※宇宙の誕生の瞬間から、最初の1秒に起こった奇跡

私たちは普段、1秒という短い時間を意識することなどほとんどありませんが、

宇宙の誕生の歴史においては、その最初の1秒はまさに奇跡の連続で、今の宇宙の根本原理のほとんどは、その宇宙の誕生の瞬間から最初の1秒の間に出来上がったと言っても過言ではありません。

宇宙の起源というと、皆さん「ビッグバン」と呼ばれている巨大爆発が起きたという認識を持っている方が多いと思いますが、

実は、そのビッグバンは、宇宙の種が誕生してから、10の-27乗秒後に宇宙の急膨張が始まった時点のことを言います。つまり、本当の宇宙創成の瞬間が、そのビッグバンが発生した瞬間というわけではないのです。

そこで今回の記事では、その宇宙の誕生した瞬間から、最初の1秒について解説します。

スポンサードリンク

宇宙誕生の瞬間、一体何が起きたのか?

私たちが住んでいるこの宇宙は、今から約138億年ほど前に誕生したということがこれまでの研究結果のすり合わせによって分かってきているのですが、

この宇宙はその誕生の瞬間、不思議な話ではありますが、物理学的には、全くの「」の世界から誕生したと考えられています。

私たちが今いる空間には、酸素や窒素のような原子が充満し、光子も飛び交い、いまだかつて観測されたことのない「ダークマター」も存在しているとされ、それらが今皆さんの手にまとまりついたり、通過を繰り返して存在しています。

今皆さんはスマホやパソコンの画面を見ていると思いますが、その目と画面との間にある空間は、全くの「無」とは程遠い環境なのです。

そういう何もない状態の空間に、突如として宇宙が誕生したというのは、現代科学ではなかなか説明が難しいのですが、物理学的には、「無」という状態には、エネルギーは存在しないと言えるものの、一種の「空間のゆらぎ」が存在していると考えられており、これを消すこともまた物理的に不可能であるとされています。

そして、そのゆらぎは素粒子の生成と消滅の繰り返しによってできており、このゆらぎによるエネルギーは、トータルではゼロなのですが、ゆらぎがあることによって、そのエネルギーには「疎」な部分と「密」な部分ができます。

そして、その密な部分となった空間が「宇宙の種」を作り、実はこれは繰り返し起こっていることなのですが、その中で、たまたま生成した宇宙の種の1つが、トンネル効果によって現実世界に飛び出し、急膨張を始めたと考えられているのです。

トンネル効果とは、電子のような素粒子単位のミクロな世界において、それらが極めて稀な確率で物理的な障壁を透過してしまうように見える現象のことを言います。

私たちの目に見えるような物体が壁をすり抜けるというようなことは確率的に不可能ですが、ミクロな世界、エネルギーが不安定な世界では極稀にそういう現象が起こってしまうのです。

ただ、これは実際には、そういった素粒子が障壁にぶつかった瞬間に消滅し、その波が障壁の反対側にまで伝わった結果、それと全く同じ物質が飛び出すことを言います。なので、ボールを壁にぶつけた時に、反対から同じボールが飛び出すというようなことはあり得ず、素粒子のようなミクロな世界だからこそ起こりえます。

しかし、だからこそもしかすると、この我々が存在する宇宙さえ包み込む「世界」には、我々が住んでいるような宇宙が他にも存在していてもおかしくないのです。

ただ、そういう宇宙が他にもあるかどうかを、宇宙の外側まで行って確認することはできません。なぜなら、宇宙は今も光速よりもはるかに速いスピードで膨張を続けており、我々はその光速すらも超えることはできないのですから。

宇宙の誕生の瞬間の後

そして、その何らかのきっかけで誕生した宇宙は、その後、「インフレーション」と呼ばれる膨張期間を経ることになります。

このインフレーションが始まったのが、宇宙が誕生してから10の-36乗秒~10の-34乗秒後の出来事であると考えられており、

この急膨張によって、インフレーション前に10の-34乗cmとされていた宇宙の種は、一気に1cm以上の大きさにまで膨張したと考えられています。

1cmというと、一般的には私たちからすると豆粒くらいの小さな存在ですが、その最初の大きさを考えれば、それがいかに非現実的な膨張であったかというのがわかりますよね。

