太陽系の「惑星」の中で、もっとも太陽に近い場所にある
「水星」
水星は「月」に非常によく似た姿をしており、太陽系の惑星の中では最もサイズが小さい星です。
しかし、太陽に近い分、当然その影響を地球よりも強く受けるため、
その地表の環境は、我々の住む地球とは随分異なります。
そこで今回の記事ではその水星にスポットを当て、
その地表の温度や環境などについて詳しく解説します。
水星の地表について解説!その温度や環境について
太陽の周りを「公転」する天体のことを惑星と呼びますが、
太陽は計8つの惑星(水金地火木土天海)を従えているということは皆さんもご存知でしょう。(以前は9つ目の惑星とされていた「冥王星」は、現在では準惑星とされています。)
そして、水星はその中で最も太陽に近い場所にあり、
太陽と地球との距離が
約1億5000万kmなのに対し、
太陽と水星の距離は
約5万8000万kmと、
地球よりも、およそ3分の1程度の近距離に位置しています。
すると、水星は地球よりもその太陽の影響をより強く受けることとなり、
その地表の温度は地球よりもはるかに高く、
なんと平均で約180℃にもなります。
ただ、水星には大気がほとんどないため、保温効果を得られないことから、
場所によってその地表の温度は大きく変化し、
-170℃~430℃の間で変化します。
水星の表面にはクレーターの跡が多数
水星には、隕石の衝突によってできたクレーターの跡が非常に多く残されています。
これは、そもそも隕石が大きいまま衝突しやすいということと、
そのクレーターが消えづらいということがその大きな理由です。
そして、その理由を説明するうえで重要になるのが、
「水星の大気の存在」です。
地球は生命が誕生していることからもわかりますように、豊富な大気がその星の周りを覆っています。
そしてこれは、実は隕石が地球の表面にまで到達するのを防ぐ、防御の役割も担っているのです。
というのも、実は地球にも年間で数千個~数万個というような数の隕石が大気圏に突入してきていますが、
その隕石は秒速数十km以上という超高速に達し、これが大気を瞬間的に押しつぶすと、そこで数千度以上の高温となり、ほとんどの隕石はここで燃え尽きてしまうのです。
しかし、水星には大気がほとんど存在しないため、その影響をほとんど受けないまま地表へとぶつかることとなります。その結果、水星には隕石が衝突する割合が必然的に高くなりますね。
また、水星には大気が無ければ、流動的に流れる水も存在しません。
その結果、一度できたクレーターは風化や浸食の影響をほとんど受けず、長い間そこに形成されたままになります。
なぜ水星には大気がないのか
生命が誕生し、生活をするうえで、大気の存在は必要不可欠なものと言えますが、
水星に大気が存在しない理由は、
- 太陽風の影響
- 重力の弱さ
の2点が主に関係しています。
「太陽風」とは、太陽で起きた爆発などに伴い吹き出し、
秒速数百kmという速さで進む極めて高温で電離した粒子のことであり、
この太陽風は少なからず太陽系の惑星にも影響を与え、その大気を一部吹き飛ばしてしまいます。
しかし、それよりもさらに重要なのが、
その惑星が持つ「重力」です。
実は、水星は現在8つある惑星の中では最も重力が弱く、
地球の持つ重力を1とするならば、
水星の重力はわずか0.377しかありません。
その結果、水星は大気をその星の表面付近にとどめておくことができず、宇宙空間へと逃げて行ってしまうのです。
太陽風よりも重力の方が重要であるということは、地球のお隣で、地球よりも太陽から遠い火星を見ればよくわかります。
今後、地球人がもし住めるとすれば、それは火星であるといわれていますが、
実は火星には地球の100分の1以下の大気しか存在せず、この主な原因が、その重力の弱さなのです。
先ほど、地球を1とすると、水星の重力は0.3770と言いましたが、火星もまた0.3895程度しかありません。
そのため、火星にも以前は豊富に大気があったと考えられていましたが、その大気は宇宙に逃げてしまい、
火星の温度は冷え、かつて存在した水は氷として地中に眠っていると考えられています。
まとめ
今回の記事では、水星の地表の温度や、それに関連する水星の特徴についてまとめました。
水星は地球に比べるとその半径は2/5程度しかありませんが、
実は、地球は1日で1回自転するのに対し、水星は自転するのに58.7日もかかります。
また、水星はその地表の温度がかなり高くなることは前述したとおりですが、クレーターの中には絶対に日が当たらない場所もあり、
なんとそこには「氷」が存在していることもわかっています。
太陽に近いとはいえ、決してその全土が灼熱になるというわけではないのですね。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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