【解説】首都直下型地震が起きた場合の埼玉県の震度と被害想定

2016年の4月、熊本県地方を襲った最大深度7を記録した大地震は、実はもともと1%未満という確率でしか起こらないとされていたものであったということを皆さんはご存知でしょうか?

つまり、当時この熊本地震は全くの想定外といっても過言ではなかったものであり、現在の日本では、このように地震がいつどこで起こるのかということを予測することができないということが現状です。

しかし、現時点で今後起こる確率が高い場所という所も確かにあり、その1つが、東京都とその周りの首都圏の地域の地下です。そして、このような地震は「首都直下型地震」と呼ばれ、内閣府の発表によると、この地震が起こる可能性は今後30年以内に70%であると想定されています。

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非常にあいまいな表現ではありますが、熊本地震が1%未満と想定されていたことを考えればわかりますように、今後30年以内ということは、それは1年後かもしれませんし、もしかすると明日かもしれません。

つまり、首都圏に甚大な被害を与える可能性がある巨大地震が、今すぐにでも起こる可能性があるということを首都圏に生きる人々はまず自覚しなければなりません。

そして、そのような首都直下型地震が起こった場合、震源地によっては東京都のみならずその周辺地域にも甚大な影響が出る恐れがあります。

そこで今回の記事では、埼玉県から発表されているデータをもとに、首都直下型地震が起こった際の埼玉県の震度、被害想定などについて詳しくまとめていきたいと思います。

首都直下型地震について

首都直下型地震については、2011年の東日本大震災以降度々話題として取り上げられてきましたが、実はこの首都直下型地震が起こる可能性自体は、あの震災以前からもたびたび指摘されていました。

しかし、あの震災以降、やはり日本は地震大国であるということを国と国民が再認識したことによって、その首都直下型地震への対策に関心が集まり、さらにその被害想定の見直しなどが行われることとなりました。

ただ、首都直下型地震というとどうしても人口が密集し、国の重要機関が集中している東京都の被害ばかりが取り上げられてしまいますが、実際にはこの首都直下型地震は東京都周辺の地域にも甚大な影響を与える可能性があります。

そもそも、日本の首都というとそれは東京都のことを意味しますが、「首都直下型地震」という言葉で使われている首都とは「首都圏」のことであり、この首都圏とは東京都、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、山梨県らを含む南関東地域のことを意味しています。つまり、実際には東京都以外の地域が最も被害を受ける場所になる可能性は十分にあるのです。

そして、この首都直下型地震とは、「南関東地域で歴史的に繰り返し発生するマグニチュード7級の巨大地震を指す総称」と定義されています。

つまり、首都直下型地震は過去に実際に何度も発生しており、その経緯を踏まえて考えると、今後30年以内に来る確率が70%という非常に高い想定となっているのです。

首都直下型地震の原因

先ほど首都直下型地震の定義についてご説明させていただきましたが、

実は首都直下型地震の特徴の1つとして、この地震はその原因がはっきりとはわかっていないものであるということも挙げられます。

すなわち、南関東の地下を震源地とし、マグニチュード7クラスのもので、その原因ははっきりとはよくわかっていないようなものを、まとめて首都直下型地震と呼ぶのです。

この理由としては、南関東地域の地下は3つのプレートが入り組んだ複雑な構造となっており、さらに活断層のずれによっておこる地震なども想定されているからです。

ちなみに、東日本大震災の際に津波を発生した大地震は、海側のプレートと陸側のプレートの同士のひずみによって起こった海溝型の地震であり、熊本で発生した地震は、地中内部の活断層のずれによって起こった活断層型のものであると考えられています。

このような経緯があるため、埼玉県は東日本大震災の後、過去に発生しているいくつかの地震について取り上げ、それぞれの地震について細かい被害想定をたてて公式に発表しています。

ということで、これについて詳しく説明していきたいと思います。

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首都直下型地震による震度、被害想定を考える上で埼玉県が参考にしている地震

埼玉県は、もし地震が起こった場合にどのような被害が想定されるのかを考えるために、次の5つの地震を想定した場合の被害、震度などを公開しています。

  1. 東京湾北部地震(1894年、1697年に発生)
  2. 茨城県南部地震(1921年、1895年に発生)
  3. 元禄型関東地震(1923年(関東大震災)、1703年に発生)
  4. 関東平野北西緑断層帯地震(ほぼ平行する深谷断層帯と綾瀬川断層帯によって構成される断層帯、近年この断層帯が原因で地震ア発生した記録はない。)
  5. 立川断層帯地震(2015年に箱根ヶ崎断層に名称が変更された。直近では1400年前に動いたとされている。)

