2011年の東日本大震災以降、日本ではたびたび首都直下型地震の話題が取り上げられてきましたが、
そんな首都直下型地震がもし東京23区を中心に発生した場合、政府の発表によると、建物の倒壊や火災によって、最大で2万3千人もの方々が亡くなると想定されています。
また、それによる経済的な損害も莫大なものになると考えられており、もし23区がまともに地震の被害を受けてしまった場合には、なんと約95兆円もの損害が生じるという想定が出ているんです。
ちなみに、これは国が1年間に必要とする予算とほぼ同じ額であり、もしそんな額の損害が出てしまったとしたら…考えるだけでも恐ろしいですね。
さて、そんな首都直下型地震、ただの想定で終わってくれればいいのですが、実はこれまでの日本の歴史を振り返ってみると、その巨大地震は近い将来かなり高い確率で発生するものと考えられています。
それが、東京直下がどうかというのはわかりませんが、南関東地域、つまり「首都圏」でマグニチュード7クラスの巨大地震が起こる可能性は、ここ30年の間に70%と見積もられており、「ほぼ」発生すると言えるようなんです。
ただ、これはあまりに曖昧な数値なのも事実なので、これを聞いてもなかなか危機感を持てないという方も多いと思うのですが、
実は近年、そういった巨大地震の前には、ある前兆ともいえる出来事が起こることがわかってきており、様々な専門家がその傾向に注目しています。
それが、幻の巨大ザメといわれる「メガマウス」の発見であり、もし今後このメガマウスが捕獲されたというニュースが入ったら、首都圏に住む方々は急いで地震に備えたほうが良いかもしれません。
近い将来起きるとされる首都直下型地震、その原因とは?
日本に住んでいると、軽い地震であればひと月に何回も起きるので、日本人の大半はある意味地震に慣れてしまっているところもありますが、これはもちろん当たり前のことではありません。
日本は世界有数の地震多発国であり、なんと世界で起こるマグニチュード6以上の地震の約2割が日本周辺で発生しているとも言われています。
まず、以下の画像を見ていただきたいのですが、
日本の周辺には
- 北アメリカプレート
- ユーラシアプレート
という2つの陸側のプレートと
- 太平洋プレート
- フィリピン海プレート
という2つの海側のプレート、の計4つのプレートが存在しており、
このプレート同士の境界線で地震が発生してしまう他、日本の大陸内には「活断層」も沢山存在しているため、その活断層の境界付近のずれによっても大きな地震が発生してしまうことがあります。
ちなみに、2011年に発生し、巨大な津波を発生させる原因となった「東北地方太平洋沖地震」は、北アメリカプレートと太平洋プレートの境界で起こった「海溝型」といわれる地震であり、
2016年に熊本地方を襲った震度7を記録した巨大地震は、内陸にある活断層同士のズレによって生じた「活断層型」の地震です。この2016年の地震は、日本は全国どこであっても地震が起きることを再確認させることとなりました。
と、このように地震と一口に言ってみても、実はその原因には様々な要因が考えられるのです。
そして、近い将来起こる可能性のある首都直下型地震は、どのようなタイプの地震が考えられるのかというと、実は現在の技術ではこれを特定することはできません。
というのも、その関東地域は3枚のプレートが周辺に存在する複雑な構造となっており、さらに活断層型の地震なども含めると、その原因を先に予測することは困難なのです。
ただ、これまでの文献の情報から、日本の関東地域では何百年も前から数十年のスパンで大きな地震が起こっているということがわかっています。
なので、現在30年以内に70%という確率が出ているのは、あくまでそういった歴史に基づいて算出されたものであるという意味合いが非常に強いのです。
地震の前兆として知られる「メガマウス」実は2016年の熊本地震前にも捕獲されていた
ここまでを振り返ってみると、
「首都直下型地震はいつ起こるのか」
というのは結局わからないというのが現状です。
20年先まで起こらないかもしれないし、1年後かもしれない。
