水がないにも関わらず
「水の星」と名付けられてしまった水星。
これは、そもそもまだ人類が地球以外の星についてよく知らなかったころに、
この世は「木火土金水」という5つの元素から成り立つという
「五行思想」の考え方から、
水星を、水を司る星と定めてしまったことがその理由です。
ですが、水星はその平均表面温度が180℃にもなる灼熱の星であり、
その色は、月と同じような灰色をしています。
しかしながら、ネット上にはこれとは異なるような色をした水星の画像も出回っているため、
どれが本当の色なのかよくわからずに、ここに来てくださった方もいると思います。
そこで今回の記事では、水星は何色なのか、なぜ他の色をした画像があるのかということについて詳しく解説します。
水星の色は何色なの?
水星は地球に比べるとかなり小さく、それゆえに重力も地球の3分の1程度しかありません。
すると、水星はその重力で大気を引き付けておくことができず、
実は、水星にはほとんど0と言って良いほど大気がありません。
宇宙空間に対してほぼむき出しの状態であり、過去にできた隕石クレーターなどが風化などで消えることもないため、ほぼそのまま残っています。
そして、そんな水星の表面には、灰色っぽい色に見える斜長石や頑火輝石、砂が覆っているため、全体として灰色っぽく見えます。
一方ネット上には、以下の画像のような実に美しい色をした水星の画像が出回っていますが、
これは紛れもなく水星の画像ですが、その正体は水星の地表の特徴をはっきりとさせるために着色されたものなので、実際に肉眼で見る色とは異なります。
火星はなぜ赤いのか?
では、他の惑星は何色なのか?と考えた時、
地球は水があるので宇宙から見ると青く光って見えますが、
火星は、水星とも地球とも違って、赤っぽく見えますよね?
これは、火星の表面には「酸化鉄」を多く含んだ岩や土が沢山存在しているために、全体として赤っぽく見えています。
酸化鉄とは、わかりやすく言うとサビのことです。
金属がサビると、赤っぽくなるのはおそらく皆さんも見たことがありますよね?
いわば、火星は全体的にサビてしまった星なのです。
水星には「氷」が存在している
記事の冒頭で、水星はその平均表面温度が180℃にもなる灼熱の星であり、水はないと説明しました。
実際、水星には流動的に流れるような、地球で見られるような水は存在していません。
しかし、過去に水星の近くを飛んだ探査機から得られたデータによって、
驚くべきことに、水星には氷が存在しているという事実が明らかにされました。
実は、水星は確かに灼熱の星なのですが、
その極地付近のクレーターの底には、絶対に日が当たらない場所があり、そこには氷が存在していることが観測によって明らかにされたのです。
また、そのように水星にも場所によっては温度に大きな変化がありますので、
我々人類も、理論的には、極地付近であれば生活することが可能です。
まとめ
今回の記事では、水星は何色なのか、なぜ本来の色ではない色の画像が出回っているのかということについて解説しました。
ちなみに、我々にとって最もなじみ深い星といえば、
それはおそらく太陽と月のことを言いますが、
月は、しばしば黄色く見えたり、オレンジ色に見えたりすることがありますよね?
これは、その月が今どの高度にあるのかということが大きく関係しており、高度が低い場合には、よりオレンジに近い色に見えてしまいます。
そしてこれは、その月の高度の違いによって、
人と月の間を結ぶ直線の間の大気の厚さが変化してくるのがその理由です。
これがどういうことかというのは、以下の画像を参考にしてください。
地上の人間からすると、月が真上に来たときが最もその大気の厚さが薄くなります。
そして月が反射した光は、空気の層を通る途中で散乱してしまい、
より長い層を通るほど、青っぽい光はどんどん散乱してしまいます。
その結果、波長の長いオレンジ色の光のみが遠くまで届き、
私たちの目にも、月の高度が低い時には、月自体がオレンジ色に見えてしまうのです。
しかし、そんなオレンジの月も、高度が上昇するにつれて、どんどん白っぽい色に変化していきます。
地球から見ると、星の色は大気の影響も受けてしまうのですね(^^)
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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