国家公務員総合職試験の「一次試験」、さらに「二次試験」まで合格すると、
その人は晴れて「官僚(国の役人)」として各省庁に入り、行政にかかわる様々な事務活動を行っていくことになるのですが、
そんな省庁の中でも、まさに選ばれた人間、トップ中のトップだけが入ることが許されるのが、
「財務省」です。
財務省は国税にかかわる重要な仕事を行う行政機関なので、各省庁の中でもやはり1番人気の行政機関なのです。
具体的には、国家公務員総合職試験の一次試験、二次試験まで受けた方々は、その後官庁訪問で希望の省庁をめぐり、自分が行きたい省庁を決めることになるのですが、
この時、その国家公務員総合職試験を、どれだけの成績で突破できたのか、というところで、財務省に入ることができるかどうかが決まってくるのです。
人気の省ですから、試験をトップの方で合格していないと入省することが許されないんですね。
ということで今回の記事では、財務省に入るには、どのくらいの成績であれば良いのか。
また、大学は東大以外でも良いのか、ということについて詳しくご説明いたします。
財務省に入るには?その倍率は驚異の80倍越え!
財務省に入るにはどうすれば良いのか、と思っている方は、もし本当に入りたいのであれば相当気を引き締めていかなければなりませんね。
というのも、見出しに書いてありますように、財務省に入るには、二次試験を突破したうえで、さらに倍率80倍以上の超難関をくぐりぬけていかなければならないからです。
というわけで、まずはそもそも各省庁に入るにはどうすれば良いのかというところから説明しましょう。
まず、公務員といっても色々な種類がありますけれども、省庁へ入省、入庁を希望する方は、
「国家公務員総合職試験」
という試験に合格する必要があります。この試験は、2012年までは「国家公務員Ⅰ種試験」と呼ばれていました。
そして、この国家公務員総合職試験はさらに
- 選択問題からなる「一次試験」
- 記述式、面接等からなる「二次試験」
と別れており、二次試験まで合格した人だけが各省庁に入ることを許されるという仕組みになっています。
しかし、財務省に入るのが難しいのは言うまでもありませんが、そもそも、財務省に入らずとも、この二次試験まで合格するということがまず最初の難関です。
ということで、昨年2017年度の試験を例として説明しますと、
昨年度の国家公務員総合職試験の申込者数は、全員で2万591人であり、
そのうち、二次試験まで最終合格した人数は、その10分の1以下の1878人です。
つまり、まずはその二次試験に合格するまでの倍率が10倍以上というわけです。
さらに、そんな1878人の中で、財務省に今年入省した人数はわずか22人、
そのため、1878人に残ってからさらに22人に選ばれる倍率は、85倍以上ということになります。
さらにいえば、全志願者2万591人の中で22人に残るということを考えると、その倍率はおよそ936倍ということになりますね…。すごい。
ただ、これは必ずしもその1878人の中で22番までに残らないと財務省は無理、という訳でもありません。実際は100番以内の成績であれば、その後の面接等の内容によっては、その22人の中に入れる可能性もあるようです。
とはいえ、財務省はやはり人気の省ですから、現実的にはほぼ上位20人前後の人間がその入省の座を得るという感じになっています。
ちなみに、今年は22人が入省しましたが、これは固定ではなく、毎年20人前後の人間が入省しています。
東大以外の大学でも大丈夫?
2万591人の中でまず1878人という中に残り、そこからさらに85倍以上の倍率で争って初めて入ることができる財務省。
ここに入るということが、どれだけ難しいことであるかということがわかっていただけたのではないかと思います。
そして、実はこの財務省に入るためには、学歴というものも非常に重要です。ちなみに、財務省に入るような人々はみんな東大を首席で卒業するような人間ばかりです。
じゃあ、大学が東大じゃないと財務省には入れないの?
東大以外じゃダメなの?というと、そういうわけでもありません。
以前は、その約20人のほぼすべてが東大で固定されているような感じだったようですが、
今年2018年に入賞した若い官僚は、その22人のうち、15名が東大で、それ以外は結構色々な大学の出身者も入省しています。
ということでその内訳をみてみると、
- 東京大学:15人
- 京都大学:1人
- 一橋大学:3人
- 東京外国語大学:1人
- 慶応義塾大学:1人
- 早稲田大学:1人
の計22名となっています。
という訳で、財務省に入るには、東大以外の大学でも入省できる可能性はあります。
とは言え、やはり有名大学の出身者であるということには変わりありませんけどね…(・_・;)!
セクハラ疑惑で辞任した、福田元財務省事務次官について
先日、セクハラ疑惑が報じられ、間もなく辞任した福田淳一財務省事務次官ですが、この人は「事務次官」ということで、まさに財務省のトップに君臨していた人物です。
なぜトップなのに事務”次官”なのかというと、それは、各省庁は政権を握っている党内の政治家から選ばれる大臣が管理しており、財務のトップは「麻生財務大臣」だからです。
しかし、麻生氏はあくまで政治家なので、先に説明した厳しい試験を潜り抜けているわけではありません。つまり「官僚」ではありません。そして、財務省内部の官僚のトップが、福田事務次官だったのです。
ちなみに、先に説明しましたように、財務省に入るのはそれだけで非常に困難なわけですが、その中で、さらに事務次官にまで上り詰めるということは、本当に限られたごく一部の人間だけです。福田事務次官はセクハラなどという理由で辞任するしかなくなりましたが、実際この人は本当にとてつもなくすごい方なんです。
ということで、この人は過去どんな人だったのかということについて振り返ってみると、
なんとこの人は先に説明した試験で、全体の5番の成績で合格しています。さらに、東大法学部に在学していた時には、在学中に司法試験に合格してしまうというまさに大天才だったのです。
それなのに…。なんともったいないことでしょうか。最後の最後に恥ずかしい思いをして、自分自身の顔に泥を塗ったくってしまったんですね。
財務省に入るには学歴も大事だが、何より勉強あるのみ!
というわけで、財務省に入るにはどこの大学かも大事ですが、何より国家公務員総合職試験で上位にくい込めるように勉強をするしかありません。
ちなみに、現在ニュース番組では過去2年間財務省に在籍していた山田真由さんが引っ張りだこの状態ですが、そんな彼女は学生時代勉強が大好きで、1日19時間も勉強していたことがあるそうですよ。
まさにエリート中のエリートが集まる財務省。目指している方は勉強を頑張って、是非合格できるといいですね!