今から数百万年以上前、
地球上には
「サーベルタイガー」
と呼ばれるネコ科の動物がいました。
サーベルとは、西洋に存在した湾曲した刃を特徴とする剣のことです。まさに、この動物の持つ発達した牙がサーベルのようだということから、サーベルタイガーと名付けられました。
そして、そんなサーベルタイガーの中でもよく知られているのが、
「マカイロドゥス」や「スミロドン」です。
そこで今回は、そんなサーベルタイガー達の特徴や生態、今生きているネコ科の動物たちとの関連について解説します。
サーベルタイガーとは何か?今のネコ科の動物たちとの関連は?
サーベルタイガーは現代においては骨しか残っていないので、その全体像はあくまで想像図でしかありませんが、例えば図鑑などに載っているようなものを見ると、現在も生きているトラやライオンに非常に近い動物のようにも思えます。
サーベルタイガーことスミロドンは大きな犬歯も特徴だけど
下半身の大きさに対してゴツめの上半身と短い尻尾も特徴的。
後マカイロドゥス亜科では珍しく下顎に鞘と言う部分が無い。#スミロドン #サーベルタイガー #犬歯虎 #ネコ科 #マカイロドゥス亜科 pic.twitter.com/vgRDU3mRAx— マスターγ (@masutaagannma) 2018年6月10日
しかしながら、これまでの遺伝子研究の結果、サーベルタイガーはネコ科が出来てから最初に単系統として分離し、独自の成長を遂げた生物であることが分かっています。
そして、その後子孫を残すことなく完全に絶滅してしまいました。
そのため、今生きているネコ科の動物とは、ネコ科であるという以上には近い動物ではありません。
つまり、サーベルタイガーとライオンの祖先をたどっていくと同じ共通祖先にはいきつきますが、サーベルタイガーの子孫がライオンというわけではないのです。
サーベルタイガーはその恐ろしいほどに発達した牙が特徴的ですが、実はこれは見た目ほど頑丈な構造をしているわけではないそうで、
もちろん狩りにも使ったと考えられていますが、どちらかというとこれをぐさぐさと突き刺して倒したというよりも、その鋭い牙で重要な血管を狙い、失血死に導くことで獲物を倒していたと考えられています。
代表的なサーベルタイガー、マカイロドゥスとスミロドン!
国立科学博物館 スミロドン 口が凄い、喉を狙ってきそう pic.twitter.com/hrqARLUToV
— ふるふじ (@maruken3kasiwa) 2014年3月10日
サーベルタイガーの中でも、最も初期に登場したのが、
「マカイロドゥス」
と呼ばれているサーベルタイガーです。
マカイロドゥスは今から約800万年ほど前にこの地球上に生息していたと考えられています。
これは、まだ人間が猿の仲間だった頃で、人間は今から約600万年前に類人猿の中からヒト属として分離し、知能を発達させていきました。
このマカイロドゥスは、
体長は約2.5m、
地面から頭の高さまでは1.2m程度です。
そのため、実は今のライオンと同じくらいの大きさですが、
マカイロドゥスはサーベルタイガーの中では最大級の大きさを誇ります。
なんとなく、過去に存在したネコ科の動物で、あれだけ鋭い牙を持っていると、かなり大きそうに感じますが、実はそこまで異常に大きかったわけではないんですね。
一方「スミロドン」は、いくつか知られているサーベルタイガーの中でも最後の頃に登場したものであり、約250万年前から、最終的には約1万年ほど前まで生息していたと考えられています。
こちらは、マカイロドゥスよりもやや小型で、
体長は約2m、
背の高さは1m~1.2m程度であったと考えられています。
約1万年前というと、かなり最近ですね。
なのでもしかすると過去には、人間の祖先はマカイロドゥスには度々エサにされていたかもしれませんが、逆にスミロドンは人間の方がエサにしたこともあったかもしれません。
狩りを生業としていたころの人間は非常に強く、知識も豊富で、生き残るために持っていた1人1人の知識は今の人間のそれを上回ると考えられています。
ちなみに「ヒト属」は火の使い方を知り「調理」を覚えたことが、豊富な栄養素の摂取につながり、飛躍的な知能の発達に影響したと考えられています。
現生のネコ科の動物の方が強い?
なんとなく、古代の生物の方が大きくて強いというイメージがある方もいると思いますが、
サーベルタイガーの中で最大級のものと、
現生に住むネコ科の中で最大級のものがもし対峙したとしたら、
今いるネコ科の動物の方が強いかもしれません。
現在に至るまで生き残っていたことからも、「種」としての強さは今のネコ科の動物の方が強かったといえますが、実は現在生きているネコ科の動物の中には、我々が想像する以上に大きなものがいます。
例えば、現在上野動物園などで見られるライオンは
「インドライオン」という種類のもので、
体長は最大で約1.4m~2m、
体重は120Kg~200Kg程度で、
おそらくスミロドンと同じくらいのサイズですね。
しかしながら、実は1922年ごろに絶滅したと考えられていた
「バーバリライオン」というライオンは、
その後純血種らしきものが2007年に保護され、現在その数を少しずつ増やしています。
そして、驚くべきはそのサイズですが、
なんとこのバーバリライオン、
体長は3m以上にもなり、
体重も350kgにもなるそうです。
つまり、マカイロドゥスよりもでかい!
さらに、これぞ百獣の王という感じで、その見た目もかなりかっこいいんですね~
絶滅危惧種っていうと、バーバリライオンの繁殖が本格的に開始されているので、是非がんばってほしい、3mぐらいの地上最大のライオンで、が顔の周りから腹まである、すんごい立派なタテガミが特徴、一度絶滅宣言が出されてから生き残りが発見されたケース、超かっこいいライオン pic.twitter.com/DLgr0Rfga4
— 玉子 (@tamago_mofmof) 2018年5月2日
このバーバリライオン、是非一度生で見てみたいものですね!
それでは最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)
こちらの記事はいかがですか?⇒クジラはなぜ爆発するの?動画も交えて解説!