※鳥類と恐竜の共通点「気嚢」について解説!

今から約6600万年前

ユカタン半島付近に落下した直径10Kmもの巨大隕石による衝撃で、

地球上に存在する生物の約80%が死んでしまいました。

そして、この時に当時地上を支配していた恐竜たちも姿を消してしまったと考えられていたのですが、

実はその後、恐竜は現在の鳥類にその姿を変えて生き残っていたことが判明します。

これはどういうことかというと、

恐竜が初めて登場したのは今から約2億3000万年ほど前のことですが、

そのなかで比較的小型の2足歩行恐竜(獣脚類)の一部が羽毛をはやしはじめ、

今から2億年~1億5000万年の間に、鳥類へと進化したと考えられているのです。

そして、それらは隕石の衝撃にも何とか耐え、その後急激に分化していく哺乳類らとともに多種多様な進化を遂げたと考えられています。

そして、そんな恐竜が鳥類の祖先だと考えられることになった1つの理由が、

恐竜は、今の鳥類に共通する呼吸器官

気嚢(きのう)」

を持っていた可能性があるということです。

そこで今回は、その恐竜と鳥類の共通点である気嚢について詳しく解説します。

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目次

恐竜と鳥類の共通点「気嚢」とは?

鳥類がどうやら恐竜の中から分化していった生物であるらしいということは現在ほぼ事実として認められていますが、現代の鳥類が持つ気嚢という器官を、恐竜全体が持っていた可能性があるということが最近になってわかってきました。

これはその骨の形状などからわかってきたことで、もしこれが共通点として事実であるとわかれば、さらに恐竜と鳥類の関係性を裏付ける証拠となります。

この気嚢は非常に良い呼吸システムであり、

我々哺乳類が選択した

横隔膜」を利用した呼吸システムを凌駕します。

まず、我々人間を含む哺乳類は、

肺の下にある横隔膜と呼ばれる筋肉を、収縮、弛緩させることにより、

肺の形状を変化させて呼吸を行っています。

しかしながら鳥類は、

気嚢と呼ばれる器官を肺の前後に持ち、

後ろの気嚢から前の気嚢に空気を送ることで、その間にある肺に一方的に新鮮な酸素が送られるようにしているのです。

そのため、すでに酸素を消費した空気が停滞せず、非常に効率よく酸素を取り込むことができます。息を吐いているときさえ、新鮮な空気が肺に入っていくのです。

例えば、我々人間は富士山の山頂に行くと、

その酸素の薄さからいわゆる高山病になってしまう方もいますが、

鳥類の中には、エベレストの頂上をはるかに超える上空1万メートル以上を飛ぶものもいます。

なんとなく言われるまで気が付かないものですが、それだけ高い場所を、羽を動かして運動しながら移動するということは、実はかなりすごいことなんですね。

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恐竜の繁栄の秘密は気嚢にあった?

実は、恐竜がかつて多種多様に反映し、この地球を支配することができた理由は、その優れた呼吸システムにあったのではないかとも考えられています。

というのも、その恐竜が台頭する直前、

この地球上は深刻な酸素不足に陥りました。

これは、大規模な火山活動が起き、それによって噴出した大量のメタンガスが酸素と反応し、それによって酸素量が徐々に減っていったという説が有力です。

そのためこの出来事によって一時地球上の生物の90%が死んでしまいました。

これが、今から約2億5000万年ほど前のことです。

そして、ここで生き残るために気嚢システムを発達させたものが恐竜の祖先であり、その後の大規模な繁栄のきっかけになったのではないかと考えられています。

また、我々の祖先は横隔膜システムを発達させましたが、これはやはり気嚢には劣るものであったため、恐竜のように大型に成長することはなく、しばらくの間は恐竜の陰に隠れるように暮らしていたものと考えられます。

しかしながら、最初にも申し上げましたように、そんな大型の恐竜が地上を支配していた時代は、約6600万年前に突如として終わりを迎えます。

そして、酸素濃度も徐々に高くなってきたことから、哺乳類は大型になり、幅広い進化を遂げていくことになったのです。

かつて存在した巨大トンボ「メガネウラ」

昔の地球には、現在よりもはるかに巨大な昆虫が存在していたことはご存知の方も多いと思いますが、

今まで知られている中で、最も巨大な昆虫とされているのが、

今のトンボのような姿をしていた

メガネウラ

という昆虫です。

このメガネウラは、その羽を広げるとなんと70cm以上もの大きさであったと考えられています。

ちなみにこのメガネウラが生息していたのは今から約2億9000万年ほど前、

これは、恐竜が登場するよりもずっと前のことです。

恐竜は、今から2億3000万年ほど前に登場しました。

なぜこのような話をしたのかというと、

実はメガネウラがこの地球上に存在した時期は、空気中の酸素がの割合が全体の35%を占め、

今までの歴史上もっとも酸素が豊富だったと考えられているのです。

ちなみに、その後地球が酸素不足に陥った時は一時12%にまで落ち込み、

現在は、21%にまで回復しています。

このように、地球上の酸素量は度々変動しており、わずか10%の違いでさえ、生物全体に影響するまさに生きるか死ぬかの問題にまで発展してしまうのです。

我々はここ500年あまりで化学を発展させ、酸素を作る反応もいくつか知られていますが、

もちろんそれには限界もあるため、

もしいつか再び地球が酸素不足に陥ったら、なす術もなく死んでしまうかもしれませんね(^-^;

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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