※太陽に最も近い水星、実は蒸発していた?

太陽系は現在、地球も含め、計8つの惑星を従えていますが、

その惑星の中で、最も太陽に近い場所にあるのが

水星」です。

地球は、太陽の周りを365日かけて公転していますが、

水星は、太陽に近い分周回距離も短く、たったの88日で太陽の周りを一周してしまいます。

また、太陽に近い分、受け取るエネルギーも大きく、

その表面の平均温度はなんと180℃にもなるのです。

そしてそんな水星は、その太陽からの熱によって、かつて蒸発していた可能性があるとされています。

そこで今回の記事では、その水星の蒸発について詳しく解説します。

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目次

水星はかつて蒸発していた?その理由を解説!

水星は地球に比べると太陽に近い場所にあるので、

その熱によって今も蒸発しているのかな?

と思った方もいるかもしれませんが、

水星が蒸発していたかもしれないとされているのは今よりもずっと前のことで、

現在は蒸発現象は起こっていません。

水星が蒸発していた可能性があるのは、太陽が誕生し、その後続々と惑星が作られ始めた、

46億年~45億年前の間のことです。

太陽の周りを小さな塵が周り始め、それが少しずつくっつきながら、

数百万年~数千万年の時をかけて惑星が形成されていったのですが、

水星が誕生したころ、実はまだ太陽は不安定な状態にあった可能性がありました。

そして、その不安定な太陽が収縮する際に、活動が活発化してプラズマを放出し、

これが原因となって、

水星付近の温度は一時2500~10000Kにまで加熱された可能性があるのです。

すると、水星の表面の岩石はその高温によって蒸発し、

それが太陽系星雲風によって吹き飛ばされ、

結果として、その質量が2分の1になってしまった可能性があるとされています。

水星は太陽系の8つの惑星の中で最も質量が小さいのですが、

もしこの仮説が事実であるとすれば、もともとはもっと大きな惑星であったということになりますね。

では、なぜこのような仮説が立てられたのかというと、

実は水星は、それほど質量が小さい天体でありながら、

太陽系の他のどの天体よりも

鉄の存在比が大きい

ということが明らかにされているのです。

なんと、

半径2400km程度の水星の内部には、

半径1800kmにもなる鉄のコアが存在しています。

そのため、表面が熱によって蒸発してしまった結果、

星全体の表面が薄くなり、

内部の鉄のコアだけが大きいまま残ってしまったのではないかと考えられています。

これを「蒸発説」と言います。

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水星の不思議な特性

私たちの住んでいる地球は、

365日かけて太陽の周りを公転し、

1日(24時間)で一周自転を行っていますが、

水星は、公転周期は88日と短いものの、

なんと、1周自転するのに58.7日もかかります。

つまり、一度日陰になった場所は、その後数十日間にわたって日陰のままなのです。

このように、水星はものすごくゆっくりと自転を行っているのですが、

ここで、水星にはある興味深い特性があることにお気づきでしょうか?

実は、水星の公転周期と自転周期は、

常に2対3の規則性を保っているのです。

すなわち、水星が太陽の周りを2周すると、水星はちょうど3周自転します。

水星が誕生した直後は、およそ8時間という短い時間に1周自転を行っていたと考えられているのですが、

その後、太陽の潮汐力によって段々とその速度が遅くなり、

最終的に、その2対3の共鳴関係に落ち着いたと考えられています。

しかし、なぜその共鳴関係に落ち着いたのか、詳しいことはいまだによくわかっていません。

まとめ

今回の記事では、水星がかつて蒸発してしまった可能性があるという

「蒸発説」について詳しくまとめさせていただきました。

これは、太陽とその周りをまわる惑星がまだ誕生して間もないころだからこそ起こった可能性がある現象ですが、

これが事実かどうかというのは、いずれ探査機などによる調査によって明らかにされていくでしょう。

ただ、逆にいうと、

水星にはいまだに探査機が降り立ったことすらなく、その特徴の多くが謎に包まれています。

では、なぜ水星にはいまだに探査機が送り込まれていないのかというと、

水星には大気がほとんどないため、パラシュートなどを使った着地が困難であるということがまず1つの理由であり、

かつ、太陽からの熱や放射線の影響が強くなるため、その対策も十分に行わなければなりません。

また、水星に近づくほど、太陽の重力によって探査機が加速してしまうため、それを減速するための装備も必要となります。

そうすると、髙い技術と、大量の燃料、全体的に莫大なコストがかかることは間違いないため、水星の周りをまわる探査機は飛んでいても、いまだにその地表に降り立つものは送り込まれていないのです。

そもそも、水星は地球人にとってそれほど重要というわけでもなく、

どちらかというと移住できる可能性の高い火星の方が重要なので、水星はまだ謎多き星のままにされているのですね。

水星の地表に探査機が送り込まれるとすれば、どうやらそれは数十年先のことになりそうです。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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