死にたくない!永遠の命が欲しい!という方に贈る細胞の不思議な話

人間、長く生きれば嫌なことも嬉しいことも沢山あるものですが、

本当に自分がやりたいことを見つけた時、

何かに没頭しているとき、

誰かと幸せな時間を過ごしているとき、

そういう時には、死にたくない、永遠の命が欲しいと思ったこともあるのではないでしょうか?

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しかし、どんな人間も、いずれは年を取って死んでゆくもの…

これは、もはや避けようのない事実ですが、

ただ、よくよく考えると

どうして人は年を取ってしまうのでしょうか?

今回の記事では、そんな人間が年を取るメカニズムを、細胞レベルで詳しく解説していきたいと思います。もしかすると、人類はいつか不老不死の力を手に入れることができるかもしれません。

目次

死にたくない、永遠の命が欲しい方に知ってほしい細胞の不思議な話

まず、結論から先に言ってしまうと、今この記事をご覧になってくださっている方が生きている間には、残念ながら人類が永遠の命を手にすることはまだ無理かもしれません。永遠の命が欲しい方には非常に残念なお知らせですが…

しかし、今から500年後、1000年後の未来を考えてみた時、人は永遠の命を手にしており、癌は風邪を治すような感覚で治すことができる日が来ている可能性は十分にある。今回の話はそういう話です。

まず、そもそも人類はなぜ老化していき、死んでしまうのかという話から始めますが、

これは、細胞の分裂回数に限界があるからというのがまず大きな理由ですね。

私たちの皮膚や骨などを形成している体細胞は、基本的には約50回しか分裂することができないといわれています。この50回という回数を、数十年から約百年にわたって消費していくのです。

この細胞分裂の限界を「ヘイフリック限界」というのですが、人間は、この50回という分裂を同じ周期で繰り返しているのではなく、年齢を重ねるごとに、その分裂の周期は徐々に遅くなっていく傾向にあります。

そのため、年齢を重ねるごとに細胞分裂の数は減るのであり、その結果、年齢を重ねるごとに古い細胞が増え、若い時のような皮膚の張りなどは失われていくのです。

そして、実際にその約50回という限界を迎えてしまうと、細胞はそれ以上分裂を行うことができずに死んでしまいます。

そして、こういった死んでしまった細胞が蓄積し、内臓などを形作っている細胞もまた死んでいってしまうと、人は生命活動を維持できなくなり命を落としてしまうのです。

本当はもっともっと沢山の要因が絡んでいますし、体を形成しているすべての細胞に50回という制限が割り振られているわけではないのですが、イメージとしては今説明したようなものだと思ってください。

と、ここまではあまりに当たり前の話ですが、

実は、この50回という回数は、いずれ100回、200回というように増やしていける可能性があります。

そして、この可能性を握っているのが「テロメラーゼ」という酵素です。

永遠の命のカギを握る酵素「テロメラーゼ」とは?

先ほど、人間の体細胞には細胞分裂に限界があるといいましたが、実はその体細胞でも、この酵素テロメラーゼが発現すると、その細胞は無限の分裂機能を獲得することがわかっています。

では、このテロメラーゼとはいったいどういう働きをするものなのかというと、

それを説明するためには、そもそも細胞どのように分裂するのかというところから説明しなければなりません。

まず、人間は2本の鎖で形成された「DNA」を持っていることはご存知だと思いますが、この長い鎖であるDNAは、最終的に「X型」の構造を形成し、綺麗に格納されます。これが、いわゆる「染色体」といわれているものです。

そして、その染色体はさらに細胞核の中に格納され、その細胞核の中には、性質の異なる計23対の染色体が保存されています。私たちの体は、こういった構造の細胞が約37兆個集まってできているのです。

