※毒を持つ希少な哺乳類を紹介!毒を持たないものが多いのはなぜ?

この地球には現在、を持つ生物が非常に沢山存在しています。

どの程度までを「毒を持つ」と定義するのかにもよりますが、例えば日本にも広く生息する毛虫レベルのものまで含めれば、その毒を持つ生物の量は数えきれないくらいの多さになってしまいます。

また、中には人を死に至らしめるような強い毒を持つ生物もいます。

特に、猛毒を持つ生物というと「カエル」などを思い浮かべる方もいると思いますが、事実カエルの中には人を死に至らしめる猛毒を持つものも何種かおり、毒を持つカエルはその多くが、天敵に対する警戒色として鮮やかな色を発しています。

日本でも、蛇や虫などにはしばしば毒を持つものがいることは皆さんご存知だとおもいますが、

そういえば、あまり毒を持つ哺乳類については耳にしたことがないという方が多いのではないでしょうか?

そこで今回の記事では、毒を持つ哺乳類についてご紹介しますとともに、なぜ哺乳類は毒を持たないものが多いのかということについて詳しくまとめていきたいと思います。

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目次

毒を持つ哺乳類とは?

我々の身の回りにはあまり毒を持つ哺乳類は存在していませんが、世界を見渡してみるとそこには確かに毒を持つ希少な哺乳類が存在しています。

毒を持つ哺乳類としては以下のようなものが挙げられます。

カモノハシ

カモノハシは、オーストラリアの河川や沼地に生息している哺乳類であり、毒を持つ哺乳類として非常に有名な動物です。

後ろ足に毒針を持っており、そこから注入される毒は、犬のような動物であれば時に死に至らしめるほどの強さがあります。

このカモノハシは、哺乳類が誕生した今から2億年以上も前にはすでに我々の祖先とは分化し、独自の進化を遂げてきたとされており、

哺乳類としては大変珍しいですが、卵を産む哺乳類としても知られています。

ただ、卵から孵った子供はやはり母親の母乳で育つため、そういう意味では哺乳類であるというとても不思議な生物です。

ソレノドン

ドミニカやハイチに生息するソレノドンは、モグラ目の中で最大種として知られ、体長は30cm程度あります。

彼らはその唾液に毒が含まれており、下あごの前から2番目の歯の根本の部分にある分泌腺からその毒が出されています。この毒を使い、獲物の動きを鈍らせて捕食しています。

スカンクやゾリラ

スカンクはネコ目スカンク科、ゾリラはネコ目イタチ科の生物ですが、これらの生物は肛門にある腺から強烈な臭いを放つ分泌液を天敵に向かって発射します。

その匂いは非常に強烈であり、それが目に入ると一時的に目が見えなくなってしまいます。

スカンクの放つ悪臭は風向きによっては2km離れていても感じられるとされており、そんなものを至近距離で吹きかけられた時の衝撃は測りしれません…。

嗅覚が優れている天敵に対しては絶大な効力を発揮します。

毒を持たない哺乳類が多いのはなぜか?

実は、原始の哺乳類や、これまでに絶滅してしまった哺乳類の中には、毒を持つものがいくつかいたことが分かっています。

しかし、やはりそれでも毒を持つ哺乳類は、他の爬虫類や両性類に比べれば決して多くはありません。

では、なぜ哺乳類は毒を持たないものが多いのかというと、

これは、その生物の食物連鎖における立ち位置や、そもそもの個体数が大きく関係しています。

まず、私たち人間を含む哺乳類は、食物連鎖において比較的上位に存在しています。

特に、個体の強さでは最強クラスであるネコ科の肉食獣は毒を持ち合わせているものはおらず、毒を持っている哺乳類は、比較的小型で、しばしば敵に食べられてしまうものや、強力な爪や牙などを持ち合わせていない非力なものばかりです。

こういった毒を持つ動物は、毒を作り出したというよりも、その進化の過程で偶発的にできたものが生存に有利だと判断し、それを特性として残すことに成功した種であると言えます。

逆に言えば、大型の哺乳類はその進化の過程でいまだそういった変異に出会えていないか、すでに生存に有利な発達を遂げているために、毒を持つという意味での変異を残すことは見送ってしまった種のものであるとも言えます。

