海にいる哺乳類といえば、
クジラ目に属する
- クジラ
- イルカ
- シャチ
などが有名ですが、
海の中には、そのクジラ目の祖先と同じくらいの時期(約5000万年前)に、海へと進出していった動物が他にもいました。
それが、現在の「ジュゴン」や「マナティ」の祖先です。
ジュゴンとマナティは共通の祖先から分化した動物ですが、
それからすでに2000万年以上たっているので、その生態や見た目にはいくつか違いがあります。
ただ、ジュゴンやマナティについて全然知らない方からすると、おそらくこの2つの動物は非常に姿かたちが似ているように感じるのではないかと思いますので、
今回の記事では、そんなジュゴンとマナティの違いについて詳しく解説します。
さらに、その赤ちゃんがとてもかわいいので、併せてご紹介します(^^)
ジュゴンとマナティの違いとは?
ジュゴンとマナティの起源は、もともと陸生の4足歩行の哺乳類にありました。
その哺乳類は、今から5000万年以上前にいくつかの動物に分かれ、
その内、陸生のまま生き残ったものが現在の「ゾウ」であり、
海へと進出していったものが、ジュゴンやマナティであることが分かっています。
つまり、ジュゴンやマナティは、実はゾウと近縁な動物なのです。
そして、海へと進出していったその祖先は、
今から2000~3000万年ほど前に、ジュゴンとマナティに分化していったと考えられています。
では、そんなジュゴンとマナティにはどんな違いがあるのかというと、
実は、両者は似ているようで結構違いがあります。
ジュゴン | マナティ | |
体長 | 2.5~3m | 3~4m |
体重 | 平均450kg(ジュゴンは1種のみ) | 350~1500kg(種による) |
胸びれの爪 | ない | ある |
尾びれの形 | 三角形(クジラ型) | 円形(うちわ型) |
生息地域 | インド洋、西太平洋、紅海 | 南北アメリカ、アフリカの河川、湖や浅瀬の海 |
食べ物 | 海草(主にアマモ) | 野生は水草などを食べ、飼育個体はキャベツやにんじんなどの野菜も食べる。 |
肌 | なめらかですべすべ。毛が生えていない。 | 基本的にざらざらしていて毛が生えている。野生個体にはコケなどが生えていることもある。 |
以下のイラストも非常にわかりやすいので是非参考にしてみてください(^^)
マナティとジュゴンの違いをまとめてみました#マナティ #ジュゴン #動物 #海洋生物 #水族館 pic.twitter.com/oaA5mhxDYw
— Bages (@Bagesxtc) 2018年6月2日
ジュゴンは基本的に海にしか住んでいませんが、
これに対してマナティは海にも済んでいますが、河川や湖を中心的な住処としています。
実は、この両者の生息地域というのは非常に重要な違いであり、
ジュゴンとマナティの共通祖先から、エサを求めて淡水へと進出していったものがマナティに進化し、
そのまま海洋での進化を遂げていったものが、現在のジュゴンになったと考えられているのです。
このような分化が起きた理由は、その今から2000万年以上前に、その祖先のエサとなる海草が激減したためであると考えられています。
マナティの赤ちゃんがかわいい…!
ジュゴンやマナティは草食の哺乳類であり、好奇心が旺盛で、温厚な性格の動物として知られています。
そのため、ダイバーが近づいても、しばしば近づいてきてくれるようなのですが、
以下の映像はまだ生まれて間もないマナティの赤ちゃんのようですが、カメラに興味を持ったのか、無邪気に近づいてくる様子が何ともかわいいです。
ちなみに、このマナティの体にもコケが生えていますが、
そのコケを食べに魚たちが集まってくることもあるようで、マナティはお魚とも仲良しのようです。
また、以下の映像は水族館で飼育されているマナティの動画ですが、
遊んでほしいのか、掃除をしている飼育さんの邪魔をしようとしています。
何とも可愛らしい映像ですね(*^-^*)
まとめ
今回の記事では、海にすむ数少ない哺乳類、ジュゴンとマナティの違いについて解説しました。
ちなみに、ジュゴンは日本の近海、
具体的には沖縄を含む南西諸島の近海にもわずかながらに生息しています。
しかし、日本ではそんなジュゴンは絶滅危惧種に指定されており、捕獲や殺傷が禁止されています。
ちなみに、ジュゴンは基本的に甘藻(アマモ)しか食べないために、エサが無くなるとその地域からは絶滅してしまうため、マナティと比較しても非常に希少な動物であり、
なんと、世界でこれが飼育されている施設はたったの4つだけで、計5頭の個体しか飼育されていません。
そして、その内の1頭が、現在鳥羽水族館で見ることができる「セレナ」と名付けられたジュゴンです。
鳥羽水族館の人気者ジュゴンの「セレナ」は今春、フィリピンから来て丸30年になります。国際的な保護動物で捕獲が制限され、国内で飼育されるジュゴンはこの1頭だけ。水族館は健康に細心の注意を払いつつ、いっそうの長期飼育を目指しています。 https://t.co/AxzT81jqNs pic.twitter.com/IUf0bR7Z2A
— 朝日新聞デジタル編集部 (@asahicom) 2017年1月19日
この鳥羽水族館には、以前もう1頭「じゅんいち」というジュゴンがいましたが、
そちらは2011年に、31年5ヶ月飼育されたのちに亡くなってしまいました。
ちなみにセレナも2018年の4月15日についに飼育期間記録を31年にのばしましたが、
是非この調子でずっと長生きしてほしいですね(^^)!
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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