太陽系に属する8つの惑星のうち、最も太陽に近い場所にある
「水星」
この水星は、-170℃~430℃という範囲で激しく温度変化が生じる厳しい環境にある星であり、我々人間はとてもじゃありませんが住むことはできません。
ただそんな水星は、太陽から近いこともあり、表面の平均温度は約180℃という灼熱の星でありながら、
過去に隕石の衝突によって形成されたクレーターの底には「氷」があることもわかっており、非常に興味深い謎を秘めている星でもあります。
さて、そんな水星は、
英語では「マーキュリー」
ラテン語では「メルクリウス」と呼ばれているのですが、
果たして、その名前の由来とはいったい何だったのでしょうか。
水星の別名マーキュリーとメルクリウスの由来とは?
太陽の周りには地球も含め計8つの惑星があり、それ以外にも準惑星や衛星などの様々な星があるのですが、
そういった星の名前は、その多くが神話に登場している神々の名前に由来しています。
そして今回お話ししている水星もまさにそうで、
マーキュリーとメルクリウスも、その神話に登場する神に由来しているのです。
この水星にその名が付けられたのは
「古代ギリシア」の時代。つまり、今からおよそ3000年以上前のことです。
その当時においては、
- 宵の水星を 「ヘルメース」
- 明けの水星を「アポローン」
と呼んで区別しており、
ヘルメースとアポローンはどちらも、ギリシア神話に登場する
「オリュンポス十ニ神」の1人で、
このうちアポローンは、ギリシア神話において主神であり、全知全能の存在である「ゼウス」の息子です。
しかし、古代ギリシアの人々は、
その宵の水星と、明けの水星が、後になって同じ星であるということに気が付きました。
その結果、水星は最も太陽に近く、運行が速いということもあり、
ヘルメースと同一の存在である、俊足の神としても知られる
「メルクリウス(Mercuries)」の名前が与えられ、
これがのちに、英語で水星を意味する
「マーキュリー(Mercury)」の語源となりました。
水星の自転と公転速度
水星は、
- 水星
- 金星
- 地球
- 火星
- 木星
- 土星
- 天王星
- 海王星
とある8つの中で最も太陽に近い場所にあり、
そのため、太陽の周りを1周公転する早さは1番です。
地球は太陽の周りを約365日かけて公転していますが、
水星は、たったの88日で一周公転してしまいます。
しかしながら、水星はその自転周期は非常に遅く、
地球が1日で1回自転するのに対して、
水星は1回自転するのに、なんと58.7日もかかります。
ただ、ここで興味深いのがその公転周期と自転周期の関係であり、
水星が太陽の周りを2回公転する間に、水星はちょうど3回自転するという、
「2:3の共鳴関係」を保っているのです。
これが、なぜその関係に落ち着いたのか、詳しいことはいまだにわかっていません。
水星に大気がない理由
生命が誕生し、生きていく上で、大気の存在は必要不可欠なものです。
そもそも、酸素が無ければ地球の生物は生きていくことができませんが、
大気は熱をとらえ、星の温度を一定に保つ役割を担うので、
もし大気がないとすぐに熱が宇宙に逃げてしまい、冷めやすい星になってしまうのです。
しかし、水星には大気がほとんどないのですが、
これは、太陽に近いことがその主な理由ではなく、
その水星の「重力の弱さ」が1番の理由です。
私たちは普段、地球の持つ重力に引き付けられているからこそ安心して地上を厚く頃ができているわけですが、
実はこの重力は、地球を取り囲む大気が宇宙へと逃げて行かないように引き付ける役割も担っているのです。
しかしながら、水星は8つの惑星の中で最も質量が少なく、
地球の重力を1とするなら、水星の重力はわずか0.3770しかありません。
その結果水星の大気はすぐさま失われてしまい、熱しやすく冷めやすい星になってしまったのです。
まとめ
今回の記事では、水星の別名であるマーキュリー、メルクリウスの由来と、
その水星の特徴について解説しました。
水星はいまだかつて人類が到達したことのない未開の土地ですが、
そもそも、人類はお隣の火星にすらまだ行ったことがありません。
しかし、その火星への着陸は本気で進められている計画であり、どうやら2030年代には実現しそうです。
火星にはかつて生命が誕生していた可能性があるとも言われていますので、
それが本当なのかどうか、今後の探査に期待しましょう。
それでは最後まで読んでいかだきありがとうございました(^^)
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