我々人間が住んでいる地球は、太陽を中心とする広い「太陽系」という枠組みの中に存在していますが、(地球は太陽から3番目に離れた場所にあるが、太陽までの距離は約1億5000万Km)
その太陽系は、それよりさらに大きな「銀河系」の中に位置しており、銀河系全体を見た場合には、その太陽系はゴマ粒以下の大きさしかありません。
しかし、そんな広い広い銀河系でさえも、宇宙全体の広さで考えれば、ゴマ粒以下どころの騒ぎではなく、もはやなんと表現したら良いのかもわからないほど小さな存在。
ただ、そんな宇宙の中では非常に小さな存在である銀河系でさえ、その直径はなんと約10万光年もあります。
つまり、その小さな小さな銀河系でさえ、端から端まで行くためには光の速さで10万年も進まなければならないのです。
果てしないですね…。
そのため、人類はどれだけ頑張ってもその我々がいる銀河系から出ていくことはできませんが、
宇宙には他にも沢山の銀河系があると考えられており、そんな中には、当然のごとく生命体が存在しているのでしょう。
我々がよく「宇宙人」と呼ぶ存在は、むしろいないという方がおかしいのです。
さて、ではそんないまだに謎だらけの宇宙ですが、この宇宙は、「いつ」「なぜ」「どのように」誕生したのでしょうか。
今回は、その宇宙誕生の謎について最新の研究から現時点でわかっていることを詳しく解説します。
宇宙はいつ誕生したのか?その最新情報がこちら!
まず、宇宙はいつ誕生したのかということについてですが、
現在の最新の知見によると、その宇宙の誕生は、いまからおよそ138億年前であろうといわれています。
具体的には、 (137.99 ± 0.21) 億年が宇宙の年齢であるとされており、これまでの様々な研究結果とのすり合わせによって、その誤差が定められています。
では、なぜその誕生が138億年前だとわかったのかというと、ここで重要になるのが「ハッブルの法則」といわれるもの。
このハッブルの法則とは、簡単に説明すると
「あらゆる銀河は、距離に比例した速度で遠ざかっている」
というもの。
つまり、宇宙にはいくつもの銀河があるといいましたが、それらはもともと1点に集まっていたところから段々と離れて行っていると考えられるため、
その銀河同士の距離などの要素と照らし合わせることで、もともとの宇宙の起源がいつであったかということを計算的に割り出すことができるのです。
もう少し具体的にいうと、遠い銀河ほど遠ざかる速度が比例的に増大するというのがこのハッブルの法則の理論であり、比例定数「H0=70(km/s/Mpc)」を用いた計算によって割り出すことができます。
また、現時点で観測できる最古の天体はてんびん座にある「HD 140283」というものなのですが、
これは、観測の結果その年齢が約 (144.6 ± 8.0) 億年とされており、その誤差の範囲内に138億年がおさまるため、その計算信ぴょう性はかなり高いのではないかと考えられています。
ただ、実際のところ、実は宇宙というものはその膨張速度は一定ではないという考え方もあるため、この年齢が本当に正しいかどうかというのは、100%あっているとは言えないようです。
宇宙はなぜ誕生したのか?
それでは次に、宇宙はなぜ誕生したのかという話に移っていきたいと思いますが、
これは皆さんおそらく聞いたことがあると思いますが、宇宙は最初「ビッグバン」という大爆発によってその歴史が始まったとされています。
宇宙は今でこそその大きさは沢山の銀河を包むほど大きな存在になっていますが、最初は本当に何もない、「無」の状態から始まったとされており、
そこで、何らかの理由によってビッグバンが起こった結果、そこに「空間」「時間」といった概念を持った種が誕生し、
高温、高密になった空間は、そこから爆発的な膨張をはじめ、今の宇宙にまで成長したと考えられているのです。
また、その急激な膨張によってその温度は分散し、空間が一気に冷やされ、その途中で素粒子が生成し、水素やヘリウムといった源氏が作られていったと考えられています。こういった背景は、現存する元素の存在比などによってもわかるそうです。
また最新の研究では、実はそんなビッグバンはそれがいきなり起こったという訳ではないそうで、
宇宙が誕生した直後の10-36乗秒後から10-34乗秒後までの間に、「インフレーション」という相転移現象が起こり、その結果生まれた超高温高密度のエネルギーの塊のことを、「ビッグバン」というのだとか。
ここまでいってしまうともはや専門家にしかわからない領域になってきますが、とりあえず、我々が良く知る宇宙の起源「ビッグバン」現象は、実はその前の一瞬の間に相転移という現象が起こっているということが、現在の宇宙論の定説になっているようです。
宇宙は膨張と収縮を繰り返している?
我々は、ついにその宇宙の年齢がどうやら138億年前らしいということを割り出すところまではできるようになりましたが、
その138億年よりもっと前、この世界には何があったのかということを証明する手段は何もなく、
こればっかりは、どんな天才学者が頭を使ってもいまだにわかりようがないそうです。
しかし、2016年の7月、宇宙はもともと「無の世界」から種として存在したわけではなく、その前に存在していた宇宙が収縮を起こして一点に集まったところから始まったのだという理論をまとめた論文が発表されています。
つまり、宇宙は収縮を膨張を繰り返しており、この私たちが住んでいる宇宙もいずれは収縮をするのだというのです。
実は、この理論は「ビッグバウンス理論」と呼ばれ、それ自体は1922年に提唱されていましたが、
2016年になって再びその理論に着目したのが、その論文を発表したイギリスの学者の「ステファン・ギーレン氏(Steffen Gielen)」です。
これが真実か否かはわかりませんが、もしかするといずれ宇宙は急に収縮し、我々はほぼ「無」の状態へと押しつぶされてしまうのかもしれません…!