また、例えば両生類、特にカエルの中には毒を持つものが多いですし、昆虫でも毒を持つ種類のものが多いですが、

これらは圧倒的にその個体数が多いというのも1つのポイントです。

哺乳類に関しては現在約4300種類ほどが知られていますが、両生類は世界に6500種類ほどおり、昆虫に至っては現時点で80万種類以上いることが確認されています。

また、毒を持つということは、その「食性」にもヒントが隠されています。

例えば、特に南米に生息している色鮮やかな毒ガエルたちは、その体の中で1から毒を作り出しているわけではなく、我々哺乳類やその他多くの生物にとっては毒となる成分を持つダニやアリを食べ、その毒素を体の中に蓄えています。

もちろん、これらもはじめからその毒を取り入れることができたわけではなく、その進化の過程で毒に耐えれるように変異していったと考えるのが自然です。

また、あのフグが持っている猛毒「テトロドトキシン」も、海の中にいる海洋細菌に由来しています。

テトロドトキシンを作り出している細菌をエビや貝が食べ、

さらにそのエビや貝を食べ始めたフグの中からその成分に適応した種が現れ始め、

結果、それが毒を持つフグへと成長していったというわけです。

そのため、例えば海で捕まえれば猛毒を持つフグでも、幼生から養殖でエサを管理して育てれば、

無毒のフグになります。

このように、その生物が毒を持つかどうかというのは、その食性にもヒントが隠されているのです。

哺乳類だけではなく、鳥類にも毒を持つものが少ないですが、これらは毒を持つという以外の能力を発達させていったものであると言えます。

毒を持つ生物は、非力であったり、逃げ足が遅かったりという点で共通している部分が多いですが、

例えば鳥は飛翔によって天敵から素早く逃避することができますし、強力な力を持ち、鋭い爪や牙を持つものはそもそも毒などいらないのです。

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生物の「本能」のすごさ

生物は、本能的にどうやって自らの種を残すかをまず第一に考えます。

人間のような思考力を持たない生物達がどのようにしてその判断を下しているのか、というところは本当に謎が多い部分ですが、

例えば世界には、絶対にその個体数を残していくために、

17年おきにしか地上に現れないセミなども存在しています。

これは、17年ゼミと呼ばれています。

17年ゼミは、17年間ずっと幼虫として土の中にもぐり、その地域ではその間は一切地上に姿を現さないものの、17年経つとはかったように地上にグループで大量発生し、子孫を残すのです。

もちろんセミなので、人間のような思考力もなければ、カレンダーで日にちを確認したり、時計で測るようなこともありません。

17年という周期を、本能的に理解し、それに合わせて成長しているのです。

虫でさえこのような能力を身に着けるのことができるのであれば、毒を持つということは、ある意味進化の中で起こりうることとしてはそれほど珍しいことではないのかもしれないと感じてしまいますね。

まとめ

今回の記事では、毒を持つ数少ない哺乳類についてご紹介しますとともに、哺乳類はなぜ毒を持たないものが多いのかということについてまとめました。

私たち人間はたったの100年も生きられない人が大半ですが、生物は何百万年、何千万年という時間をかけてゆっくりと進化していきます。

ちなみに、「両生類」の誕生は今から約3億6000万年ほど前にまでさかのぼりますが、

我々哺乳類はまさにこの両生類の中から誕生しました。

両生類の中から「有羊膜類」が誕生し、

有羊膜類から「単弓類」が誕生し、

単弓類から「獣弓類」が誕生し、

その獣弓類から、「哺乳類」が誕生したのです。

ちなみに、最古の哺乳類が誕生したのは今から2億3000万年ほど前のことです。

そこから、徐々に徐々にまた細かい種が枝分かれしていき、さらに6550万年の恐竜絶滅をきっかけに、それまで隠れるように暮らしていた小型の哺乳類たちが爆発的に進化していくようになりました。

この先もまた我々人間を含めすべての生物が進化したり、絶滅したりを繰り返していくわけですが、

果たして、今から1億年後の人間はどのような姿をしているのでしょうか…?

とても気になりますよね(^^)

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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