※鳥は恐竜が進化したもの?その関係とDNAの謎に迫る!

恐竜」と聞くと、我々は映画「ジュラシック・パーク」に登場するような、大きくて、鋭い爪と牙を持ったものを想像してしまいますが、この巨大な恐竜が最後に生きていた時代は、今からおよそ6600万年前までの「白亜紀」であるといわれています。

じゃあ、その恐竜たちは皆が皆絶滅してしまったのかというと、実はそうではありません。というのも、今回の記事のタイトルにも書いてありますように、

私たちが普段見かける鳥たちは、

その恐竜の子孫である

と考えられるようになってきたからです。

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博物館にある恐竜の化石を思い出すと信じられないような気持ちになりますが、つまり、今生きている鳥たちは、その恐竜が時代に合わせて進化したものであると考えられているのです。

そういえば、恐竜も、鳥も、同じ卵からかえりますが、

この2つの間に共通する関係はそれだけではありません。

そこで今回の記事では、そんな恐竜と鳥の関係について詳しくまとめていきたいと思います。

また、この2つのDNAの関係についても見ていきましょう。

目次

恐竜は鳥に進化した?恐竜と鳥の関係とは?

最新の研究では、もはや鳥が恐竜の子孫であるということはほぼ間違いないという結論が出ています。

恐竜は過去に絶滅したと考えられていましたが、実はその姿かたちを変えて、現代にいたるまで生き残っていたのです。

そしてその恐竜が進化した姿が、

なんと私たちがよく見かける鳥です。

スズメだとか、インコだとか、あの可愛らしい鳥も、皆もともとは恐竜だったというのです。

ポケモンやデジモンの世界では、進化というとより大きく、かっこよく、強くなるのが当たり前ですが、

恐竜の場合は、より小型化をすることによって、絶滅したと思われていた6600万年前から現代にいたるまで生き残ることに成功したのだと専門家は言います。

にわかには信じがたい話ですが、そもそも、私たち人間も鳥も恐竜もみんなもともとはアメーバみたいなところから始まったわけなので、それを考えると、ティラノサウルスがスズメに進化したという話でも、それほど驚くようなことではないのかもしれませんね(笑)

という訳で、もう少し詳しくその詳細を説明していくと、

実は恐竜にも色々なタイプのものがいたということがこれまでに分かっており、その系統別に、現在いくつかの分類がされています。

ちなみに、その分類に沿って考えると、最も鳥に近いと思われるような

「プテラノドン」

は恐竜ではないということになっています。つまり、鳥の直接的な祖先ではないということです。

すごく意外な事実ですが、あくまでそれは系統別に考えた話ですので、プテラノドンファンはがっかりしないでくださいね(笑)

さて、では現在の鳥の祖先といわれているものはいったいなんという系統のものなのかといいますと、これは、その約6600万年前まで存在していた

獣脚類」という分類に属するものが、現在に生きる鳥たちの直接的な祖先であると考えられています。

ちなみに、この獣脚類こそが、

あの「ティラノサウルス」が属している分類です。

ただ、このティラノサウルスが鳥類に進化をしたというわけではなく、

実際は、その「獣脚類」に属する比較的小型の肉食恐竜が、恐竜が台頭して間もない約2億年ほど前に分化し、鳥に進化していったと考えられています。

では、なぜこのような考え方がされるようになったのかというと、この考え方が定着するきっかけが発見されたのは1990年代のことなのですが、

その今からおよそ20~30年前に、中国の白亜紀の地層から、現在の鳥のような

羽毛をはやしている恐竜の化石

が相次いで発見されたのです。

羽毛の生えた恐竜としては、

  • シノサウロプテリクス
  • プロターケオプテリクス
  • カウディプテリクス
  • ミクロラプトル
  • ディロング

などが現在確認されているものになります。

ただ、単純に毛が生えたものが発見されたから、鳥になった!とわかったわけではありません。

もともと、恐竜と鳥の間には共通点が多いことがわかっていたのですが、この羽毛恐竜の発見が、最終的にその進化の過程を裏付ける証拠になったということなんです。

恐竜と鳥の共通点とは?

では、その獣脚類の恐竜と、の共通点とはいったいどこにあるのでしょうか?

