最近、市街地ではカタツムリを見る機会がどんどん少なくなっているような気もしますが、
そもそも、どの時期を通しても、カタツムリってあまり見る機会が少ないですよね?
というのも実はそのカタツムリ、かなり条件が良い時期や時間帯でないと、あまり活動せず、人目に付くところには現れないのです。
そして、カタツムリは寒い冬には冬眠をしますが、
実は夏の暑い時期にも眠ってしまい、夏眠状態に入ってしまいます。
ということで今回の記事では、そのカタツムリの冬眠や夏眠にかかわる不思議な生態と、活動時期などについて解説します。
カタツムリってどんな生き物?
カタツムリというと、あの特徴的なぐるぐるもようの殻を背負って、のそのそと歩いている可愛らしい姿を皆さん想像すると思いますが、
実はこのカタツムリは、海にいる貝の仲間です。
カタツムリはその一部は食品としても取り扱われていますが、カタツムリを食べるということについて抵抗がある方もいると思いますけれど、貝と聞くとなんとなく食品になってもおかしくないなという気もしますよね。
貝だったということで、もともとはその先祖は海にいたと考えられていますが、陸に上がって独自の進化を遂げた種が、カタツムリになったと考えられています。
ちなみに、さらにその中で殻を脱ぎ捨て、身軽になった種のものが「ナメクジ」です。
なので、実はカタツムリもナメクジもその分類上はほとんど同じで、これを明確に分けるのはなかなか難しいようです。ナメクジの中にも、カタツムリだった頃の名残で薄い殻に覆われているような種のものもいます。
カタツムリというとなんとなく可愛らしい生物というような感じがしますが、ナメクジになった瞬間に害虫として扱われるようになるというのはなんだか可哀想ですね(笑)
カタツムリの冬眠と夏眠について!活動時期はいつ?
冬眠という言葉については皆さん聞きなれていると思いますが、実はカタツムリは夏眠もします。
というのもこのカタツムリは寒さに弱く、直射日光や乾燥も嫌うので、雨が降らない夏の時期にもあまり外に出て活動をしないのです。
そのため、カタツムリの活動時期は比較的限定され、特にじめじめした時期、つまり梅雨の6月から7月の時期にかけては活発に活動しますが、それ以外の時期では殻に閉じこもってじっとしていることが多いそうです。
ただ、夏眠の時期でも、雨などが降れば起きだして、もっと良い環境を求めて歩き回るようです。
しかし、カタツムリは日光を嫌う夜行性の生物として知られていますので、それほどそのような現場を目撃することはないですよね。
カタツムリはアジサイも雨も嫌い?
カタツムリというと、その6月から7月にかけての梅雨の時期に、雨の中アジサイの葉っぱにくっついているようなイメージを持っている方も多いと思います。
こんな感じです↓可愛いですね。
しかし、実はこのカタツムリは、特に好んでアジサイの葉っぱにくっついたり、雨の中活発に活動するというようなことはしません。
というのも、カタツムリは落ち葉や枯れ木、植物の葉や茎を食べますが、アジサイの葉を食べることはしません。
実は、アジサイの葉には「青酸配糖体」という毒素が含まれていて、これは人間にも有毒な成分なのです。そのため、カタツムリを飼育してアジサイを与えても、それを食べることはしません。
では、なぜカタツムリはアジサイの葉にいるようなイメージがあるのかというと、
これは、アジサイがこの時期に見ごろを迎えるというのがまず1つと、
カタツムリは、その葉を食べることはしませんが、隠れたり休んだりするためにその葉を利用するからです。
例えば、雨がザーザー降っているようなときには、カタツムリはそういった葉にくっついてじっとして過ごしています。
なんとなく、カタツムリは雨や水を好むような気もしますし、実際乾燥が苦手なのでじめじめした場所を好むのですが、強い雨が降っているときには、カタツムリは活動することができません。
というのも、実はこのカタツムリは「肺呼吸」をしているので、あまりにも強い雨にさらされたり、水たまりに落ちてしまうと、呼吸ができなくなって死んでしまうのです。
そのため、雨が上がり、湿気が多いタイミングでその活動を開始します。
もともとの先祖は水の中にいたはずなのに、その進化の過程で呼吸の仕方が変わってしまったんですね。
カタツムリにはオスメスがない?
カタツムリには、実はオスやメスといった性別の区別がありません。
そのため、カタツムリの体内にはオスの生殖器とメスの生殖器の両方があり、例えば2匹のカタツムリが交尾を行う場合には、それぞれが精子を相手に与え、その2匹がどちらも産卵を行います。
何とも不思議な生態ですが、実はこのような「雌雄同体」と呼ばれる生物は自然界にいくつか存在しており、「ナメクジ」「ミミズ」「プラナリア」などもこの雌雄同体で、オスメスの区別がありません。
他にも、貝類にはこの雌雄同体の特徴がみられるものが沢山存在しています。
私たち人類からする考えられないような話ですが、
カタツムリは寒い時期が苦手で、暑い時期も苦手です。
そのうえ、活動範囲も狭く、他の個体に出会える可能性が低いことから、そのような能力を持っているのだと考えられています。
ちなみに、このカタツムリのような雌雄同体の生物は、稀に何とか子孫を残すために、自分の体の中だけで受精反応を行うことがあり、これを「自家受精」と言います。
つまり、他の個体と交尾せずとも、子供を産むことができるのです。そのため、例えば1匹だけ飼っていた場合に、数か月たってからいきなり卵を産むというようなこともあるそうですよ。
まとめ
今回の記事では、カタツムリの冬眠と夏眠に関する情報や、活動時期などについて解説しました。
カタツムリの先祖は、海よりも陸の方が生きやすいと判断して陸地へと上がったのだと思われますが、それにしてもやはりカタツムリにとっては過酷な環境には違いないようですね。
ちなみに、カタツムリはその殻を成長させるために、コンクリートなどからカルシウム成分を摂取します。なので、もし皆さんの家の壁や塀にカタツムリがくっついていたら、それはまさに食事中かもしれません。
また、カタツムリの一生は大体1年くらいであるといわれています。
非常に短いですが、それだけに頑張って生きているカタツムリが可愛らしく思えてきますね(*^-^*)