【解説】スーパー台風の定義と、実際の過去の例について

年間でおよそ20~30発生する台風は、時に人々が住んでいる地域に上陸し、大きな爪痕を残していくことがあります。

1959年、日本を襲ったかの有名な「伊勢湾台風」は、台風への危機意識を持つことの重要性を再確認させる歴史的な大災害となりましたが、

この伊勢湾台風は全国的に甚大な被害をもたらし、

最終的に、計5000人以上もの方々が命を落としました。

しかし、これまでにさんざん台風の被害にあってきた日本でさえ、

実は今だに「スーパー台風」を経験していません。

では、そのスーパー台風とはそもそもなんなのか?

今回の記事ではそのスーパー台風の定義と、実際の過去の例について解説します。

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目次

スーパー台風の定義について

スーパー台風の定義の前に、

そもそも「台風」とは?というところから解説しますが、

台風とは、赤道付近の熱帯で生じる低気圧(熱帯低気圧)のうち、
赤道以北、東経180度より西の北大西洋、南シナ海に存在するものの中で、
低気圧内の最大風速が、17.2m/sを超えるもののことを言います。

つまり、熱帯付近でできた渦のうち、日本近海に近づいてくるようなものの中で、その中心付近の風速が17.2m/sを超えるようなものを、総じて台風と定義しているのです。

そしてこの台風は、その「風速の違い」によって以下のようにいくつかの呼び名で区別されます。

  • 台風:     最大風速が17.2m/s以上
  • 強い台風:   最大風速が33m/s以上44m/s未満
  • 非常に強い台風:最大風速が44m/s以上54m/s
  • 猛烈な台風:  最大風速が54m/s以上

テレビのニュース番組などで、「強い台風○○号」というように呼ばれているのをこれまでに耳にしたことがある方は多いと思いますが、それはその中心付近の風速の違いに呼びわけられていたのです。

特に、「猛烈な台風」で定義されるように、風速が50m以上になってくると、

その風は車さえも簡単に転がすほどの威力になりますので、外に出るのは非常に危険です。

ただ、これをさらに上回るようなものが、

今回ご説明する「スーパー台風」と呼ばれるものであり、

このスーパー台風とは、

日本では「風速59m/sを超す台風(10分平均)」と定義されています。

もしもこれが東京都を襲った場合、最大で10mもの浸水が生じ、駅は100近い数が機能しなくなり、

帰宅困難者が数百万人単位で発生するほか、死者も少なからず生じるものと考えられています。

過去に発生したスーパー台風

この記事の冒頭で、過去に日本に甚大な被害をもたらした伊勢湾台風は、スーパー台風ではなかったという話をしましたが、

実はこの伊勢湾台風は、日本に上陸する少し前まではスーパー台風の定義に該当する規模のものであったことが分かっており、その最大風速は75m/sにもなったと考えられています。

また、過去の例で最も最近のスーパー台風といえば、

それは、2013年にフィリピンを襲い、ヨランダと名付けられた、台風30号です。

スーパー台風に相当する台風が発生する割合は、毎年0個か1個と言われていますが、

フィリピンは運悪く、そのスーパー台風の直撃にあってしまったのです。

その結果、フィリピンでは合計で7000人近い人々が亡くなり、被害総額はおよそ850億円にも達しました。

まだ発展途上のフィリピンでは台風被害に対する対策が十分ではなく、高潮などへの対応が遅れたことが、被害拡大につながってしまった原因であると考えられています。

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日本にスーパー台風が上陸する可能性は?

例えば、もしもスーパー台風が日本の首都東京を襲った場合、

その被害はかなり甚大なものになると想定されていますが、

熱帯付近で発生したスーパー台風が、その勢力を保ったまま日本に上陸する可能性は非常に低く、

東京都で想定されているような最悪の被害が生じる可能性は、数千年に1度とも言われています。

ただ、もちろんその数千年に1度が今年ではないという保証はなく、

そもそもこれまでそういうことがなかっただけで、今後はそういったすさまじいパワーを持った台風が頻繁に来ないとも言い切れません。

最近では、「地球温暖化」の影響によって大型の台風が発生しやすくなる可能性があることがことがまず1つ懸念材料であり、

海面温度が上がるということは、台風がそのパワーを維持しやすいということでもあります。、

そのため、もしもこのまま温暖化が進めば、日本には頻繁に巨大な台風が来る可能性もあります。

また、このまま温暖化が進めば、

最悪の場合2100年までに地球の平均気温が4.8℃も上昇する可能性があるといわれています。

あくまで最悪の想定ですが、もしもそうなれば、いまだかつて経験したことがないような自然災害に見舞われる可能性は十分に考えられます。

まとめ

今回の記事では、スーパー台風の定義と、過去の例についてご紹介しました。

高潮」とは、台風の中心の低気圧体が海面を持ち上げ、移動させてくることで生じる高波のことですが、

スーパー台風クラスになると、余裕で防波堤を超えるような高潮がどんどん陸地へと流入してくる可能性があり、そうなると海沿いでは甚大な浸水被害が生じる可能性があります。

もしも海沿いに住んでいる方で、今度その地域に大規模な台風が接近するようなことがあれば、自治体の指示などに従い素早く非難するようにしましょう。

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