※人間のクローンは作れる?そのメリットとデメリットとは?

子供をお腹の中で育て、胎児を産み落とす

「胎生」を主な特徴とする脊椎動物を

「哺乳類」と言いますが、

その哺乳類のクローンの作成が世界で初めて成功したのが、今から約20年前の1996年のことです。

この年、スコットランドにあるロスリン研究所のイアン・ウィルムット、ケイス・キャンベルらの研究グループは、

「羊」の乳腺から取り出した細胞を使って、全く同じ遺伝情報を持ったクローンの羊を作ることに成功しました。

この羊はその後「ドリー」と名付けられ、その後約6年間1匹の羊としての生涯を送ったのですが、

このドリーの誕生はその後、クローンに関する様々な議論を巻き起こすきっかけとなりました。

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というのも、この哺乳類のクローンの誕生によって、よくSF映画の中に登場するような

クローン人間」を作り出せる可能性が、いよいよ無視できないものになってしまったのです。

というより、この時点でもはや人間のクローンを作り出せることはほぼ間違いないと誰もが思ったことでしょう。

しかし、現在浸透しているように、

「クローン人間を作ることは、倫理的にやってはいけないこと」

というのは、もはや大半の意見として一致していました。

そしてその後、ドリーが生まれてから4年後の2000年には、

この日本でも、「クローン胚」を作り、それを生命として誕生させることを禁止する法律

ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」が公布され、

2005年の3月には、国連総会でもヒトクローン胚の作成を全面的に禁止する宣言が出されました。

このような経緯から、今現在、その人間のクローンを作り出すことを国内で全面的に認めている国、あるいは公に発表している国はありません。

さて、ということでそんな人間のクローンは現在作っていはいけないものであるとされているわけですが、

そもそも人間のクローンは、本当に作れるものなのでしょうか?

今回の記事では、その人間のクローンは本当に作れるのか、

そしてそれが誕生したときのメリット、デメリットとは何なのかということについて詳しくまとめていきたいと思います。

人間のクローンは本当に作れるのか?

人間のクローンは、実際今の技術を使えば簡単に作れるものなのか?

その見解を説明する前に、まずは先ほどご説明した情報について、少しだけ補足しておきましょう。

まず、先ほど記事の冒頭では、人間のクローンを作ることは日本でも法律によって禁止されているといいましたが、

実は、その人間のもととなる、まだ細胞分裂する前の「胚」をクローン技術によって作ることは、

今の日本でも禁止されていることではありません。

人間はみんな最初はその「胚」という状態から形成され始めるわけですが、

人為的に誰かの遺伝情報を組み込み、その「クローン胚」を作り出すことは、実は禁止されている行為ではないのです。

ただ、その胚を人間や動物の体に入れて成長を促し、生命として誕生させるということを法律で禁止しています。

しかし、そういったクローン胚を作ることにすら否定的な意見を述べている国もあるのですが、

クローン人間の作成が厳しく規制されている現在でも、

実はそのクローン技術によって人間以外の動物を作り出すことは、現在も世界で当たり前のように行われています。

ということで、実は羊のドリーが誕生したのが1996年のことですが、それ以降も哺乳類のクローン作成は様々な動物で試されているのです。

例えば、

  • マウス
  • ラクダ

などなど、

哺乳類のクローンを作ることは、もはや比較的簡単にできてしまうといっても良いことです。

そしてさらに今年2018年の1月24日、中国科学院の研究チームが、サルの体細胞を使い、

霊長類としては初めてとなる、クローン猿を2匹作ることに成功しました。

哺乳類の中で、さらに霊長類の生物のクローンがつくられたのはこれが世界初です。

こういった経緯を見ていただければもうお分かりになると思いますが、

人間のクローンは、現時点でかなり高い確率で作れるといっていいでしょう。

ただ、法律や倫理の観点から「表向きには」それを誰もそれをやらないだけです。

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クローン作成のメリットとデメリット

まず、人の「クローン胚」を作ること自体は、医学的に非常に大きなメリットがあります。

クローン胚とは、核を取り除いた未受精卵に、皮膚などの体組織から採取した1個のドナー細胞を融合させた結果できる胚のことであり、

この胚はその後細胞分裂を繰り返させていけば、ドナー提供者と遺伝的にまったく同じ情報を持った細胞群を作り出すことができます。

すなわち、こういった研究を応用していけば、いつか拒絶反応などの恐れも全くない臓器などを作ることが可能になるかもしれません。

ただ、クローン人間を作るという話になれば、そこにはメリットもあれば、デメリットもあります。

そして、そのメリット、デメリットとしては次のようなものが挙げられます。

メリット

クローン人間を作ることの1つ目のメリットとして挙げられるのが、

臓器提供を待つ人の救いになるということです。

もしも自分の細胞からクローンを作れば、そのクローンが持っている内臓はすべて自分の持っているものと遺伝情報的にまったく同じものなので、拒絶反応などが起きる心配もほとんどなく、臓器移植を待つ人間は沢山救われることになるでしょう。

ただ、そうはいってもクローン人間もその成長には時間がかかりますので、臓器移植もすぐにできるという訳ではありませんが、

例えばあらかじめそういうクローン人間を作っておけば、もしも内蔵に病気が見つかったり、損傷などをした時に、それをクローン人間のものと置換することで命が救われる可能性はぐっと高くなります。

