【2018】水星に向かう探査機、なぜ着陸が難しいのか?

私たちが住んでいる地球は、

太陽の周りを周回する

  • 水星
  • 金星
  • 地球
  • 火星
  • 木星
  • 土星
  • 天王星
  • 海王星

という計8つの惑星のうちの1つですが、

その太陽系の惑星の中で最も太陽に近い場所に位置している水星は、いまだにその調査が十分に進んでいるとは言えません。

そもそも水星は、太陽に近いということもあって、私たち人間が住むのに適した環境ではなく、

そのため、人類がもしかしたら住むことができるかもしれない火星などと比べると、その探査の優先度は低いので、長らく十分な探査が行われてこなかったのです。

ただ、最近ではその太陽系の誕生の過程を探ろうとする研究も進み、その水星の誕生に迫る研究も重要なものとなってきました。

そのため、今年2018年10月にも、2基の探査機の打ち上げが予定されているのですが、

実はこういった探査機は、水星に着陸することが非常に難しいという問題も抱えています。

そのため、この2機もまたその着陸を目指したものではなく、その周りを周回しながら探査を行うだけです。

では、どうして水星に着陸することはそれほど難しいことなのでしょうか?

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目次

探査機を用いた過去の水星調査について

水星はその探査がまだあまり行われていないと言いましたが、

これまでに2つの探査機がその特徴を調査すべく水星へと向かいました。

その1つが、1973年の11月3日に打ち上げられた

マリナー10号」です。

このマリナー10号は、金星と水星の大気、地表、物理的性質などを調査すべく地球を出発した探査機であり、

合計3回にわたって水星の近傍を通過しました。

その3度目の接近となる1975年3月16日には、327kmにまで接近したのです。

ただ、このわずか8日後の1975年3月24日に、燃料が切れたことによってマリナー10号との通信は打ち切られ、マリナー10号は今も太陽の周りを人口惑星として周回しているものと考えられています。

しかしながら、この3度の接近でも、マリナー10号はその表面全体の45%程度しか撮影できませんでした。

それでももちろん有益な情報を提供してくれたことには間違いなく、このマリナー10号のおかげでその表面温度の変化などについても観測することができましたが、水星の大まかな物理学的性質しかわからなかったため、さらなる調査が待たれることとなりました。

そして、その後水星をさらに詳しく調査すべく宇宙へと飛び立ったのが、

メッセンジャー」という探査機です。

このメッセンジャーは2004年の8月3日に打ち上げられ、

2015年5月1日にその役目を終え、水星の表面に落下しました。

このメッセンジャーはおよそ6年半という期間をかけ、史上初めて水星の周回軌道に入ることに成功します。(マリナー10号は水星の近傍を通過しただけです。)

その後、メッセンジャーは4年間で水星を4105周し、その結果水星表面の95%以上の画像を作成するのに十分なデータも得ることができました。

また、水星は太陽に近いことなどから、その表面の平均温度は約180℃にもなるものの、

極地のクレーターの底にはなんと氷が存在することもメッセンジャーの探査によってわかり、研究者を驚かせました。

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水星に探査機が着陸することはなぜ難しいのか?

最終的に、メッセンジャーは水星の表面に落下しましたが、

きちんとその表面に着陸し、探査を行った探査機はいまだにありません。

また、2018年の10月にその打ち上げが予定されている、

  • 水星磁気圏探査機 :MMO
  • 水星表面探査機  :MPO

の2機も、水星に着陸する予定はなく、周回軌道に乗せる予定となっています。

では、なぜ水星に探査機が着陸することは難しいのかというと、

その大きな理由となっているのが

太陽の影響」です。これがほぼすべてと言っても過言ではありません。

まず、水星は地球よりも太陽に近いため、

水星に近づくということはその太陽にも近づくということを意味していますが、

その結果、徐々にその太陽がもつ重力の影響によって探査機が加速してしまい、これを減速させようとするにはかなりの燃料を必要とします。

そのため、実は水星の周回軌道に乗せることすらかなり難しく、費用が掛かるものなのです。

ちなみに、太陽の重力は水星の重力の74倍もあるため、ただ水星にむけて探査機を飛ばすだけでは、周回軌道に乗ることができずに水星の横を通り過ぎてしまいます。

また、水星にはほとんど大気が存在していないため、その大気を利用し、パラシュートなどを使って減速することもできません。

止まるには逆噴射ロケットが必要になりますが、それは言わずもがなコストがかかりますし、探査機そのものの軽量化なども視野に入れて十分な計画を立てなければならず、

もし失敗すれば、莫大な費用を無駄にすることになってしまいます。

そのため、いずれは水星にも着陸できるような探査機を作る計画が立てられることとなりますが、今はまだその段階ではないのです。

まとめ

今回の記事では、過去の水星探査に関する情報や、探査機が水星に着陸することが難しい理由について解説しました。

水星の探査が難しいことは、その重力の影響などもさることながら、太陽から放射される放射線や、そもそも熱への対策を講じなければならないことも大きく関係しています。

もしかすると、遠い未来では水星にもいくらかの人間が移住しているかもしれませんが、

現状から考えると、それは本当に本当に遠い未来のこととなりそうです。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

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