今更な感じもしますが(笑)
今年2018年の7月25日に、宮城県の南三陸町にて、真っ白なウニが発見されたニュースをご存知でしょうか。
ウニと言えば真っ黒なイメージがありますが、
それに対して真っ白な色を持つウニは、非常に神秘的な姿のように感じられました。
うみの杜水族館に白いウニ観に来ました~⤴️
真っ白‼️ pic.twitter.com/LRkO9S9EoV— アエリ (@aerishe) 2018年8月13日
この白いウニは、その後「仙台うみの社水族館」へと寄贈され、飼育されていたのですが、
残念なことに、2018年9月15日に亡くなってしまったそうです。
というわけで、もう白いウニは水族館では見ることが出来ないのですが…
実はこの白いウニという存在は、過去にも何匹か見つかっているという報告がされています。
そこで今回の記事では、その過去に発見された白いウニに関する情報と、
その白くなる原因について詳しくまとめていきたいと思います。
過去に発見された白いウニについて
白いウニという存在は、なかなか直接見る機会はない貴重な存在ですが、
2018年7月25日に宮城県の南三陸町で発見されたもの以外では、
2015年の7月に、岩手県の宮古市でも発見されており、
2012年の12月に、岩手県の大船渡市でも発見されているそうです。
こう見ると、宮城や岩手などの東北地方で多く見つかっているような印象を受けますね。
ただ、その東北地方は被災地であるというイメージがあるためか、
中には、それが原発事故による放射能との関連があるのではないかと思われている方もいるみたいです。
しかし、実はそもそも岩手と宮城はウニの生産で5位以内にランクインする非常にウニが沢山住んでいる地域なので、
特別放射能が関わっているというわけではないみたいですよ。
また、ウニの生産第1位は北海道ですが、その北海道でも白いウニが発見されています。
このように、ある一定の割合で生まれてくる白いウニなのですが、
なぜ白いウニは、白いウニとして生まれてくるのでしょうか。
白いウニをはじめとする「アルビノ」とは?
白いウニが、なぜ白いのかということはおそらくほとんどの方が検討がついていることでしょう。
というのもその白いウニは、
一般に「アルビノ」と呼ばれている突然変異の結果生まれてきた個体なのです。
このアルビノとは、先天性の遺伝子疾患の結果発生するもので、
メラニンの生合成に関わる遺伝子に先天的に異常があると、色素を作れなくなり、
その結果、真っ白のまま生まれ、真っ白のまま育ちます。
このアルビノと呼ばれる症状は、
ヘビ、ウサギ、カタツムリなどなど、非常に多くの生物に見られる症状であり、
実はその特徴として、目が赤いということも挙げられます。
これは、アルビノの生き物は目の組織にも色素がないため、
血液が流れている血管が、透けて見えてしまうためです。
ただ、その結果アルビノの生物は光に敏感なので、
もしアルビノの生物をペットとして飼われる際には、光などはあてないように気を付けてあげましょう。
アルビノちゃんを飼っている方も多いと思います。他の子に比べて涙をよく流していませんか?透明で真っ赤な吸い込まれそうな目、とても綺麗ですが、すごく「眩しがり」です。目にライトなどが当たると、すごい衝撃を受けるので電球や日光に気をつけてあげてください。少し白内障になりやすいです。 pic.twitter.com/mitZHVQoQk
— フェレットマート (@ferretmart) 2018年9月23日
そもそも、遺伝子異常とは何か?
ただ、白いウニをはじめとする白い生物は、アルビノであるということはわかりますが、
そもそも、そのアルビノの原因となる
「遺伝子異常」とはどのようなものなのでしょうか?
遺伝子という言葉は当たり前のように使われていますが、
正直DNAや遺伝子、そして染色体と呼ばれるものの区別がよくわかっていないという方も多いかもしれません。
ということで、簡単に説明させていただきますが、
そもそも、私たちの遺伝情報というものは、
その最小単位は「塩基」と呼ばれている5つの分子であることが分かっています。
そして、
- アデニン(表記:A)
- チミン (表記:T)
- グアニン(表記:G)
- シトシン(表記:C)
という4つの塩基が、「DNA」の構成には特に重要で、
これらの塩基が長くつながりあうことで、
あの有名ならせん状DNAの鎖が構築されていきます。
ただ、DNAは2本鎖ですので、
「ATGCTAGC…」のように、その塩基が長く連なった2本の鎖が1つのセットになることで、DNAが出来上がっていくのです。。
そして、一般に「遺伝子」と呼ばれているものは、
簡単に説明すると、そのDNAの長い鎖における、一部の区間のことを意味しています。
すなわち、その長い塩基配列の中で、
一部の塩基配列が、ある特定の遺伝情報をコードする遺伝子として機能しているのです。
そのため、アルビノのような遺伝子異常の場合には、その塩基配列の部分に何らかの欠損などが生じているということになります。
ちなみに生物は、その長いDNAを、ヒストンというものに巻き付けながら、染色体としての形に収束させていき、
それを、細胞の中の「核」と呼ばれる部屋に格納しています。
以下の画像を見ると、なんとなくイメージが湧くと思います。
これだけ複雑な構造を持つDNAが、たった1つの細胞の中に格納されているわけですから、生物というものは本当にすごいですよね。
まとめ
今回の記事では、白いウニに関する情報と、その理由であるアルビノの特徴について解説いたしました。
私も、白いウニは一度見てみたいものですが、
実際、それが人間に発見されるくらいまで成長できるというのは、本当に珍しいことなんだそうです。
というのも、通常白いウニは天敵にも見つかりやすく、個体としての生命力も強くないため、本来なら大きくなりにくいんだそう…。
今年発見され、水族館で発見されたものも、2ヶ月も生きずに亡くなってしまいましたが、
過去には、たったの10日でなくなってしまった個体もいたそうです。
そのため、もしこの先海で白いウニを発見する機会があったら、そっとしておいてあげたほうがよさそうですね(^^)
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。
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