\ 2023年3月26日まで /
※現生している世界で「最大の鳥」と「最小の鳥」とは?
皆さんって、鳥類の祖先は一体なんだかご存知ですか?
その鳥類の誕生は今からおよそ1億5000万年前にまでさかのぼりますが、
実は、鳥類の祖先はもともと
「恐竜」であったということが、
最近になってほぼ間違いのない事実であると認められるようになりました。
恐竜の誕生は今から約2億3000万年ほど前にさかのぼりますが、爬虫類の中で前足を持ち上げ、2足歩行をするようになったものが恐竜として発達するようになり、そうはならなかった4足歩行で地を這うようにして移動するものは、ワニのような生物へと分化していきました。
しかし、その2足歩行をするものの中で、恐竜としての進化を遂げたものは最終的にティラノサウルスのような大型のものにまで成長していきましたが、
そういった2足歩行恐竜の中で、比較的初期に登場した小型のものが、次第に羽毛をはやし始め、
今から1億5000万年前にはついに羽根を持つ鳥類に進化していったと考えられているのです。
そのため、現生鳥類はまさに恐竜の生き残りであり、唯一生き残った恐竜そのものであるとも言われています。
そしてそういった鳥類は、約6600万年前に起こった大量絶滅を機に、非常に多様な変化を遂げていくことになります。
この絶滅の原因は、メキシコのユカタン半島付近に落ちた直径10kmもの大きさの隕石による衝撃と、それに伴う気候変動という説がありますが、ここで300万年地上を支配していたティラノサウルスは絶滅し、その他の大型の肉食恐竜も息絶え、
結局、地上の約80%もの生物が絶滅したと考えられていますが、それまで恐竜から身を隠すように暮らしていた哺乳類の祖先である小型の動物や、鳥類の一部は何とか生き残ることに成功しました。
そして、その鳥類の中には、ついに敵が少なくなった地上に降りて、飛ぶことをやめてしまったものまでいます。また、大きくなるものもいれば、小さくなるものもいました。
こうして、現代においては世界で
約9000種類にもなる鳥類が誕生することとなったのですが、
果たしてその現生鳥類の中で、
「最大の鳥」と「最小の鳥」は一体どんな鳥なのでしょうか?
詳しく解説していきたいと思います(^^)
世界最大の鳥とは?
世界で最大の鳥といえば、おそらく皆さんもよく知っている鳥で、
それほど意外性はないと思いますが、
現生鳥類の中で最大の鳥といえば、
それは「ダチョウ」のことを言います。
上の画像で言うと、奥にいる黒い羽根を持つものがオスで、手前の茶色っぽい羽根のものがメスです。オスの方が若干大きく成長します。
そして、その背の高さはなんと最大で2.8m近くにもなり、
体重は130~160kg!
まさに文句なしの体格で、現生鳥類としては最大の鳥として広く認められています。
しかし、このダチョウは、皆さんご存知のように、実は飛ぶことはできません。
しかしながら、彼らが生息しているのはアフリカの中部と南部。
そこにはチーターやライオンなどの大型の肉食獣が生息しているため、彼らはそういった生物から身を守るために、
「走力」と「視力」を発達させました。
まず、走力に関して言えば、ダチョウの最大時速はなんと70kmにも達し、人類最速のウサインボルト選手の時速45kmを軽く凌駕します。
また、ダチョウは全ての鳥類の中で最も目が良いといわれており、私たちのよく知る視力に例えるなら、
その数値は25にもなり、10km先まで見通せるであろうと考えられています。
そして、それほど発達した視力を持つダチョウの目は、実は陸上に住む生物の中では最も大きく、その直径は5cmもあり、重さは1個で60gもあります。
5cmと聞くとそんなに大きいか?とあまりピンとこないかもしれませんが、ちょっと指でその大きさを作ってみると、確かに大きいなということがわかると思います。しかも、ダチョウの頭の大きさから考えると目だけが異常に発達しているのがわかります。
ちなみに人の眼球は約直径2.5cmで、直径自体は約半分ですが、
直径と体積は別なので、ダチョウの目の玉の大きさは相当なものです。
世界最小の鳥とは?
