【重要】東京オリンピックは選手村と会場の「その後」が課題

もうあとわずか2年後の2020年に開催が予定されている東京オリンピック

予算やデザインについて散々もめていた新国立競技場の工事も2016年の12月から着々と進められており、計画通り作業が進めば、2019年の11月にその完成が予定されています。

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今回の東京オリンピックは、被災地の復興、そして日本の経済成長を考える上で非常に重要なイベントであることは当然ですが、今回の東京オリンピックを本当の意味で成功させるためには、2020年だけを見据えた計画を立てるだけでは不十分だというのことはさんざん言われていることですよね。

つまり、その東京オリンピックに向けて新設された会場、選手村などの遺産(レガシー)を、その後どう活用していくのかというところが非常に重要になってくるわけです。

過去にはこういった遺産をうまく活用できず、広い範囲で見た時に失敗だったと言わざるを得ないようなことが何度も起きています。

そこで今回の記事では、前回行われたリオオリンピックのその後、会場や選手村がどうなったのかと振り返り、現在の日本の動きについてもまとめていきたいと思います。

リオオリンピックの開会式会場「マラカナン・スタジアム」のその後

今から2年前の夏季オリンピックはブラジルのリオデジャネイロで行われたということは記憶に新しいですが、実はこの大会は過去にあまり例がないほどの「失敗例」であるといえます。

リオオリンピックの開会式、閉会式、そしてサッカーの試合などに利用された会場「マラカナン・スタジアム」は、オリンピック閉幕後の数か月後には、芝は荒れ果て、何者かが椅子を引き抜き、ゴミだらけの廃墟と化してしまいました。

出典:https://www.theguardian.com

会場がこのような悲惨が状況になってしまったのには、次のような背景があります。

まず、このマラカナン・スタジアムが建設されたのは1950年ともうかなり昔のことになりますが、リオデジャネイロでのオリンピックの開催が決まった後、当時このスタジアムを所有していたリオでジャネイロ州がスタジアムを管理する民間の会社を公募し、「コンソルシオ・マラカナン」という共同事業団体が2013年に日本円にして約65億円で35年間の運営権を獲得しました。

ただ、このコンソルシオ・マラカナンはその出資の95%がオデブレヒト社というグループなので、実質オデブレヒト社がその管理を行っているようものであったということをここに記しておきます。

その後、この会場は2014年のFIFAワールドカップの会場として使用されることが決まり、ここでなんと日本円で468億円もの多額の費用をかけて大規模に全面改修が行われました。

そしてその後、2016年8月に開催されるリオオリンピックのために、コンソルシオ・マラカナンはこのスタジアムをオリンピック大会組織委員会に2016年の3月から貸し出していました。

そして大会が終了したその後の2016年の9月、大会組織委員会がこのスタジアムを返還しようとしたところ、オリンピックのために一部改修を加えた場所が元通りに戻っていないとして、コンソルシオ・マラカナンはこの返還を拒否します。

しかし、この時点で組織委員会の方は約72億円もの負債を抱えており、この改修工事の費用を捻出できるような状況ではありませんでした。また、そもそも組織委員会の方もこのコンソルシオ・マラカナンの主張に異議を唱えており、先に説明したオデブレヒト社が管理を再度引き継ぐべきだとの主張をしました。

しかし、実はこのオデブレヒト社もこのとき賄賂疑惑などによって米国に約4000億円もの支払いをすると発表したばかりであり、とてもその運営管理ができるような状況ではありませんでした。

そのため、そのスタジアムの管理をもともとの管理主である州に委託しようとしたのですが、その州の財政状況もこのスタジアムの管理を行えるような状況ではなかったのです。

このように様々な状況が絡み合い、結果マラカナン・スタジアムは管理をする団体がいないまま放置されています。

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その他の会場、選手村のその後

また、このリオオリンピックの後に管理がされていない会場はマラカナン・スタジアムだけではありません。

例えば、リオオリンピックのメイン会場として、約900億円をかけて建設された南部バーラ地区の競技施設は、オリンピック閉幕後1度しか利用されず、管理を行っていた会社は2016年に営業を停止。