このうち、元禄型関東地震が今後30年以内に起こる可能性はほぼ0%であるとし、

関東平野北西緑断層帯地震は30年以内に0.008%以下

さらに立川断層帯地震が今後30年以内に起こる可能性は2%以下であるとの想定を出しています。

しかし、それ以外の2つ、すなわち「東京湾北部地震」「茨城県南部地震」などが今後30年以内に70%の確率起こる地震であると位置づけています。

地震が発生した場合の震度、人的被害想定

そして、もしそのような地域で上記のような地震が発生した場合、震度が最も大きくなると予想されているのが関東平野北西緑断層帯地震で、これが発生した場合最大震度は7を記録する見込みとなっています。

それ以外の地震の場合には最大深度6強の地震が一部地域でみられるような想定となっています。

詳しくはこちらの5,6,7,8ページをご参照ください。地域別でどのような震度が記録されるのかを確認することができます。

また、地震による人的被害想定は建物倒壊、急傾斜地崩壊、火災、ブロック塀等、自動販売機転倒、屋外落下物、屋内収容物移動・転倒、屋内落下物などを考慮した場合、以下のようになると予想されています。

自身が発生する時刻によって被害想定は異なり、最も被害が大きくなると予想される時間帯での被害想定を紹介します。

東京湾北部地震
・死者は、川口市、戸田市、草加市等の県南東部において多く発生します。最も多くなるのは、冬 5 時のケースで約 590 人です。

茨城県南部地震
・ 死者は、越谷市、春日部市等の県東部において多く発生します。最も多くなるのは、冬 5 時のケースで約 140 人です。

元禄型関東地震
・ 死者は、主に川口市等の県南東部において発生します。最も多くなるのは、冬 5時のケースで約 30 人です。

関東平野北西縁断層帯地震
① 破壊開始点:北
・ 死者は、鴻巣市、本庄市、深谷市、北本市等の県中央~北部の断層付近を中心に多く発生します。最も多くなるのは、冬 5 時のケースで約 3,600 人です。
・ 火災による死者は冬 18 時のケースが最も多く約 170 人です。
② 破壊開始点:中央
・ 死者は、鴻巣市、熊谷市、北本市等の県中央~北部の断層付近を中心に多く発生します。最も多くなるのは、冬 5 時のケースで約 3,200 人です。
・ 火災による死者は冬 18 時のケースが最も多く約 130 人です。
③ 破壊開始点:南
・ 死者は、北本市、鴻巣市、上尾市、東松山市等の県中央部の断層付近を中心に多く発生します。最も多くなるのは、冬 5 時のケースで約 3,300 人です。
・ 火災による死者は冬 18 時のケースが最も多く約 230 人です。

立川断層帯地震
① 破壊開始点:北
・ 死者は、入間市、所沢市等の県南西部の断層付近を中心に発生します。最も多くなるのは、冬 5 時のケースで、約 80 人です。
② 破壊開始点:南
・ 死者は、所沢市、入間市等の県南西部の断層付近を中心に発生します。最も多くなるのは、冬 5 時のケースで約 140 人です。

こちらの26、27ページを参照

地震の種類によって、どの地域でどのような被害が予想されるのかは大きく異なります。埼玉県にお住まいの方は是非自分の住む地域の震度、被害想定などを確認するようにしてください。

まとめ

今回の記事では、今後首都直下型地震が発生した場合、埼玉県の震度、被害想定はどのように予想されているのかをご紹介しました。

現代の技術では、被害想定はできても、地震がいつどこでどのような理由によって発生するのかを予測することはできません。

地震発生確率はあくまで目安でしかないため、たとえ30年以内に限りなく0に近い確率でしか発生しないような地震も、ここ数年の間に発生する可能性もあります。

常に地震に対する危機意識を持っておくことは簡単なことではありませんが、急遽大地震が発生した場合には、公共交通機関の利用もとまり、食料品などの不足が予想される場合もありますので、いざという時のために防災用品を自宅に揃えておくようにしましょう。

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