宇宙には数えきれないくらい沢山の星が存在していますが、それらの星は、果たしてどのようにその終わりを迎えるのでしょうか?
想像しやすいものとして
「爆発」が挙げられますね。
そして、地球はいつ爆発するの?と思っている方もいるかもしれませんが、
地球は最終的に爆発することはありませんし、太陽ですら爆発するとは考えられていません。
地球がもし最後を迎えるとしたら、それは太陽が終わりを迎える時でもあり、
地球は今よりも100倍以上膨れ上がった太陽(赤色巨星)に接近され、その力によって遠くに追いやられるか、飲み込まれるか、燃やされてしまうと考えられています。
おそらく遠くに追いやられてしまうようで、この場合地球は干からびた状態で宇宙にずっとその後も存在することになります。
そして、太陽はその後徐々にその外層を拡散させていき、
白色矮星(はくしょくわいせい)と呼ばれる小さな天体へと変化します。
白色矮星になると、もともとの太陽よりもかなり小さな天体になりますが、その表面温度は太陽だったことの数十倍にもなります。
ちなみに、宇宙にはこういった白色矮星がいくつも存在しています。
では、なぜ宇宙には爆発する星と爆発しない星があるのでしょうか?そして、爆発する可能性のある星は、いつ、どのタイミングで爆発するのでしょうか?詳しく解説します。
太陽と地球の違いとは?
太陽と地球の1番のわかりやすい違いは、自ら光り輝いているか、そうでないかですね。
太陽のような自ら光り輝く星は
「恒星」と呼ばれ、
その太陽の周りを365日かけて公転している地球のような星は
「惑星」と呼ばれます。
同じ「星」でも、その性質は全くと言って良いほど違うのです。
では、なぜ太陽は自ら光り輝き、熱を放出しているのかというと、これは、その星の内部で水素と水素による
核融合反応
が起きており、
その際に放出されるエネルギーが莫大なものであるため、これが熱や光として周りに放出されています。
太陽のような星は、
その核融合反応によって生じる力(外への力)と、
その星が持つ重力(内への力)とが釣り合っているために、その形を保っていることができるのです。
この水素同士の核融合反応は、今後約50億年は続いていくと考えられています。(現時点で太陽は46億歳)
では地球は?というと、地球は光り輝いていないことからもわかりますように、地球の内部ではその核融合反応は起こっていません。
核融合反応を起こすには膨大なエネルギーが必要になりますが、地球の内部にはそれを起こすだけのエネルギーがありません。
では、なぜ地球は重力によって中心へと押しつぶされないのかというと、それは、主に地球を構成する物質同士の静電反発が、重力と釣り合っているためです。
我々の身の回りの物質を構成する物質は、どれもが様々な「原子」の組み合わせによってできていますが、
その原子は「陽子」と「中性子」を持つ「原子核」と、
その周りをまわっている「電子」の組み合わせによって構成されています。
そのため、原子の違いといえばその原子の持つ陽子の数や電子の数ということになりますが、どの原子も、外側に電子を持つという意味では同じです。
すると、この地球を構成する物質の原子同士は、その電子による反発の力をわずかながらに発揮しているのです。そしてそれは、全て足すとまさに地球が持つ重力と釣り合うほどにもなります。(電子同士の反発が全てではありませんが、この静電反発の寄与は非常に大きいです。)
そもそも万有引力というものがあるように、どんな物質もわずかながらにお互いに引き合う力を持っています。
この世界にはそういう見えない力が沢山存在しており、それが集まると、地球が持つ重力にまで匹敵するというのですから驚きですね。
地球が爆発する可能性は?
地球が爆発する可能性は最初にないといいましたが、実は、非常に低い確率でそれが起こる可能性はあります。
ですが、それは宇宙で非常に大きな恒星だけが起こす
「超新星爆発」のように、自らその身を爆発させるようなものではありません。
具体的には、地球にもし大規模な惑星が激突したとしたら、地球が砕けて、いわゆる「爆発」と呼べるような現象が起こる可能性はあります。
私たちが気が付かないだけで、非常に小さな隕石ならこれまでにいくつも地球に降り注いでいる可能性があるといわれていますが、
今から約6600万年前には、恐竜の大部分を絶滅させることとなった、巨大隕石が地球にぶつかったのは有名な話ですね
その隕石の大きさは、なんと直径10Km以上もあったと考えられており、
その衝突地域から1000Km以内に生息していた生物は、その衝撃波によって一瞬で即死したと考えられています。
また、その衝撃は地球上を駆け巡り、地上の80%の生物を死滅させたとも考えられています。
しかし、このようなことは本当に稀で、例えば直径1km以上の隕石が地球に衝突する可能性は、100万年に1度であるといわれています。
しかし、逆に直径が100m程度の隕石は小さすぎて確認ができないこともあり、その程度のサイズであれば、落ちてきて初めて気が付くということもあるようです。恐ろしいですね。
ただ、地球を爆発させるほどの威力を持ったものとなると、そのサイズはやはり6600万年前に落ちたもの以上のサイズになると考えられますので、やはり地球が爆発し、砕け散るということはなかなか考えにくく、非常に可能性としては低いといえそうですね。
なぜ爆発する星があるのか?