その後、別の会社を探して委託を任せようとしたものの、相手が見つからず、その後は国の管理下となりましたが、結局また国も管理費を捻出できず、これもまた廃墟と化しています。

また、選手村はリオオリンピックの閉会後に市民向けの住宅として売り出す予定でしたが、開催中に選手からも配管等の問題を指摘されていたことなどが報じられていたこと、さらに価格なども決して安くないという理由などから、結局1割も売れませんでした。

日本はどうなる?2020年東京オリンピックのその後を見据えた戦略を

今回はリオオリンピックのその後を中心に話をしましたが、実はこのようにオリンピックの開催後に管理が不十分になっている施設は数多く存在しています。

2004年のアテネオリンピック、2008年の北京オリンピック、この2つの大会のために利用された施設の中にも今や廃墟と化している場所は多く、ここ最近のオリンピックで見事を見据えた戦略を成功させているのはロンドンオリンピックくらいなのです。ロンドンオリンピックの会場が密集していた地域は、閉幕後も商業施設などとしてうまく利用されています。

このような背景があるからこそ、そういった「負の遺産」を残さないために、今後東京オリンピックの会場、選手村の運営をどう行っていくのかというところが重要な課題となってきます。

さて、では現時点で東京都はどのような予定をたてており、どのような動きを見せているかをここで確認してみましょう。

まず、2020年の東京オリンピックでは、新しくできる選手村には学校建設予定地とされている広場も確保されており、オリンピック後にはこの地域を主に住宅地として活用する予定です。

具体的には、東京ドーム3個分にほぼ匹敵する約13万3900m2の土地に、14~18階建ての宿泊施設21棟と商業棟が整備される予定となっており、オリンピック終了後はにこの宿泊施設をマンションに改修する予定となっています。

さらに50階建てのタワーマンション2棟を追加で建設し、合計約5650戸のマンションを市民に供給する予定です。また、このほか高齢者向けの住宅、若者向けのシェアハウスなども建設する予定と報告されています。

今回はリオオリンピックの時のような手抜き工事が起こることはないと思いますので、よほどの失態がない限りはここは問題なく活用できるのではないかと推測されます。

後はやはり競技会場の運営をどうしていくのかということですが、

例えばバレーボールなどの会場となる予定で、2019年の12月に完成を予定している「有明アリーナは」、2017年の2月に管理運営に関する民間事業社からのヒアリングを行っており、その後実際の募集、選定をしたうえで、最終的に運営を任される候補者の決定は2018年の11月が予定されています。

その後、仮契約の終結を経て、管理運営の実地契約が最終的に完了するのは、2019年の4月となっており、この間、東京都とその民間事業者との間で様々な手続きが進められることになります。

というように、2018年の4月現在では、そういった施設はまだ都の管理下となっているものも多く、これをいかに信頼できる事業者へと渡すことができるかが重要になってきます。

未来のために1つでも多くの遺産を残すことが、まさに今の東京都に課せられた大きな課題なのです。

まとめ

今回の記事では、過去のオリンピックのその後「負の遺産」となってしまっている会場が数多くあるという話について説明し、東京オリンピックのその後についても触れた話をまとめました。

リオオリンピックでは選手村が1割も売れませんでしたが、東京オリンピックの選手村ではそういうことがないよう、施設の不具合などを起こさないよう万全の工事が求められます。

また、会場の運営を任される事業は基本的に20年以上というような長期の運営を行っていくことになりますので、そういった管理を本当にできるのか、信頼できる相手に委託をしないと、結局東京都へと返還され、管理が難しいという状況になる可能性は否定できません。

2020年の東京オリンピックまでもうあとわずか2年。本当の意味でオリンピックを成功させるために、東京都の判断力が問われます。

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