ということで、その共通点としては、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 直立歩行をすること。
  • 鳥類の翼の3本指は、恐竜の第1指から第3指に由来している。
  • V字型の鎖骨を持っている。
  • 手首の骨が半月型である。
  • 恥骨が後方に伸びており、坐骨と並行になっている。
  • 3つ以上の仙骨を持っている。

などなど…

その共通点は実に100以上もあるといわれているのです。

なので、その恐竜から鳥へという進化論についてはもともとかなり有力説で、その後実際に羽毛を持ち、鳥に似た獣脚類が見つかったことによって、その進化がほぼ確実になったというわけですね。

また、その鳥と恐竜の共通点として特に注目されたのが、恐竜は

気嚢(きのう)」

にかなり近い器官を持っていたであろうということです。

この気嚢とは、現在の鳥類が備えている呼吸器官であり、

この気嚢を使った呼吸は、我々哺乳類が行う肺呼吸よりもさらに高効率な呼吸システムであるということがわかっています。

このように様々な共通点があることから、恐竜は鳥の直接的な祖先であると考えられています。

なので、もしこの先また地球の環境が白亜紀と同じような環境に変わってしまったとしたら、今度はまたその鳥たちが恐竜のような姿に退化してしまうかもしれませんね。

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恐竜と鳥類のDNAの関係とは?

ティラノサウルスのような2足歩行の肉食恐竜が、現在の鳥の直接的な祖先であるとわかった今、

そのDNAに注目しない理由がありません。

というのも、生物がどのように姿を変えていったのかというのは、結論としてはそのDNAがどう変わったのかという話に行きつくからです。

DNAとは、

  • アデニン(表記:A)
  • チミン (表記:T)
  • グアニン(表記:G)
  • シトシン(表記:C)

という4つの塩基からなる鎖2本からなるらせん構造の高分子であり。この4つがどう配列するのかということによって、その生物の特徴が変わってきます。

ちなみに、人間のDNAはその4つの塩基が

30億そろってで1セットであるということがこれまでの研究からわかっていますが、

人間は、

なんとその内の99.9%の配列はみんな同じであるということがわかっています。

つまり、私と皆さんの間にある違いは、わずか0.1%しかないということです。

ちなみに、よく事件などで利用されるDNA検査も、その0.1%の違いを利用しているということになります。

逆に言えば、そのたった0.1%の違いだけで、顔、目の色、髪の色、体質などが変わってしまうということにですね。

そして、実は人間とネズミの塩基配列の違いも、わずか1%程度しかないということがわかっています。

ネズミのような小さな哺乳類は人類の祖先であるといわれていますが、これだけ進化をしても、その違いはわずかに1%しかないということなんですね。

というわけで、その生き物がどんな姿かたちをするかということは、そのDNAのわずかな違いによって生まれてくるわけです。

しかし、人間のDNAの違いは0.1%とは言いますが、単純に計算しただけでも、その配列が違う場所は300万もあるわけで、そう考えるとそれはかなり大きな違いであるということがわかります。

なので、鳥のDNAは現時点で解読することは可能ですが、その鳥と恐竜のDNAの違いは現時点で数%以上違うかもしれませんから、

そう考えると、ティラノサウルスのような大型の獣脚類がどのようなDNA配列をしていたのか、ということを解明することは容易なことではありません。

ただ、鳥と獣脚類のDNA配列がおそらく近いものだろうということが分かったというのは大きな発見です。

なので、このDNA配列をいじっていけば、いずれ恐竜に近い生物を生み出すことは可能かもしれません

(現在はゲノム編集技術の発達によって、DNAの配列を自由にいじることが可能です。)

もちろん、もし恐竜を復活させたいのであれば、その恐竜のDNAを見つける、すなわちDNAが取り出せるだけの保存状態の良い細胞が見つかれば良いわけですが、

これまで様々な研究者がその発見に挑戦してきたものの、現時点ではそれに成功した人はいません。

(6600万年前のDNAが現代に残っている可能性はほぼ0であるといわれている)

そして、長年そういった恐竜の細胞の発見に尽力してきたアメリカの古生物学者、ジャック・ホーナー氏は、最近ではそのDNA発見にいったん見切りをつけ、今度は鳥類のDNA改変によって、恐竜に近い生物を生み出すことを目標に研究に励んでいるそうです。

まとめ

今回の記事では、恐竜と鳥の進化の関係について、様々な観点から詳しく解説しました。

ちなみに、最近では遺伝子改変によって光るウサギを生み出すことに成功しましたが、これはもともと光る性質を持つクラゲのDNA情報を、そのウサギの胚に組み込ませることによって誕生しました。

また、最近ではそのDNAをかなり細かいレベルで改変させることができるため、例えば、もし恐竜のDNA配列が分かれば、鳥類の胚に同じくそういった改変を施すことによって、恐竜を生み出すことは可能になるでしょう。

しかし、もし恐竜と鳥類のDNAの違いがすでに1%以上あるのであれば、その違いは実際はかなり大きなものであると考えたほうがよく、恐竜を実際に生み出すことに成功するとしたら、それはまだ先の話になりそうです。

しかし、これがいかに困難なことでも、

その可能性は0ではない!

だからこそ、いつかそんな日が来るかもしれないというのが、私も楽しみでなりません(^^)

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