太陽系に属する8つの惑星のうち、最も太陽に近い場所にある水星。
この水星は、実は非常に見るのが難しい星として知られており、
1年を通して簡単に見ることが出来るような星ではありません。
その理由は、やはり太陽に近い場所にあるということが関係しており、
日が昇る直前の明け方と、日が沈む直前の夕方にしか見ることが出来ないのです。
日中は、太陽が明るすぎてみることが出来ず、夜は太陽と一緒に地平線へと沈んでしまうので見ることが出来ません。
そこで今回の記事では、その水星を見るために、その見え方について詳しく解説いたします。
水星を見るには「太陽:水星:地球」の角度が重要!
水星が見えづらい理由は、
水星が太陽に近い場所にあり、
太陽、水星、地球の3つの点を結んだ時の角度が、大きくなりづらいということがその理由です。
水星は、その水星自らが光っているわけではなく、
太陽の光を反射することで光って見えているわけですが、
例えば、
地球⇒水星⇒太陽が直線に並んでいると、水星は太陽の明るさに隠れてしまい、見ることが出来ませんし、
その水星が少々直線状からずれても、その時間帯が日中だと、空の明るさで見ることが出来ないというわけです。
だからこそ、
明け方や夕方など、空が暗い時間帯で、
かつ水星が太陽と地球との間で十分な角度ができてる時期、
そして、地球の自転によって水星が見えなくなる前に、水星を見る必要性があります。
分かりやすく説明するために、以下の図をご覧ください。
これは、太陽、水星、地球の3つの星の関係性を示したものですが、
このうち、ある時期においては、その3点の角度が大きくなり、
この角度を「最大離角」と言います。
そのため、まずはその角度が最大離角になるのはいつなのかということを調べ、観察に臨むことが大切です。
逆に、その3つが直線状に並び、水星が内合、外合の位置にある時期には、水星を見ることはできません。
また、水星は地球の周りを88日で一周し、地球は365日で一周するため、
いつの時期に最大離角になるのかということは、常に決まっているわけではありません。
そのため、もし水星を見たい場合には、直近で最大離角となるのはいつなのかを調べる必要があります。
水星の見え方は?
では、その水星は一体どのように見えるのかというと、
まずは先ほど申し上げましたように、
その水星が最大離角となるのはいつなのか、ということをよく調べます。
そして、
東方最大離角となる場合には、夕方の西空で観察しやすく
西方最大離角となる場合には、明け方の東の空で水星を見ることが出来ます。
また、東方最大離角となる場合には、金星を目印に見つけられる場合もありますので、その決まった時期に、どのようにすれば見えるかというのを、国立天文台などの発表を参考にしてみましょう。
ちなみに、2018年3月には、水星が東方最大離角となったのですが、
その時は、以下のように金星と水星が綺麗に並んで見えたようです。
夕空の水星と金星です。
今日は寒くて風が強く、低空まできれいに晴れました。ひさしぶりにギラギラ輝く金星を見たような気がします。水星も肉眼ではっきりと見えていました。
2018/3/10 18h35m,18h47m pic.twitter.com/T6eVCeMfw7— 月世界への招待🌙🔭 (@MoonWorld_jp) 2018年3月10日
水星は、金星に比べるとなかなか見つけづらく、空気が澄んだときにしかなかなか見えないようですが、
是非、あきらめずに探してみてください(^^)
まとめ
今回の記事では、水星の見え方について詳しくまとめました。
ちなみに、例えば日本が夜になるときは、日本が太陽とは反対側に向いているということですが、
そうすると、真夜中に日本から空を見上げると、常に太陽と反対側の宇宙を見ていることになりますので、
太陽と同じ方向にある水星は決して見ることが出来ないのです。
ちなみに、水星と金星は、そのどちらもが地表の温度が数百度にもなる灼熱の星です。
ただ、水星には地球の1兆分の1程度の大気しかないのに、
逆に金星は、地球の90倍もの大気圧になるほどの、分厚い大気によって覆われています。
そのため、実は金星の方が、
その温室効果によって、より太陽に近い水星よりも温度が高くなっているのです。
このようなことについて考えながら水星や金星を見てみると、より楽しめるのではないかと思います(^^)
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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