また、その10の-34乗cmとは、先にお話しした電子よりもはるかに小さな大きさです。ですので、それほど小さな世界であるならば、トンネル効果は確かに起こりうるかもしれません。

スポンサードリンク

10の-27乗秒後「ビッグバン」の急膨張が起こる

そして、そのインフレーションによって急膨張した宇宙は、いよいよビッグバンが起きる寸前の火の玉にまで成長しました。

これが、宇宙の誕生から10-27乗秒後の出来事であり、そのわずか1cm程度の宇宙は、膨大なエネルギーに満ち、超高温、高密な状態になりました。その温度は、10の23乗℃とも言われています。

そして、そのエネルギーを解き放つかのように、宇宙はまた爆発的に膨張し、これがいわゆるビッグバンといわれているものなのです。このビッグバンが起きてすぐ、宇宙は実に1000Kmもの大きさにもなったといわれています。

10の23乗℃とは何とも現実味のない数値ですが、1兆℃を1兆倍してもまだそれには届きません。とりあえず、人間が実験的に作り出すことの出来ない空間であることは間違いありません。

それから最初の1秒の間には何があったのか

ついつい訳が分からなくなってしまいますが、今説明した内容は、最初の1秒どころか、まだ0.1秒にも、0.00000000001秒にも満たない非常に短い時間です。

つまり、あなたが瞬きするよりもはるかに短い間に、宇宙は「無」の状態から、果てが肉眼では到底見えないような遠いところにまで大きく膨張してしまいました。

なので、実はここから最初の1秒を事細かに説明しようとすると、それには膨大な情報が必要になります。ですので、その最初の1秒の間にどんなことが起きたのか、今の世界の原理に基づくような出来事の話をしましょう。

まず、先のビッグバンによって宇宙が急激な膨張を続ける中で、その宇宙の温度は急激に冷えていきました。

そして、その温度が数兆℃にまで下がったのが、宇宙誕生から10-6から1秒後の出来事であるとされています。

私たちは、「水素」のような「原子」の存在と、その原子を形作る「陽子」「中性子」が存在することを知っていますが、その陽子と中性子は、さらに「クォーク」と呼ばれる素粒子からできていることがわかっています。

ちなみに、原子の材料にはさらに「電子」がありますが、電子はそれ自体が素粒子です。

つまり、「原子」は「素粒子の1つである電子」と「素粒子クォークの集合体からなる陽子と中性子」の集合体でできており、

その宇宙誕生の瞬間から最初の1秒の間には、その素粒子や陽子、中性子といった極小さな存在が誕生したとされています。

ちなみに、それが集まって水素のような原子が生成し始めたのが、その宇宙の誕生から約38万年後のことであるとされています。

つまり、すべての物質の根源たる素粒子はわずか1秒足らずで誕生したのに、それらが集まって原子を作るまでには、それだけ膨大な時間がかかったのです。

というのも、最初10の23乗℃だった宇宙は1秒足らずで数兆度にまで冷えましたが、その後宇宙空間が約2700℃にまで冷えるのに、38万年もの歳月がかかったのです。

そして、その後数億年たってようやく星ができ始め、

私たちの住む地球は宇宙の誕生から約90億年たってから誕生し、

それから約8年後に、我々人類のおおもとの存在である生命が地球上に誕生したと考えられています。

宇宙の歴史はまだ始まったばかり

宇宙の誕生から最初の1秒の間に様々な概念が誕生し、それから約138億年という長い時を経て我々は今生きているわけですが、実は宇宙の歴史で考えれば、まだ宇宙は誕生したばかりと言えるほどその歴史は浅いといわれています。

スケールが大きすぎてどうそれを解釈すれば良いのか難しいですが、我々が生きている数十年から百年余りの出来事など、宇宙の歴史で考えれば、記憶にも残らないような一瞬にも満たない出来事なのです。

私たちはその宇宙の誕生の瞬間をあくまで理論でしか語ることはできませんが、確かに、この世界は最初何らかのきっかけで誕生したことは間違いありません。

それが神の意志によるものなのかどうかもわかりませんが、

今わかっていることは、宇宙がどう誕生したのかということは一生誰にもわからないということだけでしょう。

スポンサードリンク

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter アカウント

関連記事



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)