【2018】AIは感情を理解できるか?最新の研究について

皆さんは、2001年に公開された映画「A.I.」をご存知でしょうか?

スティーブン・スピルバーグ監督のもと制作されたこの映画は、まさにその「AI」を題材にした物語であり、

主人公のデイビットは、不治の病によって眠り続ける子供(マーティン)を持つ夫婦のもとへと送られ、母のモニカを愛するようプログラムされたロボットでした。

しかし、その後本当の息子であるマーティンが病を奇跡的に克服し、目を覚まします。

そのため、いらなくなってしまったデイビットは、夫婦に捨てられてしまいました。

しかし、母親を愛するようプログラムされたデイビットは、捨てられた後もなお、母親を探し求めます。

この後、どのような結末を迎えるのかは、皆さん実際に映画を見ていただきたいと思いますが、

AIが発達すると、本当にこんな未来が訪れるのかもしれないなと考えさせられる、非常に見入ってしまう何とも切ない話でした。

しかし、今の研究段階ではまだ、その人間のような複雑な感情を理解できるまでのプログラムは完成していないAIですが、

果たして今後、本当にAIが人間の感情を理解できるようになる日は来るのでしょうか?

今現在の最新の研究についてご紹介します。

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目次

AIは今感情をどこまで理解できるのか?その最新の研究について

結論から言うと、今現在、映画「A.I.」に登場するような、感情を人間レベルで理解できるロボットはまだ存在していませんが、

その研究は、確実に進歩しつつあるのもまた事実です。

AI が人の感情を理解するためには、膨大な「教師データ」と呼ばれるものが必要になります。

例えば、

  • 「怒っている表情」
  • 「笑っている表情」
  • 「悲しい表情」

こういったものをいくつもいくつも教師データとして取り込ませ、さらにそれに対する答えを覚えさせることで、まずはその簡単な表情によって、その人がどのような感情を今抱いているのかがわかるようになるわけです。

なので、この教師データをどれだけ読み込ませることができるか、どこから集めるかというのが、今のAIの感情認識発達におけるまず1つの課題です。

これまでに、街中で「ペッパー」が店頭に置いてあるのを見たことがある方も多いと思いますが、これはソフトバンク社が開発したAIを搭載するロボットの一種です。

このペッパーはやはりまだ「ロボット」という感じが強いですが、実はこういったAIロボットは、単純に教師データに即した回答だけを導き出すのではなく、その場における環境によって、新たに感情を理解する機能を発展させる能力も搭載しています。

例えば以前、テレビ番組の企画で、ペッパーが花札勝負に臨んだ際、それに負けた時には、「悔しい」「怒り」といった感情が現れたものの、

その後周りの開発者が笑顔になったのを見て、その感情が「嬉しい」「気持ち良い」といった感情に変化したそうです。そしてペッパーはそのような場の雰囲気を分析し、これを覚えます。

このように、膨大な教師データによる基礎的な情報と、その後AI自身がその場その場の「空気」を自主的に覚えることによって、情報量はより豊富になり、より人間の感情を理解できるようになると考えられています。

曖昧な表情をどう理解するか

AIに関する研究は近年様々なグループがその開発に名乗りを上げていますが、トヨタグループも、そのAIをより人間に近づけるための研究に尽力しています。

このトヨタグループは、人の曖昧な変化であっても、それをAIに理解させる研究が順調に進んでいるようです。

例えば、初めは先ほどと同様に、確実に「眠い」とわかるような表情をAIに覚えさせ、以降AIは、その表情を見るたびに眠いとわかるようになります。

しかし、曖昧な表情を見せた時にはAIはそれを識別することはできませんが、確実に「眠い」とわかる表情のものと、そうではない表情のものとを分析し、人間が眠いと感じるときには「口をもごもごする」という共通点があることを見出し、それを記憶します。

このような学習を繰り返すことでAIはどんどん進化していき、だからこそ、膨大な教師データを覚えさせることが重要なのです。

トヨタグループは、このAIを活用し、将来人の感情を読み取り、例えば眠い時には音楽をかけるなどの気遣いができる車の開発を目指しています。

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心拍数による感情理解

最新の研究では、AIは例え顔がマスクなどで隠されていてもそれが誰かを識別できるレベルにまで進化していますが、AIがその感情を理解するための1つの方法として「心拍数」を利用した方法も開発されています。

世界有数の名門校として名高いマサチューセッツ工科大学が発表した「EQ-Radio」というデバイスは、無線信号をユーザーに発信し、そのデータからその人間の心拍数を測定し、感情を理解することができるそうです。

驚くべきことに、この「EQ-Radio」は0.3%という驚くほど少ない誤差で正確に人の心拍数をはかることができるそうで、さらに、87%という非常に高い精度でその感情を4つに分類することも可能であるとされています。

従来研究されてきた顔の表情を読み取ることによる感情の理解と、この心拍数による感情理解の研究が進めば、AIはより高い精度での感情理解能力を獲得することになるでしょう。

そもそも、人間とは何か?

AIを人間に近づけていく研究がこのまま進んでいけば、AIがより複雑なレベルでその感情を理解し、さらにAI自身が感情と呼べるものを持つようになるまで、もうそれほど時間はかからないでしょう。

後数百年もすれば、AIは人間レベルにまで知能を発達させ、よく映画で見られるようなAI自身による反乱がおきるという可能性も0ではないのかもしれません。

そもそも、人間は機械とは違いますが、その脳の動きは、まさに機械的であると考えられています。

というのも、脳の中で起こる感情の動きというものは、神経細胞間の電気的なやり取りや、いくつかのホルモンの相互作用によって説明できますが、そのメカニズムが詳しく解明されていけば、人の意識や記憶はまるでパソコン上の電子データのようにメモリーカードに保存できるとさえ考えられているのです。

そして、この研究を発展させていき、人の意識を電脳世界に移すという研究も本気で行われています。

非常に不思議な話ですが、もしかすると遠い未来では、人間はその多くがもはや肉体さえ持たず、機械に意識を移して生きているのかもしれません。

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