また、もしかしたら明日かもしれないですし、実際はいつ起こっても不思議ではないというのが現状です。
気になる話としては、2011年に起こった巨大地震では、その衝撃によって宮城県牡鹿半島が太平洋側に5メートルも移動したものの、関東地方はわずか50cmの移動しか観測されていないため、この歪みによっていつ巨大な地震がまた起こってもおかしくないといわれています。
なので、実際今の日本というのはかなり危ない状態なのです。
ただ、それを日本人の技術によって予測する方法はないわけですが、ここでカギとなるのが、幻の巨大ザメといわれる「メガマウス」の存在です。
実はこのメガマウス、普段は水深200m付近の浅い深海に生息しているものの、これまで巨大地震の前になると水面近くで網などにかかった状態で発見されていることから、メガマウスの発見は巨大地震の前兆として考えられるようになってきました。
ここで次のニュースを見ていただきたいのですが、こちらは2016年の4月15日のニュースで、4月13日に網にかかっていたメガマウスが、15日の朝に水揚げされたことを報じているニュースになります。
そして、驚くべきはここからなのですが、
なんと、熊本地方で震度7を記録した2016年の巨大地震は、このメガマウス網にかかったとされる4月13日の翌日、4月14日の21時26分に初めて発生しているのです。(本震は4月16日)
ちなみに、メガマウスはこれまで日本だと約20例しか発見されておらず、世界でも110回程度しか発見されていない長貴重な魚です。これまでにアジア周辺の海域で見つかっている傾向にあります。
これほど珍しい存在が、地震の少し前になると水面近くに姿を現すというのは、何らかの関連があると考えるのが妥当でしょう。
熊本県の例は捕獲してすぐの地震だったのが驚きでしたが、過去の例を見ると、このメガマウスが捕獲されて、約2ヶ月以内に巨大地震が起こるケースが多いということがわかっています。
具体的には、2000年以降だけでも
- 2004年4月19日に捕獲⇒2004年5月30日:房総半島南東沖(M6.7)
- 2005年1月23日に捕獲⇒2005年3月20日に福岡県西方沖で地震発生(M7.0)
- 2011年1月14日に捕獲⇒2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生(M9.0)
- 2014年4月14日に捕獲⇒2014年5月5日に伊豆大島近海で地震発生(M6.0)
- 2016年4月13日に捕獲⇒2016年4月14日に熊本地震が発生(M7.3)
というように地震の前になると発見されるというケースがこれまでに何度もあり、1900年代にも同様のケースが何度か起こっています。
現代の研究ではそもそもメガマウス自体が貴重な存在なので、これがなぜ地震と関連性があるのかということは明らかにされてはいませんが、そういった経緯を見る限りではかなり高い確率で相関があるといえるでしょう。
メガマウスが出たら地震に要注意!
メガマウスが発見されなくとも地震に備えた対策を行っておくことは重要ですが、このメガマウスの発見はまさに地震の前兆と言えるものなので、これがもし発見されたというニュースが入ったら、近い将来日本のどこかで大きな地震が起こる可能性が高いです。
そしてそれが首都直下型地震である可能性も低くないでしょう。
このメガマウスがそもそもそれほど珍しくもないものなら話は別ですし、無理に地震と結びつけようとしているようにも感じられるかもしれませんが、
このメガマウスはそもそも発見されたのが1976年とごく最近ですし、いまだにこれを生きたまま展示することに成功した水族館はありません。
そして、もう一度言いますが、このメガマウスは日本近海では20匹も発見されていない珍しい存在なんです。
そして、その多くが地震に近い時期になると水面近くに現れるため、地盤の動きによる何らかの変化を信号として受け取り、そこから逃げるように水面近くまで上昇してくるのではないかと考えられています。
ですので、今後は地震に備えた準備をしておくことが重要ですが、メガマウスが発見されるかどうかというのは、ある意味地震の専門家の意見に耳を傾けるよりも重要なことと言えるかもしれません。