※政治家と官僚はどっちが偉いの?わかりやすく解説!

政治家と官僚の具体的なお話の前に、少々「森友学園問題」についてお話しします。重要です!

まず、学校法人森友学園への国有地売却において、8億円もの値引きがあったとされる「森友学園問題」が現在も話題になっていることは皆さんもご存知だと思いますが、

これは簡単に説明すると、その国有地に新たに建設される学校には安倍総理の妻である安倍昭恵夫人が名誉校長として就任することになっていたため、そこで何らかの優遇があったのではないかということが問題となっています。

そもそも、首相と森友学園の理事長である籠池氏とはもともと親交があったみたいなので、そこで値段について配慮があったのではないかということですね。

そして、政府はその8億円の値引きは、売却する国有地にはそれだけ撤去費用がかかるだけのゴミが埋まっていたらからだ、と主張しているのですが、その具体的な根拠を政府が示すことができないため、どう考えても8億円の値引きはおかしいだろ!という話になっていたわけです。

そして、その後政府と学園との間での決済はどうなっていたのか、証拠を見せろという野党からの追及に応じた形で、財務省の内部部局の1つである「理財局」が管理していた決済文書等のコピーが提出されたのですが、

なんと後になってその文書のコピーは元の文書とは違うということが発覚。(安倍昭恵夫人などの名前が消えていた。)つまり、文書の内容が書き換えられていた、もっと言えば改ざんされていたのです。これが、いわゆる「文書書き換え問題」といわれていた問題です。

これはまさに公文書偽造という犯罪行為に当たるもので、野党からそれはもう追及の嵐となりました。そして、その一連の問題の責任者として追及を受けたのが、森友学園との取引が行われていた当時、理財局長を務めていた佐川宣寿(さがわのぶひさ)氏です。

この佐川氏への証人喚問では彼が何一つ答弁でちゃんとした答えをしなかったことがさらに問題となりましたが、結果、佐川氏は1人責任を取る形で辞任をしました。

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さて、なぜこんな話をしたのかというと、この佐川氏がなぜ辞任を選択したのかというのは重要なポイントだからなんです。

この佐川氏の辞任は「トカゲのしっぽ切り」なんて言われましたが、まさに佐川氏は、自分1人がトカゲのしっぽとなることによって、トカゲの体である「政府」を守ったのです。

そして、今回の記事の内容に入っていきたいと思いますが、その財務省で理財局長を務めていた佐川氏は、まさに「官僚」といわれる存在です。その官僚が、政治家の集まりである「政府」を守ったということからわかりますように、

純粋な立場で考えれば、「官僚」と「政治家」とでは、政治家の方が偉いということになります。

しかし、実はこの官僚と政治家の関係は結構複雑です。なので今回の記事では、そのあたりをわかりやすく説明していきたいと思います。

目次

官僚と政治家はどっちが偉いの?その関係性を解説!

官僚と政治家はどっちが偉いのかというと、結論を言えば、単純な立場でいえばそれは政治家の方が偉いということになります。(単純な立場は!力関係については後述!)

例えば、今月4月には財務省のトップである「福田淳一事務次官」がセクハラ問題を受け辞任しましたが、その辞任表は「麻生財務大臣」に提出されました。つまり、財務省のトップより、自民党所属の政治家である麻生太郎氏の方が偉いんですね。

ただ、ことはそう単純でもないのでもう少し具体的な話をしますと、そもそも、政治家と官僚とでは、それになるためのルートというものが全く異なります。

政治家

政治家になるための方法は、国民からの投票によって多数の票を獲得することです。

選挙を行い、国民の意思によってえらばれた国の代表、それが政治家です。

官僚

一方、官僚は難しい試験を通り抜けて入省する国家公務員です。官僚=国の役人

東大などの有名大学出身者がほとんどで、国語や理科などの通常の筆記試験や、面接を受けて合格した者だけが入省(入庁)できます。

このように、そもそも政治家と官僚というものは全く異なる存在です。

そして、ここでこの2つの関係性を理解しやすいように補足すると、

いわば政治家というものは「日本の頭」となる存在であり

官僚は「その頭を支える体、血液」です。

政治家というより、政党といった方が良いかもしれませんね。

今の日本では自民党が政策を打ち出しており、その考えや意見に基づいて、実際に法案などを作るために作業をするのが、官僚といわれる立場の人間なんです。

財務省官僚はエリート中のエリート!頭の良さは政治家以上!

最近、佐川氏に引き続き、福田事務次官までもが辞任ということで財務省内部は非常にガタガタの状態となっていますが、

この財務省は、各省庁の中でもエリート中のエリートが集まる省として知られています。

国家公務員一種試験で本当にトップ中のトップで合格したような人物だけが入省することを許され、その入省者のほとんどは東大です。財務省に入るような人はさらに東大を首席で卒業するような人間ばかりです。

そうじゃなくても、官僚になる人というのはどの省庁に入るにしても頭が良いんですけどね!財務省はその中でも別格です。

ちなみに、今回恥ずかしい音声まで公開され、セクハラ容疑で逮捕されてしまった福田事務次官は、なんと東大在学中に司法試験に合格してしまうほどの本当に優秀な人物。

それほど優秀な人物でありながら、セクハラなどという理由で辞任をしなければならないということは本当にもったいないことです。

さて、そんなエリート中のエリート官僚である福田事務次官らは、当然政治家よりは「勉強ができる」という意味では頭が良いことは間違いありません。

しかし、先ほども言いましたように、あくまで役人は国の手足、頭である政治家に逆らうようなことはしません。基本的にはね。

しかし、実はこの辺りの事情は超複雑。先ほど、立場的には官僚は政治家より下という話をしましたが、実際の権力は官僚が握っているといっても間違いではないというくらい、実は政治家と官僚の関係はいびつなんです。

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政治家と官僚の実際の力関係とは?