ただ、もちろんこれは極端に偏った考え方ですので、私ももちろんそんな時代が来るとは思っていません。

デメリットの方でも書かせていただきますが、これはクローン人間の人権を全く無視しした行為であるため、許されるわけはありませんが、あくまで可能性という話で書いています。

少なくとも、同じ遺伝情報を持つ臓器を単体で別の方法で作り出すよりは、まるごとクローン人間を作る方が手っ取り早いというのは間違いのないことでしょう。

日本では現在も約13000人もの人が臓器提供を待っていますが、それに対して年間で200~300の移植しか行われていません。

また、DNAが異なる人から提供された臓器移植などをしても、その後拒絶反応によって苦しむ可能性は高いです。

こういう現状が早く改善されることを祈るばかりですが、

クローン人間の作成がもしも許されるのであれば、臓器移植やその後の後遺症に苦しむ人の数は減ることになるでしょう。

2つ目のメリットは、

人間がその生活環境によって、どのようにその成長に変化が生じるのかということを調べることができるということです。

これは、医学の進歩を考える上では非常に重要なデータになることでしょう。

これはどういうことかというと、もしもクローン人間を作ることが可能であるのであれば、双子どころか、10つ子でも、100つ子でも作ることが可能ということになります。別々の母体に出産を代理してもらえば、遺伝情報的には全く同じ子供を、100人ほぼ同時に生まれさせることができるのです。

そうすると、その子供たちを別々に育てれば、同じDNAを持つ子供でも、その環境によってどれだけ成長の仕方に変化が生じるのかということがわかり、これは貴重なデータになることは間違いありません。

しかし、これもまた普通に考えて許されることではありませんので、あくまで仮想の話ですね。

そして、3つ目のメリットは、

死者をある意味で蘇らせることができるということです。

つまり、もし愛する人が死んでしまったとしても、その細胞1つさえあれば、遺伝的にまったく同じ存在を作ることが可能ということになります。

ただ、これも常識的に考えてやってはいけないことだと思いますが、

実は、人間ではなく、動物であれば、既にクローンを作成するという試みが行われています。

これは、研究としてではなく、一般の方の依頼によって行われているもので、

韓国に、そのクローンの作成を業務とする企業が存在しています。

もちろん、その額は決して安いものではありませんが、

実際海外の資産家の中には、愛犬の細胞からクローンを作り出す依頼をしている方もいるようです。

こういった技術は、間違いなく人間のクローンを作り出す技術の発展にもつながっていきますので、間違いが起きないようにしていただきたいですね。

デメリット

さて、それでは次にデメリットについてまとめます。

まず、クローン人間を作ることの最大のデメリットというか、最も問題視されているのが、

クローン人間を作ることによって、人権が軽視される可能性があるということです。

特に、クローン人間を作ることが容認されると、先ほど上で説明したようなこと(臓器のためのクローン作製など)が起こらないとも言い切れません。

そうすると、クローン人間の人権は軽視、無視されることとなりますから、これは「倫理的」に考えてやってはいけないことでしょう。

当たり前ですが、クローン人間もまた1人の人間として命をもって生まれてきます。

たとえ遺伝情報が同じでも、感じること、考えること、話すこと、それぞれ違うでしょう。

それなのに、そういう命をもてあそぶことはあってはなりません。世界中が犯罪集団になる可能性があります。

そして、最終的にそういうクローンの生産が、

奴隷制度につながる可能性があるということも指摘されています。

AIを発達させて思い通りに動いてくれるロボットを作るより、

現時点では、クローン人間を作り出し、それを思い通りになるように育てることの方が早いと言えますからね。

ただ、そういうメリットは、すべて倫理的な観点からやってはいけないという話に行きつきます。

また、もしもそんなクローンが街にあふれたら、人々は混乱するということは容易に想像がつきます。そして、社会的な生活は崩壊するでしょう。

映画や小説ではありそうな話ですが、ただ実際の可能性としてほぼ皆無でしょうね。

もしもクローン技術が数百年前に誕生していたら

人間は、成長の仕方次第でなんにでもなれるという訳ではありません。

というと怒られそうですが、人によって向き不向きがあり、ある程度の能力は、遺伝的に決まってくるというのはほぼ間違いのないことでしょう。

と言ってもそういう部分を埋めるために行うのが努力であり、たいていのことはその努力で克服できますが、

例えば、日本人は短距離走でなかなか黒人選手には勝てません。これはもはや疑いようのない事実です。

人間は、黒人も白人もDNAの99.9%は皆同じですが、その0.1%のさらにどこか一部に、

そういった俊敏性などに関するプログラムにおいて重要な部分がおそらく隠されているのです。

そして、もしも今回お話ししたようなクローン技術が数百年前に誕生していたとしたら、

戦争が盛んに行われていた時代では、絶対に誰かが優秀な兵士のクローンを大量に作り出そうと考えたことでしょう。

まあ、もしそんな天才という言葉では片づけられない人間がその時代に1人でもいれば、その国が世界を統一していただろうと思いますが、

そういうSFの世界であり得そうな話が、実際に再現できるところまで人間の技術は進歩してしまっています。

この先、このクローン技術がどのように利用されていくのかはわかりませんが、

クローン軍を作り出す人間はいなくとも、クローン人間を作ってしまう日はいつか来るかもしれません。

医学の進歩のためにもクローン技術の研究自体は非常に重要ですが、常にそういうリスクをはらんでいるというのが怖いですね。

こちらの記事はいかがですか?⇒【2018】地球以外で人間が住める星はどこ?

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