それでは一方、世界で最小の鳥は果たしてどの鳥なのかというと、
最小の鳥は、キューバに生息しているハチドリの仲間の
「マメハチドリ」という鳥です。
このマメハチドリは、なんとその体長はわずか5cm程度で、
体重はたったの2g程度しかありません。
5cmということですから、なんとさっきお話ししたダチョウの目くらいの大きさしかないということですね。なぜこれほど両極端な進化の仕方をしたのか、非常に驚異深いところです(・_・;)
このマメハチドリは、飛べないダチョウとは対照的に、その羽を1秒間に50~80回も羽ばたかせることが出来、その場に停空するホバリングを行うことができます。
以下の動画に映っているのはマメハチドリではありませんが、同じくハチドリの仲間の鳥がホバリングをしている様子がとらえられています。
現生している日本で最大の鳥と最小の鳥は?
改めてまとめると、ダチョウはその重さが160000gにもなるのに対し、
マメハチドリはたったの2gしかないということですが、
それではその範囲を限定して、日本の中だけだったらい一体どれが最大の鳥なのかというと、
日本における最大の鳥は
「オオワシ」です。
このオオワシは、普段はロシア東部に生息していますが、冬になると南下し、北海道や本州の北部にまでやってきます。
その羽を広げたサイズはなんと2.5mにもなります。
握力100以上の力で獲物を文字通り鷲掴みにしてしとめてしまいますが、冬の間日本に来るときは、主に魚などをエサにしているようです。
一方日本で最小の鳥は、日本の広い範囲の、主に山の高いところに暮らしている
「キクイタダキ」という鳥です。
このキクイタダキは、その体長は約10cm、体重は5g程度なので、マメハチドリの倍くらいのサイズです。
頭に「冠羽」と呼ばれる黄色い毛並みがあり、それが菊をかぶっているようだというところからキクイタダキと名付けられたのがその由来のようです。
非常に可愛らしいですね(^^)
飛べる鳥の中で最大の鳥は?
さて、先ほど鳥の中で最大の鳥はダチョウであるといいましたが、
ダチョウは確かに鳥ではありますが、
言ってしまえば、私たちになじみ深い
「飛べる鳥」ではありませんよね?
では、本当の意味で、
現生の鳥類の飛翔能力を持つものの中で最大のものは一体どれなのかというと、
これまでに記録されている中で最も大きな鳥は
「ワタリアホウドリ」という鳥です。
ワタリアホウドリは以下の動画でご覧いただけます。
このワタリアホウドリは、もともとサイズが大きい鳥ですが、
なんと過去には翼開長が363cmにもなる個体が確認されており、これは飛ぶ鳥としては最も大きなものとして記録されています。
ただ、飛ぶ鳥の中で
「最大の重さを持つ」
という点に関しては、
「アフリカオオノガン」という鳥に軍配が上がります。
アフリカオオのガンは以下の動画でご覧いただけます。
このアフリカオオノガンは、飛ぶ鳥としては最重量の
18~22kgを誇り、
空気力学の理論上では22.7kgが限界であると言われている中で、まさにギリギリのところで生きています。
しかし、アフリカオオノガンはやはり体重がネックなのか、確かに飛ぶことはできるものの、あまり飛ばない鳥としても有名です。
まとめ
今回の記事では、現生鳥類の中で最大の鳥と最小の鳥に関する情報を詳しく解説しました。
ちなみに、ワシやタカなどの大型の肉食鳥類は、過去に人間の子供をさらおうとしたこともあり、実は危ない動物です。くれぐれも、そういった鳥類がいる山などでは子供を1人にしないように気を付けましょう。
それにしても、鳥類は非常に多種多様な進化を遂げてきたことが今回の記事からもお分かりいただけたかと思いますが、飛ぶ鳥もいれば、飛ばない鳥もいて、いったい何がきっかけとなってそういう変化が生まれるのかというのは大変興味深いですよね(^^)
また、キクイタダキは秋ごろになると寒さから逃げるように低地でも見られるようになるそうなので、是非探してみてはいかがでしょうか?
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!
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