さて、ということで、ここで改めて政治家と官僚の立場上の関係を説明しますと、

まず、国の役人である官僚の中でトップの方々が、「事務次官」という立場の人々です。省庁におけるトップの役職がこの事務次官。国家公務員試験を本当にトップの方で合格し、幹部候補として入省した人だけが、数十年たってようやくその座に就くことを許されます。

ただ、その事務次官はあくまで官僚のトップで、その上には、大臣副大臣政務官という政治家が務める役職があり、かく省庁の上には「首相官邸」が存在しています。

そして、そういった系図の中で、まさにトップ中のトップが、「総理大臣」です。この総理がどれだけ結果を残せるかは、ある意味他の大臣や官僚の働きにかかっています。

さらに言えばですが、日本は民主主義国家なので、実際は総理大臣より「国民」の方が立場は上、ということになります。北朝鮮なんかで国民がデモを起こそうものなら吹き飛ばされて終わりですが、日本では総理大臣は絶対に国民の意見に耳を傾けなければなりません。

さて、ということで立場的には政治家の方が官僚より偉いということは再三申し上げておりますが、実際には、国の法律というものを作っているのは官僚と呼ばれる人々なんです。

建前としては、政治家が政策を打ち出し、それに基づき官僚らがその法案を作るための事務作業をしていくのですが、先ほど申し上げましたように、官僚という方々は非常に頭が良い。

そんな方々が各々専門の省庁に分かれて専門家になるわけですから、実際の法案の作成に政治家が口を挟もうとしてもなかなか難しいんです。

官僚はある政策を実行する際には、それに関する徹底的に調べ、どんなところをどのように改変すれば良いのか、どんな文章にしようか吟味するわけですが、そこになかなか政治家は介入できない。だから、1つの政策が最終的にどう完成するのかは、官僚の匙加減でもあります。

しかし、そこであまりにも官僚に有利なように政策が決定されないようにしているのが、政治家でもあります。官僚が法案を作り、それを国会で政治家が最終的に吟味するのです。なので、最終的に「立法」が決まるのは国会です。でも、吟味されるまでになる具体的な案を出しているのが官僚なので、官僚がいないことには、新しい法律は完成しないんです。

というわけで、立場的には官僚よりは政治家の方が上という話ですが、具体的な話になってくると、力を握っているのは官僚ということにもなります。

だからこの辺りは結構人間関係も複雑で、官僚がどこまで出世できるかは、いかに政治家へごますりをするのかにかかっていますし、政治家も政治家で、特に財務省官僚なんかには気を使います。政治家にあまりに不利になる法案を作られても困りますからね。

そして、そんな中でも、官僚が特に気を遣うのが、総理大臣や官房長官です。官房長官は、各省庁の連携がスムーズにいくよう統率するための機関、内閣官房のトップの人間です。

だからこそ、例えば最初にお話しした森友学園の格安の国有地売却、文書偽造問題なんかは、その財務省内部で首相、そして首相夫人に忖度があったからなのではないか?と疑惑を持たれたという訳なんです。

安倍昭恵夫人が名誉校長になるなら、首相のために安くしちゃおう、という動きが財務省内であったんだろ!という疑惑を持たれたということです。さらに言えば、そういうことをするように、首相側、政府の方から圧力をかけたいんじゃないですか?というところまで疑われています。

しかし、首相はこれを真っ向から「知らない」と否定。そして、財務省理財局のトップである佐川氏が、1人トカゲのしっぽとなって辞任したということなんです。

しかし、本当に首相が知らなかったのかというところは疑問です。首相が知らなくても、ほかの政治家からの圧力が理財局にかかった可能性もあります。

だからこそ、佐川氏はあそこまで口を閉ざすことなく、1人トカゲのしっぽになることもなく、知っていることがあれば話せばいいのに、という意見も野党から出ていました。つまり、何も1人で責任を取る必要はないのにということですね。

このように、政治家と官僚の関係は、非常に複雑です。闇が深いですね。

まとめ

今回の記事では、政治家と官僚ははたしてどっちが偉いのか、詳しくまとめました。

全ての政治家が官僚より偉い、と一概に言えるわけではないわけですが、官僚を最終的に統率するのは政権を握っている党の政治家です。政党の中で力を握っているものが大臣となり、国の手足である官僚を統率します。

しかし、官僚のトップにいる特に事務次官なんかは、頭の良さだけでいえば政治家よりはるか上です。財務省なんか東大主席クラスの人間の集まりです。しかし、そういった頭の良さを鼻にかけていると、政治家に嫌われて出世に影響します。

今回セクハラで話題となった福田事務次官は、大学生時代に司法試験に合格するほどの大秀才でありながら、政治家に対してはかなり物腰の低い方だったようです。なので、かなり評判もよく、もともとこの人はかなり出世するだろうといわれていたみたいですよ。結果、事務次官というトップにまで上り詰めましたよね。

しかし、だからこそそんなエリート集団が集まる財務省からこれだけスキャンダルが出るというのは、まさに異例の事態なんです。これを機に、また官僚や政治家、各省庁の力関係が微妙に変化するかもしれません。

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