地球は太陽の周りを1年365日かけて
「公転」していますが、
その公転軌道に対して約23.43度の傾きを持ちながら
1日24時間をかけて
「自転」を行っています。
このうち、
自転は朝と夜の変化を与え、
公転は季節の変化を生み出します。
もしもこのうち、自転もなく、公転もなく、さらに地軸の傾きもなかったとしたら、地球は太陽からずっと同じ距離にあり、その日光が当たる場所はいつも同じです。
すると、その太陽の面が当たる場所は非常に熱くなり、さらに反対側は今よりもさらに極寒の地になります。唯一人が住めるとすれば、それは上下の地軸が地球を貫く付近の場所ですが、そうなると、今ほどの人口はどうやっても暮らすことができず、そもそも生物は今のような豊かな進化を遂げることもなかったでしょう。
このように、私たちの地球はその傾きや回転運動、そして太陽との絶妙な距離を保っていたおかげで、今日に至るまでの様々な発展を遂げることができたのです。
そして、このうち非常に重要なのが自転の傾きですが、
この傾きは、いつ、なぜ生まれたものだったのでしょうか?
今回の記事では、その原因を詳しく解説いたします。
地軸の傾きはなぜ存在するのか?その原因を解説!
私たちが住んでいるこの宇宙は、今から約138億年前に誕生したことが分かっていますが、
私たちが住んでいるこの地球は、今から約46億年前に誕生しました。
しかし、この地球が誕生して間もなく、今からまさに46~45億年前に、地球は今では想像もつかないような衝撃に見舞われることになります。
それが、今の火星ほどの大きさもある
原始惑星「テイア(Theia)」の衝突です。
ちなみに、
火星の直径(6779km)は、
現在の地球の半径とほぼ同じです。
(地球の直径は12,742km)
そんなものがもし今地球に衝突したとしたら、地上にいる生物はまず間違いなく100%滅びます。我々に残された道は、宇宙に逃げることだけです。
そして、今の地球の地軸の傾きは、まさにこの瞬間にほぼ決まったと考えられており、
その時の名残が、46億年たった今も残っているのです。
この仮説は「ジャイアント・インパクト説」と呼ばれ、
現時点でその傾きの原因を説明する最も有力な仮説です。
もしもこの時この衝突が無かったら、地球は今とは全く生態系の異なる星になっていたことでしょう。
ちなみに地球で生命が誕生したのは、その地球が誕生し、テイアが衝突してから実に約8億年後のことでした。
地球の周りを公転する衛星「月」の誕生
地球は太陽の周りを365日かけて公転していますが、
月は、その地球の周りを27日かけて公転しています。
この
- 「太陽」「地球」「月」の関係は
- 「親」 「子供」「孫」のような関係です。
ちなみに、太陽のような自ら光り輝く星を
「恒星(こうせい)」と呼び
その恒星の周りをまわる地球のような光らない星は
「惑星(わくせい)」と呼ばれ、
最後に、その惑星の周りを公転する天体は
「衛星(えいせい)」と呼ばれます。
地球の周りをまわるものが衛星なので、人が作った地球の周りをまわる観測機器が
「人工衛星」と呼ばれる理由がわかりますね。
さて、ではそのうち「月」はいつ作られたのかというと、
実はこの月は、その原始惑星テイアが地球に衝突した際に、飛び散った破片が再度集まって形成されたものであると考えられています。
ちなみに、月の直径は約3474kmです。当時地球に衝突したとされるテイアの直径の約半分ですね。
つまり、テイアが飛び散った後、その破片の一部が地球のもつ重力によって引き付けられたまま残り、それらが凝縮して、月として再度星になったということになります。
もしも今テイアが衝突したら?
先ほど、もしも今テイアが衝突したら、地球上にいる生物は間違いなく滅ぶといいましたが、
実際、今これが衝突したら、どのようなことが起きるのかというと、
簡単にいうと、その爆風及び熱風によって、1日もかからずに全生命は死滅することになりそうです。
ちなみに、テイアの直径は約6000kmでしたが、
シミュレーションでは、直径500kmの隕石の衝突でも、地球の生命はほぼ1日で100%滅びます。
また、今から約6600万年前には、あの「ティラノサウルス」を代表とする大型の恐竜たちがその姿を消すことになりましたが、これはまさに隕石の衝突によるものであったと考えられており、
この時、地球には直径10kmの隕石が、今のメキシコユカタン半島付近に落下したと考えられています。
この説は以前から提唱されていたものでしたが、そのユカタン半島付近からその衝撃で形成された直径180kmのクレーターが発見されたことで、ほぼ確実視されるようになりました。
ただ、そんな直径10kmの隕石による衝突でさえ、地球上の生命のおよそ80%が死滅しました。
ただ、それでも中には生き残った生物たちもいたわけですが、
この時、地球上は一時非常に高温な大気に覆われましたが、幸いにも地下数十cmの場所では40℃程度までしか上昇しなかったため、それまで恐竜たちから隠れるように暮らしていた小さな生物たちは、何とか生き残ることができたのです。
ちなみに、2013年にはロシアに直径17mの隕石が大気圏を突き抜けて落下してきましたが、
実は、そんな直径17mの隕石でさえ、もしそのまま地球に落下していたら、
その衝撃は広島に落とされた原子爆弾の20倍~30倍にもなったと想定されています。
しかしながら、この隕石は上空数十kmの場所で爆発したために、その被害は最小限にとどまりました。
ちなみに、広島の原子爆弾は、地上600mの場所で爆発して、あれほどの被害を出しました。
そのため、もしもこのロシアの隕石がそのまま地上にまで落ちていたとしたら、歴史上稀に見る災害事件として、後世にまで語り継がれるものになっていたことでしょう。
最後まとめになりますが、地球の地軸の傾きは、我々には想像もつかないような巨大な惑星の衝突が原因となって生まれたものであるとされています。
もしも今これが日本にむかって落ちてきたら、私たちは真っ暗な影に覆われた後、何もかも押しつぶされてしまうことになることでしょう(^-^;
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