
ニュース番組を見れば、ほぼ毎日のように取り上げられている「加計学園問題」
この問題が最初に取り上げられたのはもう1年以上前であるにも関わらず、事態は収束に向かうどころか、最近になってまたヒートアップしている傾向さえ見られます。
ただ、そういったニュースを耳にした方の中には
この加計学園問題がなんだか問題になっているということは知っていても、
結局何が起こったのか?
何が悪いのか?
ということについて、よくわかっていない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、そんな加計学園問題はなぜこんなに長引いているのか、そもそも何が悪いのかというところの最新情報までを、時系列で詳しくまとめていきたいと思います。
目次
加計学園問題とは?

それではまず初めに、そもそも加計学園問題とはいったい何のか?というところから時系列的に解説していきたいと思いますが、
この加計学園問題は、日本において52年ぶりとなる獣医学部の新設をめぐって発生した問題です。
まず、日本では52年間も獣医学部が作られていなかったという事実に驚かれる方もいると思いますが、
これは決して現時点で獣医学部が沢山あるからということではなく、
獣医学部があまり多くなりすぎると困る獣医学界のお偉いさん方と、
特に文部科学省との間での密約により、
長きにわたって規制がかけられていたことがその原因でした。このようなものを「岩盤規制」といいます。
そして、長きにわたってこのような規制があったことから、これまで国の各地域から獣医学部の新設を国に要請しても、それが許可されることはなく、52年間もの間新たな獣医学部が作られることはなかったのですが、
しかし、そういった現状にあきらめることなく、なんと2006年から約10年間の間に15回も獣医学部の新設を要請していたのが、愛媛県の今治市です。
実は、四国にはこれまで獣医学部のある大学が1校もなく、今治市はそういった現状をなんとか変えたいと考え、長きにわたって国にアプローチをかけていました。
そして、第二次安倍政権になってから、そういった岩盤規制に何とか穴をあけたいと考えた安倍政権は、文科省にも圧力をかけ、獣医学部の新設の案を通すことに成功します。
そして、念願かなって獣医学部の新設の許可を得た愛媛県今治市ですが、その後政府はその今治市に獣医学部を新設することが可能な1校を募集し、ここで、「学校法人加計学園」が管理する岡山理科大学が選ばれたのですが、
これが今に至るまで続く問題の発端でした。
というのも、この加計学園はその理事を務める「加計孝太郎」氏が安倍総理の親友ともいえるほど仲の良い方だったので、
この獣医学部の新設をこれほどまでに内閣が推し進めていたことには、首相の個人的な意向が絡んでいたのではないか、ということが野党側から追及されたのです。
ちなみに、現在も加計学園問題をめぐる追及は続いていますが、その岡山理科大学の獣医学部に関しては、予定通り今年2018年の4月に開学しました。
その入学式には長らくメディアの前に姿を現さなかった加計孝太郎理事長が登場し、ニュースなどで取り上げられ、話題となりました。
そもそも、加計学園問題は何が悪いのか?
加計学園問題においては現在、政権を握っている安倍内閣が野党から厳しい追及を受けていますが、
この問題ではいったい何が悪いのかというと、実はこれを一概には何が悪いというのを説明するのは難しいのですが、
あえて言うとするのであれば、この問題で悪かったのは、
安倍総理ら与党側の対応です。
なんだかテレビを見ていると、安倍総理が一方的に追及を受け、あたかも安倍総理がすごく悪いようなことをしているような印象を受けてしまいますが、
実際は野党は、この加計学園問題に関しては特に証拠などもないまま、安倍総理に対して強い態度で追及を続けていました。
つまり、確たる証拠もないのに、
プライベートで仲がいいから忖度したんだろ!
と追及しまくっていたんですね。
野党はどうにかして安倍政権を倒したいので、もう必死でまくしたてます。
ここで、もし安倍政権がこれまでとは違うような対応をとっていれば、また話は別だったと思うのですが、
安倍総理は話しているうちにいくつかぼろを出してしまい、また、森友学園問題でもマイナスのイメージがついてしまっているので、この加計学園問題でも悪いのは安倍総理だ、というような話になってしまっています。
さて、ということでここで、この問題を改めて問題の経緯を時系列で振り返ってみましょう。
加計学園問題を巡りこれまでにどのようなことがあったのか、最新情報も含め時系列で解説!