しかし宇宙には、自らその身を爆発させる星もあります。
いわゆる「超新星爆発」と呼ばれているものです。
これは、太陽よりも大きな質量を持つ構成の一部が起こすものなのですが、その仕組みについて解説します。
まず、超新星爆発は、理論的には
太陽よりも8倍以上の質量を持つ恒星だけが起こすとされている現象です。
太陽は赤色巨星となり、外層を拡散させて白色矮星になるという話をしましたが、恒星の97%はこのタイプに分類され、爆発を起こすのはほんの一握りの恒星です。
超新星爆発を起こす星は「恒星」なので、その内部では太陽のように核融合反応が起こっています。
しかし、それほどの大質量を持つ星では、その内部における核融合反応は、水素と水素同士で終わることはなく、水素が無くなってももっともっと続いていきます。
ここで、元素の周期表を思い出してほしいのですが
元素の周期表は、
H⇒He⇒Li⇒Be⇒B⇒C⇒N⇒O⇒F⇒Ne…
と続いていきますよね。
そして、例えば水素(H)と水素の核融合反応が起こると、それはヘリウム(He)になるのですが、
恒星の内部にある水素がすべてヘリウムになってしまうと、今度はそのヘリウム同士の核融合反応が起き、リチウム(Li)になります。
そして、これが続いていくと、太陽より8倍以上の質量を持つ恒星の内部では、
その核融合反応が
「鉄(Fe)」になるまで続いていきます。
核融合反応は、基本的に鉄以上に進むことはありません。鉄原子は非常に安定な存在であり、それ以上核融合を起こそうとするとより膨大なエネルギーが必要になるからです。
ちなみに、太陽レベルの恒星の内部では、その核融合反応は窒素や酸素の段階で止まってしまうと考えられています。
そして、太陽より8倍以上の質量を持つ恒星の内部では鉄の塊が出来上がるわけですが、それ以上の核融合反応が起きなくなるため、その内部では外側に向かう力が働かなくなり、その中心部は重力による影響をより強力に受けるようになります。
すると、その中心部はどんどん収縮していき、これによってその中心の温度は上昇していきます。
すると、その中心温度が
100億度という非常に高温度にまでなってくると、
鉄の光分解という反応が起き、その鉄がヘリウムと中性子に分解されてしまいます。
すると、星の中心部が空洞と同じようになり、そこに向かって一気に周りの物質が圧縮されます。
するとその時に星の中心には「コア」が生まれるのですが、そのコアで反射した衝撃波は外側へと伝わり、コアの外層部分は一気に宇宙空間へと飛び散ります。
これが、超新星爆発と呼ばれるもので、その中心に残ったコアは、
「中性子星」か
「ブラックホール」となりますが、
ブラックホールになるためには、太陽の20倍以上の質量が必要であると考えられています。
つまり、この話を聞いていただければわかりますように、ブラックホールとは、もともと太陽よりも非常に大きかった恒星のなれの果ての姿なのです。
つまり、ブラックホールは宇宙にぽっかりあいた穴なのではなく、超新星爆発によって生まれた天体なのです。
そして、我々のいる地球、そしてそれを含む太陽系は、
「天の川銀河」という数千億以上の恒星と惑星群で構成された銀河の中に存在していますが、
実はこの天の川銀河の中心には
太陽の300万倍以上の質量を持つ超巨大ブラックホールが存在しているものと考えられており、
実は我々の地球は太陽の周りを365日かけて公転していますが、その太陽もまた銀河の周り、つまりその中心のブラックホールの周りを約2億年かけて公転しています。
つまり、我々の地球は、太陽の周りをまわりながら、ブラックホールの周りもまわっているのですね。(・_・;)