【解説】火星に到達するまでにかかる時間は?

太陽の周りには、

内側から、水星、金星、地球、火星…という順に惑星が存在し、

それぞれが異なる周期で太陽の周りを公転しています。

そして、地球の1つ外側に存在するのが、今回お話しする火星という惑星ですが、

結論から申し上げますと、

地球から火星に向かって出発した場合、到達にかかる時間は、

最も燃料を必要としない軌道を通ると、約260日です。

この軌道を「ホーマン軌道」と言います。

燃料と人員数などを無視すれば、100日程度で到達することも可能なのですが、

現在火星に探査機を送り込む場合は、その燃費を重視した軌道が利用されています。

そこで今回の記事では、その火星に到達するためにかかる時間の詳細と、ホーマン軌道について解説いたします。

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目次

火星に到達するためにかかる時間は?

人類はかつて、月面にはすでに到達していますが、

実は、火星が最も地球に接近したときでさえ、

地球から火星までの距離は、地球から月までの距離の100倍以上にもなってしまいます。

そのため、地球から火星まで行こうとすると、時間ももちろんかかりますし、

燃料も大量に必要になり、それに比例して莫大な費用が必要になってしまうのです。

そこで、いかにそのコストを下げるかが重要になってくるのですが、

そのために利用されるのが「ホーマン軌道」というもので、

これは、地球の公転速度を利用して出発し、

火星がちょうど出発地点から太陽の反対側に来るときに到着するように描かれる楕円軌道です。

ちょっと言葉だけでは難しいと思いますので、図を用いて解説いたします。

ホーマン軌道とは?

地球単位で見ると、もし今皆さんが座っているなら、それは全く動きのないもののように感じられますが

実は地球は、秒速30kmというすさまじい速度で太陽の周りを公転しているため、

火星に行くためにも、これを活用しない手はありません。

そこで、利用されるのが「ホーマン軌道」というもので、

ロケットを地球の公転方向へと打ち出し、

火星が、その地球の打ち上げ位置から見て、ちょうど太陽の反対側に来るときに着陸できるように打ち出すのです。

すると、位置的に初速のエネルギーが0になるため、最も燃費が良くなります。

ただ、これだと距離は長くなるため、到達にかかる時間は長くなってしまうというのがデメリットですが、

それ以上に、費用を抑えられる恩恵の方が大きいです。

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準ホーマン軌道とは?

ホーマン軌道について調べてみると、

準ホーマン軌道」という言葉を目にした方もいるかもしれません。

というのも、実は地球から探査機を火星に送り込む場合も、

ホーマン軌道ではなく、主にこの準ホーマン軌道が利用されています。

ただ、この準ホーマン軌道とは、ホーマン軌道とそれほど大きな違いがあるものではなく、

簡単に言えば、打ち上げ速度や、打ち上げ方向を少しだけ変えてやることによって、

火星がホーマン軌道における反対側に達する前に、火星に到達できるようにした軌道です。

ホーマン軌道を利用していくと、確かに最も燃費が良くなるのですが、

実際は、時間がかかるほど気体の不具合が起きる確率も高くなりますし、

ぴったりに到着するというのは中々難しいため、

準ホーマン軌道を利用して、かかる時間を若干減らすような形で火星に到着するように調節しています。

ただ、あまりにもホーマン軌道からずれるようにすると、

それだけ減速にも燃料が必要になってきてしまいますので、

あくまで調節するという範囲でのわずかな違いです。

人類初の火星到達はいつになる?

人類が初めて月面に到達したのは、1969年のことですが、

それから半世紀がたったいま、ついに人類は初の火星到達へ向けて動き出そうとしています。

先にも申し上げましたように、火星は月よりもはるかに離れた場所にありますので、そこに到達することは容易なことではありませんが、

あのアメリカ航空宇宙局「NASA」は、2030年代の有人飛行、およびその到達を目指しています。

火星の地下には水が流れている可能性があり、生命が誕生している可能性も他の惑星に比べるとかなり高いため、

その日を楽しみに待ちましょう(^^)!

まとめ

今回の記事では、火星の到達にかかる時間について詳しく解説しました。

ちなみに火星は、重力が地球の3分の1程度しかない小さな惑星として知られていますが、

これについては、惑星が形成されつつあった太陽系の歴史の超初期に、

火星の1つ外側にあった木星が、火星の軌道上に近づいたために、

火星が大きくなるための材料を弾き飛ばしてしまったという説があります。

火星は、その重力の弱さゆえに希薄な大気しか存在できず、結果温室効果も十分に得られないことから、

その地表の平均温度はマイナス60℃という冷え切った星になってしまったのですが、

もし、木星の接近が起こっていなかったら、火星は地球と同じような生態系が築かれていた、第2の地球になっていたかもしれません。

地球と火星の、宇宙規模で見ればわずかな位置の違いが、その運命を分けたのですね(^^)

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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