※水星の大気の成分は?ほとんど大気がない理由を解説!

太陽の周りをまわる8つの惑星のうち、その最も内側に存在する

水星

この水星は、もちろん地球よりも太陽の影響を強く受けるため、

よく日が当たるような場所では、その地表の温度は時に400℃以上にも達します。

ただ、そんな温度が高くなるような場所も、1年を通してずっと暑いわけではありません。

何故なら、水星にはほとんど大気が存在しないため、保温効果を得られないからです。

いわば、熱されやすく冷めやすい星、それが水星です。

では、どうして水星には大気がないのでしょうか。

今回はその水星の大気がない理由と、その成分について詳しく解説します。

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目次

水星の大気の成分は?地球との比較を解説

水星には、本当にわずかながらにですが、一応大気は存在しています。

では、その大気の成分はどうなっているのか、

地球と比較しますと、

地球の大気

大気圧101.325kPa
窒素78.08%
酸素20.95%
アルゴン0.93%
二酸化炭素0.038%

水星の大気

大気圧10−10 Pa~10−7 Pa
酸素42%
ナトリウム29%
水素22%
ヘリウム6%
カリウム0.5%

となっており、その成分には大分違いがあります。

ちなみに、地球の大気中には上の表に示したもの以外に、水素やヘリウム、メタンなども含まれていますが、全体に対する割合からすると本当にごく少量で、無視しても良いレベルです。

また、地球と水星ではその大気の成分に大きな違いがみられますが、

その大気圧を見れば明らかなように、水星にはほとんど大気が存在していませんので、単純な比較を行うことはできません。

また、水星にはほとんど大気が停滞せず。その一部は絶えず宇宙へと逃げていくため、その大気圧も安定していません。

水星に大気がない理由とは?

その大気圧の低さからもわかりますように、水星にはほとんど0と言って良いほど大気がありません。分かりやすく言うなら、地球の1兆分の1程度の大気しか存在していないのです。

しかも、その大気の量と組成は安定しておらず、絶えず流動的に変化しています。

では、なぜ水星にはほとんど大気がなく、その量などが変化しているのかというと、

その理由は主に

太陽風」と「重力」にあります。

太陽風の影響について

まず太陽風とは、太陽から吹き出している極めて高温で電離をした粒子のことであり、太陽からは毎秒100万トンもの質量が放射され、それは太陽系の各惑星にも少なからず影響を与えています。

この太陽風は、地球に到達する時点で平均秒速450kmにも達し、

その太陽風があのオーロラ現象のエネルギー源となるのです。

そして、地球よりもさらに近距離、

わかりやすく言うと3分の1ほどの距離にある水星はさらにその太陽風の影響を強く受け、

それは、少なからず大気を吹き飛ばし、その成分を変化させる理由となっています。

そもそも水星の大気に多く含まれる水素やヘリウムは、太陽風に含まれるものを水星の磁場が捕捉したものであると考えられており、太陽由来の成分がその大気中の主な成分の1つとなっているのです。

つまり、水星は太陽風の影響によって大気が少ないというのも確かにそうなのですが、もし太陽が無くなればその大気はもっと薄くなり、その希薄な大気すら存在することができなくなってしまう可能性があります。

では、どうしてそこまで水星には大気がないのかというと、

その最も大きな理由が、重力の弱さです。

重力の影響について

私たちは普段、この地球に重力があるおかげで地表に立つことができていますが、

実はこの重力は、その星を囲う大気をとらえ、とどめておく役割も担っています。

しかし、水星はその質量が少なく、それに比例して重力もさほどありません。

地球の重力を1とするなら、水星の重力はわずか0.3770しかないのです。

その結果、水星はその大気を星の周りに留めておくことができず、

地表は宇宙空間に対してほぼむき出しの状態となってしまっているのです。

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大気がないとどうなるのか?

星に大気がないとどうなるのか、考えてみるといくつかそのデメリットが浮かんできますよね。

まず、そもそも生命は住むことができませんし、温室効果も得られないことから、日が当たらなければそこはすぐさま極寒の地に変化してしまいます。

また、紫外線などの影響を強く受けることになり、たとえそこに酸素マスクなどをもって生活したとしても、しっかりとした防護服などで紫外線をカットしなければ、癌などの発症リスクが劇的に高くなります。

ただ、大気がないことによってかなり怖いと感じるのが、

宇宙空間から無数にやってくる

隕石」の存在です。

実は、地球には年間数千個~数万個もの隕石大気圏へと突入してきていますが、その多くは大気に突入して間もなく燃え尽きてしまうため、それが陸地に落ちてくるということは稀です。

では、なぜ隕石は燃え尽きてしまうのかというと、隕石は例え手で持てるくらいのサイズであっても、その速度は秒速数十kmにも達する速度で落下してくるのですが、

そういったものすごい速度で質量を持つものが大気中を進むと、大気が瞬間的に押しつぶされ、そこに膨大な熱が発生するのです。その温度は、数千度~数万度にも達します。

その結果、隕石は大気中を数百kmと進むうちに消えてしまうのですが、

大気がもしなくなると、そのような防御機構を果たすものがなくなるので、言わずもがな地球には無数の隕石が年間を通して何個も降り注ぐことになり、

例え手のひらサイズでも、当たれば即死は免れられません。

水星にも無数の隕石クレーターが残っていることが確認されていますが、これはその大気の薄さが大きく関係しているのです。

まとめ

今回の記事では、水星の大気の成分に関する情報と、大気がない理由について解説しました。

大気は、温室効果や生命に酸素を供給する以外にも、実は非常に多くの役割を担ってくれています。

そのため、もし水星が太陽から離れた場所にあったとしても、その重力の弱さから大気をとどめておくことができないため、住むことは困難なようです。

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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