【解説】金星の大気の成分と、その過酷な地表環境について!

太陽系に属する8つの惑星のうち、地球より1つ内側にある金星

この金星は、実はそれよりも太陽に近い場所にある水星よりも暑い惑星として知られており、

これには、その金星に存在する大気の量が関係しています。

というのも、実は水星には大気がほとんどないのですが、

金星には、それとは逆にかなりの量の大気が星全体を包み込んでいるため、

その温室効果によって熱がこもり、地表の温度は平均して460℃を超えるまさに灼熱の星なのです。

では、その大気の成分はどのような組成になっているのでしょうか。

今回の記事では、金星の大気に着目して解説していきたいと思います。

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目次

金星の大気の成分について

金星の大気の成分は非常に極端な割合で存在しており、

地表を覆う大気の約96.5%は二酸化炭素です。

さらに、残りの約3.5%は窒素であり、これでほぼ100%を占めています。

実際には、二酸化硫黄、水蒸気、一酸化炭素なども含まれていますが、

それらは0.1%以下なので、ほとんど無視しても良いレベルです。

そしてその二酸化炭素といえば、

地球でも度々「温室効果ガス」としての一面があることが問題として取り上げられていますが、

事実、金星はその二酸化炭素による温室効果によって温められ、

星の表面の平均温度は460度を超え、500度を超えるような場所もあります。

また、その大気の量は非常に多いため、

なんと地表の温度は90気圧にもなり、

これは、地球で水深900mの場所で感じる圧力に相当します。

なぜ金星には大量の大気が存在しているのか?

金星には、二酸化炭素を主な成分とする大気が大量に存在しており、

地表には水など存在できず、カラカラに乾いています。

しかし実は、そんな金星にも昔は地球と同じようにが存在していたと考えられています。

ただ、金星は地球よりも太陽に近い場所にあるため、その熱によって海は次第に蒸発を始めました。

すると、その海水に溶けていた二酸化炭素が大気中へと放出され、

その温室効果によって星の温度はさらに高くなっていきます。

そしてこれが繰り返された結果、ついに金星には液体としての水がまったくなくなってしまい、

二酸化炭素だけが、地表にのしかかる形で残ってしまったのです。

かつて海だった水は、大気より外側の雲の中に液体や個体として存在しているか、宇宙空間へと離散してしまいました。

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金星の雲について

金星は、その表面近くに存在する大気の成分の組成も面白いのですが、

それより外側に広がっている、雲も非常に興味深い特徴を持っています。

というのも、金星は上空50kmよりも高い場所になってくると、雲が存在しているのですが、

この雲が濃硫酸でできており、とても人が足を踏み入れることはできません。

この濃硫酸の雲は、地表で生じた硫黄を含む気体が、大気中や雲の中で化学反応を起こすために発生します。

そして、この濃硫酸の雲からは酸性の雨が降るのですが、

この雨は、そのあまりの暑さのために地表まで届くことはなく、途中で蒸発し、また雲の一部となります。

その繰り返しによって、金星の周りには分厚い雲がずっと存在しているのです。

金星の表面に届く日光は、地球の表面に届く日光の10分の1

これは非常に興味深い話ですが、

実は、金星の地表に届く日光の量は、地球の表面に届く日光の量のわずか10分の1程度であるといわれています。

そのため、例えば地球の表面に届く日光の量が今の10分の1になると、地球の温度はみるみる下がり、極寒の地となってしまうのですが、

金星がそうはならないのは、先に説明した温室効果がそれをものともしない効率で星を温めているためです。

ちなみに、なぜ金星はそれほど地表に届く光の量が少ないのかというと、

この原因となっているのが、その大気の外を覆う濃硫酸の雲であり、

この雲の反射率が非常に高く、金星にあたる太陽光の8割近くを反射してしまうために、結果星の中まで入ってくる光の量は非常に少なくなっています。

ただ、そのおかげで金星は非常に明るく輝いており、

日本では、太陽、月に次いで3番目に明るく見える星として知られ、

宵の明星」「明けの明星」などと呼ばれています。

まとめ

今回の記事では、金星の大気の成分と、その他大気や雲にまつわる内容を詳しくまとめました。

金星の周りは濃硫酸の雲に覆われ、

さらに地表の気圧は90気圧にもなり、温度は500℃近くにもなるということで、この星はとても人間が住めたものではありませんが、

実は金星の雲の中には、生物がいるかもしれないといわれています。

というのも、確かに人間にとっては過酷な環境ですが、

金星の雲の中には水があり、微生物にとって餌となりえる成分も存在していることから、

もしかすると微生物がいるかもしれないということが、過去の探査機による調査の結果から可能性として浮上したのです。

これが事実であれば、初の地球外生命体の発見ということになりますが、

果たしてどうなるのか、今後の調査結果を楽しみに待ちましょう(^^)

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!

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