、
必ず夫婦どちらかの姓が変わることになりますので、そういう手続きが増える方が役所としても面倒なもののように思えます。
しかも、皆さんご存知でしょうか?
実は、世界を見渡した時、結婚によって夫婦の姓を同姓に統一しなければならないということを法律によって義務付けているのは、
我々の国、日本だけなんです。
以前はドイツ、オーストリア、スイスなども同姓を義務付けていましたが、
そのドイツは1993年に法改正によって夫婦別姓が認められ、現在ではついに日本だけになってしまったのです。
夫婦別姓については度々議論されていますが、そういう意味では日本は遅れています。
ペーパー離婚と偽装離婚の違い
今回は、ペーパー離婚とは何か、なぜするのか、その理由などについて詳しくまとめましたが
実はこのペーパー離婚と似たような言葉で、
「偽装離婚」という言葉があります。
これは、引き続き夫婦としての関係は続けるものの、書類上は離婚をするという意味では同じなのですが、
実際にはこの偽装離婚とは、生活保護の不正受給や、児童扶養手当などの不当な経済的利益の獲得、
さらに資産隠しのような、
不正が関連するような離婚のことを言います。
一方、ペーパー離婚とは夫婦の独立という正当な目的に基づく離婚なので、
「ペーパー離婚」と「偽装離婚」は別のものとして考えられます。
まとめ
今回の記事では、ペーパー離婚とは何か、なぜするのか、その理由や、それによるメリット、デメリットについて詳しくまとめました。
ペーパー離婚というものがあるんだ、というのは1つの問題として覚えておきたいところですが、
何より法律で夫婦同姓が義務付けられているのが日本だけというのは驚くべき事実ですよね。
2017年、2018年は、森友学園問題、文書書き換え問題などの不祥事ばかりが取り上げられていましたがが、
今回お話ししたような夫婦の独立に悩む方をはじめとする国民のために、国会の貴重な時間を使っていただきたいですね。
事実、ここ数年、選択的夫婦別姓を望む声は多く挙がっており、
この問題は今後、いよいよ無視できないものとして社会的に問題になっていくことでしょう。
実際、夫婦が別々に築き上げてきた人間関係も、苗字が変わってしまえば、全て今まで通りとはいきませんよね。
女性の社会進出が進む中で、この夫婦同姓という決まりはいささか考え方が古いようにも感じてしまいます。
せめて、夫婦それぞれが話し合い、選択できる世の中へと変わっていって欲しいですね。
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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