生きているなら誰しもが必ず一度はすることがある
「おなら」
子供の頃、私のお母さんは一度もおならをしたことがないと自慢していた子がいたのですが、それは隠れてしているだけだと気づいたのはいつ頃だったのか。(笑)
そんなおならは、たとえ音をたてないようにしたとしても、その臭いでばれてしまうこともあるため、特に部屋の中で何人もの人といるときには、したくてもできないという経験をしたことがある方は、ほぼ全員ではないでしょうか?
しかし、このおならのにおいの元が、しばしばおならの成分である
「メタンガス(CH4)」
にあると思っている方もいるかもしれませんが、
実は、そのメタンガスには臭いがありません。
では、おならの臭いの原因は何なのでしょうか?
今回の記事では、おならの成分であるメタンガスの特徴に加え、おならの臭いの原因や、その発生メカニズムについて解説します。
おならの成分メタンガス、実は臭いが無いんです
突然ですが、皆さんの家では、
ガスコンロを使っていますか?
最近では、IHタイプにしてしまう方も増えてきていますが、実はガスコンロで火をつけるために使われている成分は、
まさにそのおならに含まれるメタンガスである場合があります。
具体的には、
家の外にボンベを置き、そこからガスを引いている家庭で使われているガスは、主にプロパンやブタンというガスを主成分としているのですが(LPガス)、
地中に埋まったガス管を通じて家庭にガスをひいているご家庭で使われているガスは、まさにそのメタンガスを主成分としています。(都市ガス)
ちなみに私の実家ではボンベを利用していましたが、全国的には約3割がボンベのタイプで、約6割がガス管のタイプを利用しているそうです。なので、メタンガスを利用している家庭は比較的多いようですね。
住宅密集地域ではガス管による供給をする方が多く、あまり人がいない地域では、ガス管をひくにもお金がかかるため、ボンベを利用することの方が多いようです。
しかし、そういうガスといえば、
しばしば独特のガス臭いにおいを感じたことがある方もいるかもしれません。
しかし、これはガス漏れを察知できるようにあえて臭いを付けているだけで、その主成分となるメタンガス自体はやはり無臭の成分なのです。なので、もしもおならがに含まれている成分がメタンガスだけであるのであれば、それは臭いのないおならになるはずです。
しかし、おならは時にくさい場合がありますが、その成分は、その他に発生しているいくつかのガスによってそう感じてしまいます。
おならの臭いの原因とは?
そもそも、メタンガスも、その他のおならの臭いの原因になるガスも、そのどれもが
「腸内細菌や腸内微生物」
によって作られています。
例えば、腸の中にいる
「嫌気性細菌」という分類に属する細菌の一部は、
有機物を分解する過程で水素を作り出すのですが、
さらに、
「古細菌」という分類に属し、腸内にいる一部の微生物は、
その水素を消費して、最終的にメタンガスを作り出しているのです。
このようにして、お腹の中では小さな微生物によって日々様々な分解反応が行われているのですが、
お腹の中で生成されるガスのうち、あの独特な臭いのもとになる成分には、
- 硫化水素 (H2S)
- 二酸化硫黄(SO2)
- アンモニア(NH3)
- ホスフィン(PH3)
- インドール(C8H7N)
- スカトール(C8H6NCH3)
などがあります。
- 硫化水素は、卵の腐ったような臭いがする成分であり、よく温泉地ではこの硫化水素の臭いがすることがありますよね。
- 二酸化硫黄は刺激臭のする気体ですが、保存料として用いられることもあります。
- アンモニアは、尿のにおい成分としても知られていますよね。こちらも、刺激臭がします。
- ホスフィンは、魚臭い臭いのする成分として知られています。
- インドールやスカトールは、大便の臭いの主成分として知られています。しかし、驚くべきことに、その濃度を薄めると良い香りにも感じられ、なんと香水の香りづけ成分として利用されています。
このように、それぞれに違った特徴があり、また、食べ物の違いによって、そのおならの臭いが変わります。
例えば、肉類や、ねぎ類、ニラ、ニンニクなどの食材には「硫黄」が多く含まれているため、最終的に硫化水素や二酸化硫黄などの強い臭いのおならが出やすくなってしまいます。
ニラやニンニクは口臭にも影響することが知られていますが、実はおならの臭いの原因にもなってしまうのですね。
おならは燃える…!ただし実験をするのは危険!
おならはガスと聞いて、燃えるのは燃えないのかと子供の頃に考えたことがある方も少なくないと思いますが、おならにはメタンガスなどが含まれていますので、燃えます。
イメージとしては、火に向かっておならを吹きかけると、火力が一瞬強くなるのです。また、もちろん袋におならをためておいて、そこに火をつけても、火力がボウっと強くなります。
イメージとしては以下のようになります(笑)
ただ、この実験は言わずもがな非常に危険な実験です。
炎は、その洋服の材質によっては一気に燃え広がる場合があります。例えば、綿やセルロース系繊維の洋服を着ているときには、
「表面フラッシュ」
と呼ばれる現象が起こる場合がありますので、おならは燃えるんだという知識だけを持つにとどめ、実際に実験をするのは危ないのでやめておきましょう(^-^;
我慢しようとしても、食べ物を食べるとどうしても出てしまうおなら。
実はそんなおならに含まれるガスは温室効果を持っているため、全国で様々な動物たちが日常的に排出しているおならが、地球温暖化の一因であるとして本気で問題視されています。
普段何気なくしているおならが、まさか環境変化にまで影響しているというのですから驚きですね。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)
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