地球を含む計8つの惑星のうち、
その地球の隣にあり、地球から最も近い惑星である金星。
この金星は、太陽、月に次いで3番目に明るい星として知られており、
その存在は非常に古くから知られていました。
日本では、一般的には金星と呼ばれていますが、
実はこの金星は別名が多く、
「明けの明星」「宵の明星」など、明星と言えばそれは金星のことを言います。
また、日没後、西の空にひときわ輝いて見える
「一番星」もまさに金星のことです。
しかし、これは金星の別名のまだほんの一部、
そこで今回の記事では、その金星の様々な別名について解説いたします。
金星の別名について解説!明星以外にもこんなにあります!
当たり前ですが、日本以外の国では金星の呼び名は異なります。
ただ、この金星は古くから知られていたこともあり、
その「文明の違い」などによって呼び名が異なるんですね。
そこで、その別名を書き出していきたいと思いますので、是非参考にしてください。
金星の別名
- ウェヌス(ヴィーナス)
- イシュタル
- イナンナ
- アフロディーテ
- ルシフェル(ルシファー)
- フォスフォラス
- ヘスペラス
- 太白(たいはく)
- 啓明(けいめい)
- 長庚(ちょうこう)
- 阿加保之(あかほし)
- 由不豆々(ゆふづつ)
- 天津甕星(あまつみかぼし)
- 香香背男(かがせお)
などなど、
海外でいまだに使われているものや、
古代中国、そして日本などで古くに呼ばれていた別名を挙げさせていただきました。
さらに、この他別の国々ではまた違った名前で呼ばれているわけですが、
ここで注目していただきたいのが、
ウェヌス、イシュタル、イナンナ、アフロディーテなどです。
このうち
- ウェヌスは、ローマ神話における愛と美の女神
- イシュタルは、メソポタミア神話における愛と美の女神
- イナンナは、イシュタルの別名
- アフロディーテは、ギリシア神話における愛と美の女神です。
このように、金星には女性の神の名前が当てられることが多いのですが、
これは、やはりその金星の美しさが由来しており、
それだけ古くから金星は特別な存在として扱われていたんですね。
また、今でもそうですが、
日本でも、明け方に見られる金星は
「明けの明星」と呼ばれ
夕方に見られる金星は
「宵の明星」と呼ばれるのですが、
古くは、この2つの星は異なる星であると考えられていた地方もありました。
そのため日本だけではなく、別の国々でも、
同じ星であるにも関わらず、その見える時間帯によって金星は別の呼び方をされていたんですね。
また、だからこそ金星の別名は沢山あるのです。
金星が真夜中に見えない理由
もしも金星が、夜になると上り始め、明け方が近づくにつれて沈んでいく星であったとすれば、
「宵の明星」「明けの明星」というように、わざわざ2つの名前を与えられることなかったはずです。
しかし、金星が見えるのは、明け方か夕方だけで、
夜中にはその存在を見ることはできません。
では、これはなぜなのかというと、
これには、その金星存在している位置が関係しています。
というのも、金星は地球よりも内側で太陽の周りを公転している惑星ですが、
そうすると、地球から見た場合、金星は常に太陽のある方向にあるはずです。
しかし、日本が真夜中になり、太陽が見えない時間帯というのは、
まさに、地球において日本がある面が、太陽に背を向けているということになり、
太陽が見えないということは、つまり金星も見えるはずがないのです。
もっとわかりやすく言えば、
日本で真夜中に見上げた時に見える空は、太陽や金星がある方向とは真逆の宇宙ということになります。
ですので、金星が見えるとすれば、
- 金星が昇り始め、太陽が空を照らす前の明け方の薄暗い時間帯か
- 太陽が沈み始め、金星が沈み切る前の夕方の薄暗い時間帯なのです。
真夜中は、そもそも金星が見える範囲にないので見ることが出来ませんが、
日中は、空のどこかに金星はあるはずですが、空が明るすぎるために見ることはできません。
そのため、金星を見る場合には、その明け方か夕方の時間帯を狙う必要があります。
まとめ
今回の記事では、金星の別名と、その別名が多い理由などについて解説しました。
また、金星と同様に、水星もまたその見える時間帯が特殊であるため、
夕方と明け方に見られるものが別々の星であると考えられていた時期がありました。
また、金星は最大光度の時には地球からでもはっきりと見える輝きを放ちますが、
逆に、水星は地球からだとかなり遠い場所にあるため、光も金星に比べると弱く、見つけるのが難しい星として知られています。
しかし、条件が良ければ、金星と水星がならんで見えるような日もあります。
夕空の水星と金星です。
今日は寒くて風が強く、低空まできれいに晴れました。ひさしぶりにギラギラ輝く金星を見たような気がします。水星も肉眼ではっきりと見えていました。
2018/3/10 18h35m,18h47m pic.twitter.com/T6eVCeMfw7— 月世界への招待🌙🔭 (@MoonWorld_jp) 2018年3月10日
もし興味がある方は、
金星や水星が、
地球から見て「最大離角」となるのがいつなのかを調べて、その前後の時期に観測に臨んでみてください。
地球から見た時に、金星(水星)に向かう直線と、太陽に向かう直線とで成す角を「離角」といい、これが最大になる時期の前後で金星(水星)は最も見えやすくなります。
この離角は、地球と金星、および水星の公転周期の違いの関係から日々変化し、決まった時期に決まった角度になるものではないので、
今現在からだと、一番近い時期で最大離角はいつなのかというのをまず調べてみましょう(^^)
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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