落選の可能性が高いとされていながらも、相撲理事選挙に臨んだ「貴乃花親方」
その出馬によって、相撲協会の健全な運営を目指したいというような意志を表明したような形になったわけですが、その結果は、やはり大方の予想通りの「落選」という形になってしまいました。
今回の相撲理事選挙では、当選するためには9票が必要であるとされていたのですが、
貴乃花親方は、結果2票しか獲得することができなかったのです。(その理由は記事後半で詳しく説明します。)
ただ、今回の相撲理事選挙は、前回行われた選挙とは少し違った特徴があったということが明らかになりました。
それは、その選挙の投票の仕方が、無記名式から、記名式に変更されたということです。
すなわち、以前は自分が票を入れたい親方の名前に〇を付けて投票するという仕組みだったのですが、
今回は、自分が票を入れたい親方の名前を記入して票を入れるという制度に変更されたというのです。
そして、これが貴乃花親方の2票という少なすぎる票数に影響している可能性も少なくないといわれています。
そこで今回の記事では、
相撲理事選挙の制度
相撲理事選挙が無記名から記名式になった理由
そして、今回の相撲理事選挙をめぐる騒動の経緯などについて詳しくまとめていきたいと思います。
相撲理事選挙の制度について

今回、貴乃花親方が出馬した「相撲理事選挙」は、その文字通り相撲協会の理事を決めるための制度になります。
理事の定員は合計10名とされているのですが、今回の選挙は合計11名による選挙であったため、結果1人だけが落選することになり、貴乃花親方はその1人になってしまったわけです。
ちなみにこの相撲理事選挙は、2年に1度行われるということにはなっていますが、実は2010年より前は、そもそも立候補者が11人以上にならなかったために約8年の間行われていませんでした。
しかし、2010年以降は毎回2年ごとに行われており、実はその選挙も11名が立候補し、1名だけが落ちるというような選挙ばかりでした。
そして、これは「貴乃花親方」を理事から排除したいというような暗黙の意向があったのではないかと考えられています。
今回、様々な不祥事によって
相撲協会の裏の顔、
すなわち相撲協会の「ウミ」が出たような形になったわけですが、
相撲協会の健全化をはかりたいと考えていた貴乃花親方は、ずっとその相撲協会からは腫物のような存在だったということです。
以前は八百長問題なんかもよく話題になっていた相撲協会ですが
今回の暴行事件などをきっかけに、長年の間に定着してしまったであろうその暗黙のルールを見直す必要に迫られています。
貴乃花親方はなぜほぼ負け確実なのに出馬したのか
今回の相撲理事選挙は、合計101名の親方によって投票されたとされているのですが、先に説明しましたように、貴乃花親方は、合計2票という結果に終わりました。
これにはいくつか理由があり、実は貴乃花一門からはもう1人「阿武松親方」が出馬しており、今回貴乃花一門は、この阿武松親方に票を集めようということになっていたため、そもそも貴乃花親方は勝てる見込みがなかったわけです。
つまり、相撲理事選挙では、それぞれの一門が、その代表者に票を入れて当選させるというような仕組みになっているのですが、
一門から2人も立候補したら、どちらかを勝たせるためには、そのどちらかに票を集めざるをえないのです。
ちなみに、貴乃花一門には親方が8人いるのですが、今回はその他にも3人協力してくれる親方がいたため、計11票は集まる計算ではあったものの、
その票を、「貴乃花親方」「阿武松親方」という2人のうちのどちらかに集中させなければ、当選の目安となる9票には届きません。
そして、今回は阿武松親方を当選させようということで話がまとまっていましたので、そもそも貴乃花親方は、他の一門からの票を集めなければ勝てる可能性がなかったわけです。
なので、今回貴乃花親方は、ほぼ負け確実なのに、なぜ出馬したのかということが議論されていました。
ただ、これについては最初に述べましたように、その出馬によって、自らが相撲協会を変えるという意志を表明した、と言えるでしょう。
そのため、選挙後の会見では、非常に清々しい気分であると本人はコメントしています。
相撲理事選挙が無記名から記名式になった理由とは…
ただ、今回貴乃花親方は結果2票というかたちで終わりましたが、
もしその投票の仕方が違かったら、もう少し違った結果になったかもしれないということも一部では言われています。
すなわち、今回は101人の親方が、11人の候補者のうちの誰かの名前を書いて投票するという記名式で選挙が行われたのですが、
この方法だと、その「筆跡」によって、誰が書いたものかが特定されてしまうため、
もしかしたら貴乃花親方を応援したかった親方も、それができなかった可能性があるのです。
以前からその方法であるなら話は別ですが、
実は以前は候補者の名前が書かれた紙に〇をつけて提出するだけだったようなので、
この、無記名→記名式という変化にも、貴乃花親方排除の動きが関係しているのではないか、と考えられています。
まとめ
今回の記事では、相撲理事選挙の制度についてまとめますとともに、その選挙の方法が無記名から記名式になった理由や、そもそもの今回の騒動の経緯などについて詳しくまとめました。
貴乃花親方は、相撲協会の健全化を測ろうと相撲理事選挙に臨んだわけですが、結果は予想通りの落選となり、これには、投票制度の変更も多少は関係していると考えられています。
最近、相撲協会は悪い意味で話題に取り上げられることが多いですが、今後一連の問題がどう収束していくのかということが注目されます。
コメントを残す