そして、1つの細胞が2つに分裂する際には、まずはこの染色体を分裂させ、新たなものを形成するところから始まっていくのですが、

実は、細胞が新しい細胞に分裂するとき、新しい細胞核の中に形成される染色体は、その端っこの部分が、前の細胞にあった染色体よりも少しだけ短くなっています。

そして、この染色体の端っこで、分裂するたびに短くなってしまう部分を「テロメア」と言います。このテロメアは、DNAの大事な部分を保護するためにあるような、特に遺伝情報には大きく関係のない繰り返し配列領域です。

そして、細胞が最終的に分裂することができなくなる時というのは、まさにこのテロメアがある一定以上の長さにまで短くなってしまった時であり、

私たちが寿命を迎えるときというのは、私たちの体を形成している細胞の多くの細胞において、このテロメア領域の減少が起こってしまった時なのです。

では、ここで話を戻しますが、

結論を言うと、先ほど説明した「テロメラーゼ」という酵素は、この染色体のテロメア部位を、元の長さにまで修復する機能を持った酵素なのです。

つまり、もし私たちの体細胞の中でそのテロメラーゼが発現すれば、そこに老化などという現象が起ころうはずがありません。約50回と制限されていた回数は、ほぼ際限のない回数にまで増えることになります。

細胞に限って考えれば、まさに私たちは「不老不死」の存在になることができる可能性があるのです。

ですので、このテロメラーゼの機能を活用して、実際に人の寿命を延ばすことができるのではないか、という部分に着目した研究というものもすでに着手されています。

しかし、実はことはそう単純な話でもありません…!

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実は、テロメラーゼを私たちはすでに持っている!

この、まさに老化防止の救世主ともいえるテロメラーゼですが、このテロメラーゼは、特に生野菜には非常に多く含まれています。

だからこそ、生野菜をそのままかじったり、生野菜を顔にパックしたりすることには、細胞の活性化を促進させ、アンチエイジングに効果があるとされているのです。

しかし、実は、私たちの体の体細胞も、実はそういったテロメラーゼを発現する可能性はすでに秘めています。

しかし、ほとんどの体細胞では、そのテロメラーゼは発現が抑えられているか、ほんの少ししか発現していないため、結果テロメア領域がすり減っていくのを黙ってみているだけなのです。

しかし、私たちの体内には、時にそのテロメラーゼを思いっきり発現させ、無限に増殖する細胞が存在しています。

まさに、細胞が永遠の命を獲得した瞬間であり、

一見これは喜ばしいことに思えますが、

実は、そのテロメラーゼを発現し、無限に増殖する細胞とは、

最終的に大きな腫瘍にまで発展してしまう恐れのある「癌細胞」なのです。

そう、実は癌とは、このテロメラーゼ酵素の暴走が1つの原因となっている病気だったのです。

そのため、このテロメラーゼは、人類の1つの夢である老化防止を実現する可能性を秘めている一方で、

逆に、癌の促進を促す可能性も秘めている、というまさに表裏一体の存在なのです。

テロメラーゼは「救世主」か「悪魔」か

テロメラーゼの研究の歴史はまだ40年ほどと非常に浅く、その機能、メカニズムについてはまだまだ未解明な部分が多いのが現状です。

また、実際はテロメラーゼだけが老化の原因という訳ではなく、例えばテロメラーゼによって体細胞が無限の分裂機能を獲得したとしても、それ以外にも老化の原因はあるであろうと考えられています。

また、癌の原因もテロメラーゼがそのすべての原因という訳ではなく、癌細胞においてはそのテロメラーゼの発現が多いという特徴から、癌促進の数ある原因の1つになっているであろうというのが現在の見解です。

こういう現状を見ていただければわかりますように、実は今の研究段階では、細胞についても、癌についても、全然わかっていないことの方が多いということ。

世界のトップを争うような研究者が毎日研究を行ったとしても、その研究によって1年で得られる成果は、非常にわずかなものなのです。

なので、人間が永遠の命を獲得するまでには、まだまだ時間がかかるであろうというのはそういうことです。

死にたくないなと思ったことは私も何度もあるのですが、どうやらこのままいくとどうやってもその死を免れることはできなそうなので、1日1日を大切にして生きていくしかないようですね…!

では、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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