私たちの地球は太陽に照らされることによってエネルギーを得ており、太陽がもしなくなったら、たちまち凍りついてしまいますが、
そんな太陽のような
「光る星」と、
地球のような
「光らない星」の違いとはいったい何なのでしょうか?
太陽のような光る星のことを
「恒星(こうせい)」と呼ぶのですが、
その中で起きている反応は、知れば知るほど面白いものです。
そこで今回は、その恒星のような光る星の内部で起こっている現象、つまり星が光る理由について解説します。
星が光る理由とは?太陽の中で何が起こっているのか?
太陽は私たちの生活に必要な「熱」や「光」を送り届けてくれていますが、それらは全て太陽の中で起こっている
「核融合反応」というものによって発生しています。
なお、地球から見ると太陽は「燃える球」のように見えますので、夜空に輝く星と同じもののようには思えないかもしれませんが、地球よりももっともっと遠く離れた場所から見れば、太陽も暗い宇宙に輝く星の1つに見えることでしょう。夜空に輝く沢山の星は、太陽のような恒星です。
では、そういった恒星の内部で起こっている核融合反応とはどのようなものなのかというと、これは主に
「水素」と「水素」同士を結合させ、
「ヘリウム」を作り出すような反応のことを言います。
元素の周期表を見てみると、水素の次に重い元素がヘリウムですが、その水素と水素が結合することでこのヘリウムになるのです。
そして、この核融合反応が起こると、その際に莫大なエネルギーが恒星の内部で発生します。そして、これが光や熱となって、例えば地球へと届いてくるのです。
太陽のような恒星は、その核融合反応によって生じる外側への力と、その莫大な質量を持つ天体の重力が均衡を保つことによって1つの球体を維持しています。
しかし、水素は無限にあるわけではありませんので、その水素同士の核融合反応が終わると、いよいよ恒星は最終段階へと入っていきます。では、太陽はどのようにしてその終わりを迎えるのでしょうか?
太陽が本当の意味で死ぬのは何兆年も先の未来
太陽の中に存在する水素は、今後あと約50億年で底をつくといわれています。
ちなみに、現時点で太陽は誕生から約46億年が経過しています。なので、ちょうど折り返しというところですね。
では、太陽の中で水素同士の核融合反応が終わるとどうなるのかというと、今度は、その内部で1番軽い元素となった、ヘリウム同士の核融合反応が始まります。
このようにして、1番軽い元素の核融合反応が終わると、その次の元素の核融合反応が起こるということが繰り返し起こっていくのですが、太陽の内部では、それが酸素や窒素になるまで進んでいくものと考えられています。
つまり、
H⇒He⇒Li⇒Be⇒B⇒C⇒N⇒O
という感じに、核融合反応が進んでいくのです。
しかし、水素同士の核融合反応が終わるころ、その太陽にはある変化が訪れます。なんと、太陽はどんどん膨らんでいくのです。
そして、太陽の周りをまわる惑星は、近い順に
「水星」「金星」「地球」と続いていますが、
その太陽の外層は金星の周回軌道上を超え、最終的に地球付近にまで迫ると考えられています。
これによって地球は干からびてしまい、その熱風によって今よりも遠くへと追いやられてしまうと考えられています。また、質量放出によって太陽の重力が弱まるために、単純に地球は今よりも太陽から離れた場所に移動すると考えられています。
つまり、この変化が起き始めると、人間は地球に住むことが出来なくなります。そうなったら、また別の星を探さなければなりませんね。
そして、このように膨張した太陽は
「赤色巨星(せきしょくきょせい)」と呼ばれるのですが、
その赤色巨星はその後また長い時間をかけてその外層を放出し、太陽があった場所には白く光り輝く「核」だけが残ります。
そして、この核は
「白色矮星(はくしょくわいせい)」と呼ばれ、
太陽よりもずっと小さい大きさですが、
その表面温度は太陽よりも数十倍以上高くなると予想されています。
この白色矮星は、宇宙で最も熱い天体です。
そして、宇宙には熱を伝導させるものがほとんどないため、その白色矮星は長い時間をかけてその熱を放射させていき、
それが最終的に冷え切るまでは、何兆年もの長い時間がかかると考えられています。
しかし、何兆年もの長い時を経て、白色矮星が冷え切ると、それは最終的に
「黒色矮星」というものになり、
今度は宇宙で最も冷え切った天体へとなります。
光を放出しないため、観測もできませんが、非常に高密度で大質量の天体であると考えられていますので、うっかり近づいてしまうと、たちまち重力に引きつけられて、押しつぶされてしまうでしょう。
宇宙にある白色矮星
星が光る理由は核融合反応であるといいましたが、白色矮星はもう太陽のような大規模な星だった頃のように活発な核融合反応は行っていないものの、やはり光を放ちます。
なので、白色矮星は、我々人類が生き残るための最後のエネルギー源になるかもしれないともいわれています。
白色矮星はゆっくりと時間をかけてエネルギーを周りへと放出させていきますが、それが非常に安定しているので、白色矮星から程よい距離にある星を見つけることができれば、安定してエネルギーを得ることができるかもしれないからです。
ちなみに、私たちはその白色矮星の光を実際に見ることができます。
それが、冬の大三角形を構成する星の1つ
「シリウス」の光です。
実はこのシリウスという星の光は
「シリウスA」という星と
「シリウスB」という2つの星の光が1つになって見えているのですが、
その内、シリウスBは、まさに白色矮星であると考えられているのです。
ちなみにシリウスは、地球から見える恒星の中で、太陽の次に明るく見える星としても知られています。
また、最後になりますが、地球のような星が光らないのは、そもそもその核融合を起こすようなエネルギーを持っていないからです。
つまり、地球の内部では太陽のような核融合は起こっていません。
また、月が光って見えるのは、単純に太陽の光を反射しているからというのもご存知だと思います。月がもし核融合反応なんか行っていたら、月面着陸なんてできるはずがありません。
ちなみに、太陽の内部では核融合反応が窒素や酸素まで進むといいましたが、太陽より8倍以上の質量を持つ恒星の内部ではもっともっと核融合反応が進んでいき、最終的に鉄にまで核融合反応が進んだところで、重力崩壊という現象を起こし、爆発が起こります。
これが、「超新星爆発」と呼ばれているものです。
しかし、恒星の90%以上は太陽のように白色矮星としてその一生を終えることになります。
以上、星が光る理由と、その星がどう変化していくのかについて解説しました。
星の一生ってとても興味深いですよね。(*^-^*)