さてそれではここからは、獣医学部の新設をめぐりどのようなことがあったのかを、最新の情報まで含め、改めて時系列で確認していきたいと思いますが、
その前に一言だけ書いておきたいのは、
そもそもこの獣医学部の新設は、それ自体はそれはもう大変な努力の末に達成されたもので、獣医学部が新設されたこと自体は歴史的な出来事であり、大変素晴らしいことだということです。
獣医学部に進むことができる人が増えれば、それによって救われる動物の命も増えるでしょうし、そういう夢のある若者を応援したいのであれば、野党は今すぐにでも黙った方がいいんです。
安倍内閣を倒すための良いネタだというのはわかりますが、純粋に獣医になりたくて岡山理科大学に進むことを決めた若者にとっては、この騒動は迷惑以外の何ものでもないですからね。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、まず、愛媛県の今治市が初めて獣医学部の新設を要請した2006年から、何があったのかを詳しく見ていきましょう。
- 2006年:今治市が獣医学部の誘致を開始
- 2007年~2014年:今治市が、小泉政権が導入した構造改革特区制度を活用した獣医学新設を15回提案。しかしいずれも却下。ちなみにこの時点で加計学園による獣医学部の新設を念頭に話が進められていた。
- 2015年4月2日:愛媛県と今治市の職員、加計学園事務局長が内閣府と官邸を訪問し、そこで、藤原豊・地方創生推進室次長と柳瀬唯夫首相秘書官と面会した。
- 2015年6月4日:愛媛県今治市が国家戦略特区を活用した獣医学部新設を申請
- 2015年12月15日:今治市が国家戦略特区地域に指定される
- 2016年3月24日:京都府が同じく国家戦略特区を活用した獣医学部新設を申請
- 2016年11月9日:「広域的に獣医学部が存在しない地域」での学部新設を進める方針を決定。つまり京都府の案は却下
- 2017年1月4日:今治市での学部新設が決定。事業者の公募が始まる
- 2017年1月20日:事業者として、「加計学園」が選ばれる。
- 2018年4月:岡山理科大学の獣医学部のキャンパスが今治市に新設され、開学。
と、このような感じなっているのですが、
正直なところ、このような流れを見ていると、もともと今治市では加計学園を事業者として獣医学部を新設する予定のようだったので、そこで忖度があったのではないかと思われるのは、ある意味仕方のないことなんです。
というより、この流れを見て、安倍総理と加計理事長が仲が良いというのを知っていたら、誰だってそこに忖度があっただろうと感じるでしょう。
だからこそ、それを追及されたときの安倍総理の対応が重要だったわけですが、
なんとこの安倍総理、これに関する野党側の追及に対して、
自分が加計学園がこの計画にかかわっているのを知ったのは、2017年の1月20日、つまり
事業者が決まった日までは何も知らなかった
と国会で発言してしまったんですね。これがまずかった…
というのも、安倍総理と加計理事長は、プライベートでも食事をしたり、ゴルフをしたりするほど非常に仲が良いので知られているのに、そんなギリギリになるまでプライベートでその獣医学部の親切の話など一切出なかった、というのはさすがに無理がありますよね。
つまり、実際に忖度があったかどうかというのはわかりませんが、この発言によって安倍総理は嘘をついているのではないかという「疑惑の人物」に変わってしまったということです。
また、先ほどの時系列の中で赤いマーカーをつけた2015年4月2日は、まさに今最新の話題となっている所ですが、
この日、愛媛県の職員が柳瀬氏と面会した際に、県の職員が残した備忘録の中に、
「本件は首相案件となっており…」
と柳瀬氏が発言していたという記録が残っていたことが今月2018年の4月10日の朝日新聞の記事で発覚し、問題となっています。
つまり首相案件ということは、やはり首相がらみで進められていた計画だったのではないか?首相からの忖度があったのではないか?というようことの証拠になりえるような文書がここで出てきてしまったということなんですね。
そして、これに対して、柳瀬氏がその首相案件という言葉をなんとかうまいように説明すればよかったわけですが、
なんと柳瀬氏は、
「記憶の限りでは職員と会っていない」と、
そもそも面会したことすら否定
こんなこ対応をしてしまったために、現在安倍政権は嘘をつきまくっていると野党側から強い追及を受けているというわけなんです。
結局、いつまでこの話を続けるつもりなのか?
というわけで、この加計学園問題はもう引っ込みがつかないところまで来ており、おそらく今後安倍政権が無くなるまでは引き続き野党側からの追及は続くものと思われます。
ここで安倍総理が
いや、ほんとはね!実は加計学園が獣医学部の新設に絡んでるって知ってました!あんなに仲いいんだからそういう話するに決まってるじゃないですか!でも、獣医学部を新設したかったのは加計学園だったからとかいうのは関係ありませんよ!四国に必要だと思ったから何とか頑張ったんです!
とある意味開き直って発言してしまえば、少しは事態も進展するかもしれません。
とは言え、ことはそう単純ではありませんが(笑)安倍政権には他にも様々な疑惑が突きつけられていますからね。
ただ、野党はいかにも正義面をして安倍内閣を倒そうとしていますが、問題は、もし打倒安倍内閣に成功したとしても、その後他にちゃんと総理が務まるほどの人物がいるのかというところです。
今の自民党政権になる前に、首相がころころ変わっていたことはよく覚えていますが、これはもちろん日本にとって良くないことで、特に外交上非常に良くないことでした。
というのも、海外の首相は基本的には何年も続けてきちんと任期をまっとうしますが、日本はあまりにも総理が変わるため、海外の首相は
こいつと話をしてもすぐ辞めちゃうから意味ないわ
という感じで、なかなか重要な話が進まないということがあったんですね。
だからと言って安倍総理をひたすら擁護したいわけではありませんが。日本が発展するためにはもっと他にやることがあるだろう、と感じているのは私だけではないでしょう。
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