※宇宙の誕生前、そこは「無」の世界だというビレンケンの仮説

私たちが住んでいるこの地球は、宇宙に何千億とある銀河の中の1つである、「天の川銀河」の中に存在しています。

そしてこの地球は、地球の30万倍以上の質量を持つ太陽の重力に引き付けられながら、約365日という時間をかけてその太陽の周りを一周(公転)していますが、

実は、その天の川銀河の中心には、太陽の300万倍以上もの大質量を持つ巨大ブラックホールが存在しているものと考えられており、そのブラックホールの持つ重力に引き付けられながら、太陽もまた銀河の中を公転しています。

ただし、太陽がその銀河の中を一周するのには、およそ2億年という途方もない時間がかかります。

これは決して太陽の公転スピードが遅いわけではありません。なんと、太陽は秒速200Km以上の超高速で公転しているのですから。

ただ、天の川銀河はその直径がおよそ10万光年もあるとされています。つまり、光の速さで端から端まで横断しようとしても、10万年もかかるのです。

光は秒速30万Kmですから、それと比べれば、秒速200Kmは確かに超スローモーションのようなものですね。

このように、我々が住む地球は、そんな様々な事象が複雑に絡み合った銀河の中に存在し、最初にも申し上げましたように、そういう銀河は宇宙に何千億と存在しているとされています。

ただ、そんなとても言葉では説明しきれない複雑な構造を持つ宇宙は、初めは「無」の世界から始まったのだというから驚きです。

そこで今回は、その宇宙の誕生前、この世界には何があったのか。ビレンケンが提唱した無からの創生論について解説します。

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宇宙の誕生前の世界は「無」だった?ビレンケンの唱えた創生論について

」というと、何も無いという意味ですが、我々はいまだかつて、普段の生活の中で無という環境を体験したことはありません。

よく、何かの実験を行うときに「真空」の環境を作り出して実験しますが、これは文字通り空気がないだけ。

素粒子の1つである電子は存在していますし、私たち人類がいまだに観測できていない、「ダークマター」もおそらく大量に通過しています。言わずもがな、光子も通過してしまいますね。光が進むためには空気は必要ありません。

もちろん、実験時にはなるべくそういう影響も考慮したうえで実験を行うはずですが、この地球上にはおそらく、全くの無という空間は自然にはありません。

しかし、この宇宙の誕生前は、この世界はその無で満たされていたと考えた人物がいます。それが、ロシア人の物理学者で、アメリカのマサチューセッツ州にあるタフツ大学に籍をおいて宇宙学研究に尽力したアレックス・ビレンケン博士です。

彼は、まったくの無の世界の中で、空間のゆらぎによって誕生したどんな素粒子よりも小さな宇宙の種が、トンネル効果によって今の現実世界に飛び出した結果、急膨張を始めたのだという無からの創生論を唱えました。

これだけでは難しすぎるので、少し話を簡単にしましょう。

宇宙の外側には何があるのか?

では、私たちの宇宙の外側は、全くの無の世界になっているのかというと、もしかするとそうではないかもしれません。

というのも、その宇宙の外側には、もしかすると我々のいる宇宙と同じような宇宙や、別の法則にのっとって存在している宇宙が無数に存在している可能性があります。

私たちは、直径10万光年もある天の川銀河から出ることさえできませんが、そういう銀河を何千億を抱えている我々のいる宇宙は、我々の知りえない世界からすると、細胞レベルで小さな存在なのかもしれません。

話を戻しましょう。ビレンケンの唱えた、無からの創生論についてです。

まず、とてつもなく大きな水槽を想像してみてください。それが、我々の知りえない世界だとしましょう。

その水槽の中には、何も入っていません。水も入っていなければ、空気も何も入ってない、まさに無の状態であると仮定します。

すると、その空間の中には何もないので、そこにあるエネルギーもまた0ということになります。しかし、物理学的に解釈すると、ここからが非常に興味深いのです。

実は、ある空間を無の状態にして、どれだけそこからエネルギーを抜き去っても、そこには一種のゆらぎが残るとされています。これはけっして取り去ることができず、ただそこに存在する空間のゆらぎです。

すると、その水槽の中は、トータルではエネルギーは0ですが、そのゆらぎの影響によって、一部ではエネルギーが疎のところと、密になるところが出てきます。つまり、「無」と「有」の間で空間は揺れているのです。

すると、その中でエネルギーがごくわずかに密になった部分に、電子などの素粒子よりもはるかにはるかに小さな粒が誕生します。これが、「宇宙の種」です。

ただ、空間は揺らいでいるので、その部分もまたすぐに疎な状態となり、宇宙の種も瞬間的に消えてしまいます。

このように、宇宙の種ができては消え、できては消えを繰り返していた時に、何らかのきっかけでその宇宙の種が、その水槽の壁から飛び出してしまいました。これが、「トンネル効果」といわれているものです。

トンネル効果とは、素粒子レベルのミクロな世界で稀に観察される現象で、よくボールを壁にぶつけると、そのボールが壁をすり抜けてしまうことにも例えられます。それが、まるでトンネルを通るようなので、トンネル効果と名付けられました。

これは、実際にはその壁をすり抜けるわけではなく、壁に素粒子などが衝突し、消滅すると、それが波として伝わり、その反対側から全く同じ粒子が飛び出すというような現象であるということがわかっています。

なので、実際に野球ボールを壁にぶつけてもそのような現象は起きませんが、素粒子レベルの世界でなら稀に起こる現象なのです。

このようにして、宇宙の種は、我々の今いる世界に飛び出してきてしまったとビレンケンは考えたのです。

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宇宙の創生からの一瞬

このようにして、無の世界から飛び出してきた宇宙は、その後一瞬にして超巨大な空間へと成長していくことになります。

まず、宇宙が創生してから10の-36乗秒~10の-34乗秒の間に、その宇宙は「インフレーション」という相転移現象を起こしました。

相転移とは、例えば、水(液相)が氷(固相)になるような現象です。これによって、その宇宙の種は膨大な熱を放出します。

また、このインフレーションによって、10の-34乗cmというどんな素粒子よりも小さかった宇宙は、1cm以上もの大きさにまで成長します。1兆倍して1兆倍して1兆倍してもまだ足りないくらいの大きさに、その一瞬で成長したのです。

そして、その後エネルギーで過密になった空間の温度は、なんと10の23乗℃もあったとされ、その超高温高密な空間からエネルギーを解き放つように、宇宙はまた急激な膨張を遂げることになります。これが、いわゆる「ビッグバン」です。

このビッグバンは、宇宙の創生から10の-27乗秒後に起こったとされ、それが起こった瞬間には、宇宙の広さは1000Kmにも達していたであろうと考えられています。

まとめ

今回の記事では、宇宙の誕生前の無の世界や、そこから宇宙が誕生したとされるビレンケンの唱えた説について解説しました。

宇宙は今から約138億年前に誕生したと考えられていますが、その宇宙は今もなお光速よりも速く膨張を続けており、実は宇宙の歴史的には、まだ始まったばかりなのだとさえ言われています。

我々が生きている一生は、宇宙の歴史で考えれば、一瞬にも満たないわずかな時間のようです。

非常に壮大な話であり、ちょっとにわかには信じがたいですが、

確かに宇宙は何かをきっかけに誕生したのは事実なので、この世界にはまだまだ我々の知らない謎が考えられないくらい多く隠されているのかもしれませんね。

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