※隔世遺伝って何?その意味や例について分かりやすく解説!

私たち人間や、その他ほとんどの生物は、

父親と母親から半分ずつ遺伝情報をもらうことによって新しい個体として誕生します。

そのため、父親や母親に似るのは当たり前のことですが、

中には、祖父や祖母、またはそれよりももっと昔の祖先に似た性質が発現することもあり、

このような例を、

隔世遺伝

と言います。

では、なぜそのような隔世遺伝は起こりうるのか?詳しく解説していきたいと思います。

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目次

隔世遺伝の意味とは?その例や仕組みについて解説!

隔世遺伝という言葉は、文字通り

「世代を隔てて遺伝する」

という意味の言葉です。

しかし、これだと誤解が生じてしまいそうなのでもう少し詳しく説明すると、

隔世遺伝とは、親の世代を通り越して、それよりもっと以前の先祖の形質が世代を隔てて

遺伝しているように見える現象のことを言います。

例えば、母方の祖父の持つ遺伝子は、確かに母にも遺伝しているのですが、

その遺伝子は母の代では発現しておらず、その子供の代になって発現した場合、

まるでその世代を通り越したように見えるため、隔世遺伝というのです。

このような隔世遺伝が起こるのは、

遺伝には

  • 優勢的に発現するものと
  • 劣勢的に発現するもの

の2つのタイプがあるために起こります。

そして、そのとして代表的なものが、

血液型」です。

血液型で学ぶ隔世遺伝の仕組み

血液型には、

A型、B型、AB型、O型

の4つが一般的に知られていますが、

実は、もっと詳しく見ると

AA型、AO型、BB型、BO型、AB型、OO型

の6つのタイプが考えられます。

しかし、このうちAO型、BO型ではOは劣性であるため、

表面上は

  • AAもAOもA型で
  • BBもBOもB型ということになります。

つまり、O型であるといわれるのは、OO型の人だけなのです。

すると、どういうことが起きるかというと、

例として、もしAO型とBO型の夫婦が子供を授かった場合、

そのタイプとしては

AB型、AO型、BO型、OO型の4つのタイプが考えられますが、

O型の子供が生まれた場合、親が自分の血液型を表面上のA型とB型としか知らない場合には、

なぜA型とB型からO型が生まれたのか?

という話になりますよね?

しかし、これは少なくとも親より上、祖父母の代から上にO型の血液型の人がいたからであるということがわかります。

そのため、その世代を飛び越えたかのように見えるため、このような遺伝の発現の仕方を、隔世遺伝というのですね。

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人間の遺伝の仕組み

人間は計約37兆個の細胞からできていることがわかっていますが、

その細胞の中には、「核」という部屋があり、

その中に、計46本の染色体が保存されています。

この46本の染色体は、

その内23本が父親から譲り受けたもので、
残りの23本が母親から譲り受けたものです。

これらが2本1組で対になっており、計23番までの番号が振り分けられています。

そして、皆さんも子供を作る際には、

自分の持つ46本のうちの23本を精子や卵子に託すことによって、

例えば23本の染色体をもつ精子は、

23本の染色体を持つ卵子と出会うことによって、

計46本の染色体をもつ胎児へと成長していくというわけです。

しかし、ここで改めて考えていただきたいのですが、

例えば1番に分類される2本の染色体のうち、男性はそのどちらを精子に託すのでしょうか?

実は、これは完全にランダムによって決まります。

そのため、精子が持つ染色体の組み合わせは2の23乗通り

すなわち約840万通りもあるのです。

そして、例えば父親は、父方の祖父母から半分ずつ染色体をもらっているわけですが、

その46本は祖父母由来のものなので、その中からランダムで23本選ばれるということは、

孫のもつ遺伝子は、祖父母のどちらかに偏りが出るということになります。

そして、その中で先ほどいったように優性遺伝と劣勢遺伝が関係してきますから、もしも孫がおばあちゃんにいていたとしても、それは何ら不思議なことではないのですね。

逆に、兄弟でも染色体の組み合わせが一致するという可能性は非常に低いので、兄弟でもまったく似ていないということはある意味普通のことなのです。

染色体を紐解いていくと…

私たちの体の細胞の中には染色体が46本ずつ入っているということはわかりましたよね?

ですが、その染色体とはそもそも何なのか?

というところがいまいちよくわかっていない方もいると思います。

遺伝に関係するものであるということはわかっていても、

遺伝子?DNA?染色体?

この辺りの用語が持つ意味が混同してしまっている方もいるでしょう。

しかし、実はこれらの違いというものは、その染色体を紐解いていくことによってわかります。

具体的には、染色体というものをほどいていくと、それがまさにDNAなのです。

このDNAはそれだけだと長すぎてしまいづらいので、

ヒストンというものに巻き付きながら、あの染色体の形へと収束していきます。

そして、よく耳にする「遺伝子」とは、

そのDNA配列のある一部分の配列のことを意味しています。

つまり、DNAの鎖のうち

ここからここまでは髪の色に関連する遺伝子
ここからここまでは目の色に関連する遺伝子

というように決まっており、その中でまた発現するものとそうでないものとがあります。

これだけ複雑な構造を持つものが、小さな小さな細胞の中に入っているというのですから驚きですよね…!(^-^;

まとめ

今回の記事では、隔世遺伝とはどのようなものなのか、その言葉の意味や、その仕組みを血液型の例で解説しました。

この隔世遺伝の考え方がわかると、兄弟でも似ていない理由や、親子でも顔が似ていない理由などがよくわかりますよね。

また、もしかすると写真でしか見たことがないような曽祖父の顔と、自分の顔がそっくりなんてことがあるかもしれません。

人の遺伝の仕組みって本当に不思議ですね(*^-^*)

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