\ 2023年3月26日まで /
【徹底解説】火星ってどんな星?
太陽の周りには、地球を含む計8つの惑星が存在していますが、
その地球の1つ外側に存在しているのが、
今回お話しする「火星」です。
人類は、1969年に初めて月面着陸に成功しましたが、
それから約半世紀がたった今、人類が次にその到達を目指しているのがこの火星で、
早ければ、2030年代には世界初の火星着陸が実現する見込みとなっています。
非常に楽しみな話ですが、
隣の惑星であるとはいえ、
「そもそも、火星ってどんな星なの?」
という方も意外といるのではないかと思いますので、
今回は、その火星がどんな星なのかを、地球と比較しながら詳しく解説していきたいと思います。
火星ってどんな星?まずは地球との比較を見てみよう!
火星がどんな星なのかを知るためには、
まずは私たちの住んでいる地球と、どのくらいの違いがあるのかという部分を知ることが大切です。
火星は、地球人が今後他の惑星に移り住むことになった場合、その第一候補として挙げられている惑星なのですが、
しかしながら、緑や海が広がる地球と比べると、火星の環境はとても地球に近いとは言えません。
ということでまずは、以下の表を参考に地球と火星の違いを確認してみてください。
地球 | 火星 | |
直径 | 12,742 km | 6,779 km |
質量 | 59.7×10^23 kg | 6.4×10^23 kg |
重力 | 9.81 m/s² | 3.71 m/s² |
気圧 | 1気圧 | 160分の1気圧 |
表面温度(平均) | 15℃ | マイナス63℃ |
自転周期 | 23時間56分 | 24時間37分 |
公転周期 | 365日 | 687日 |
この表で特に注目していただきたいのが、
火星は地球に比べると、重力が地球の約3分の1くらいしかないということです。
その他にも、気圧が低かったり、温度が低かったりという違いがあるのですが、
実はこれにも、その重力の弱さが大きく関係しています。
火星が第二の地球になれなかった理由とは?
宇宙が誕生したのはおよそ138億年前といわれていますが、
それからしばらくして、この宇宙に太陽が誕生し、
その後、その周りを周回していた岩石達がぶつかり、混ざり合って、
私たちの地球や、火星は誕生しました。
これが、約46億年前のことです。
そして実は、その誕生初期の火星では、
今よりも温暖な気候が保たれており、
なんとそこには、地球と同じような海が存在していたと考えられています。
地球の生命は、地球の誕生から約8億年後に生まれたと考えられているのですが、
もし火星が同じような環境であったならば、火星にも地球と同じような生態系が築かれていてもおかしくありませんよね?
しかし、そうはなれず、逆に火星が冷え切った星になってしまったのには、
その火星の「重力の弱さ」が大きく関係していたのです。
というのも、地上を覆う大気は、最初は火山活動で噴出するガスなどから生成されていたのですが、
それが終わると、あとはその大気をいかに地表に留めておけるかがカギになります。
皆さんご存知のように、宇宙には大気がありませんから、宇宙から大気が入ってくることはないのです。
しかしながら、火星は重力が弱すぎたため、
その大気は次第に地表を離れ、宇宙空間へと流出してしまいました。
私たちは普段、大気の重さというものをひしひしと感じることはありませんが、
大気を構成する成分にもちゃんと重さがありますので、それを天体が持つためには重力が非常に重要なのです。
そして、何億年と経つうちに次第に大気を失っていった火星は、
それと同時に、大気による温室効果も失いました。
つまり、太陽からエネルギーが注がれても、それを熱としてとらえておくことが出来ないのです。
そのため、次第に火星は段々と冷えていき、
大量にあった水の多くは固体となり、地下に眠っていると考えられています。
火星が赤い理由とは?
火星がどんな星なのか、ということについてはこれで大体わかっていただけたかと思いますが、
火星を見た時に、
「なんで火星は赤いんだ?」
と思う方は少なくないと思います。
火星は古くから赤い星として観察されていたことが知られており、
その赤い色が戦火や血を連想させることから、数千年のメソポタミアの時代に
戦の神「ネルガル」の名前が与えられ、
それ以来、火星には戦の神の名前が各文明で与えられてきました。
今火星が「マーズ」と呼ばれているのも、
ローマ神話における戦の神「マルス(mars)」の名前に由来しているのです。
そしてそんな火星が赤いのは、その地上に存在する砂や岩が赤く見えるためであり、
これらは「酸化鉄」を多く含んでいるために、全体として赤く見えています。
酸化鉄とは、簡単にいうと赤さびのことです。
ちなみに、アメリカ南西部にあるコロラド高原には、まさにその酸化鉄を多く含む砂や岩が広がる地域があります。
もし火星に豊富な大気が存在し、青い空を見ることが出来るなら、
まさにこのコロラド高原のような景色だったかもしれません。
まとめ
今回の記事では、火星はどんな星なのかということについて詳しくまとめました。
火星は、今は地上に昔のような海はありませんが、
実はその地中には、今も液体としての水が存在している可能性があることがこれまでの調査の結果わかっています。
そのため、もしかしたら過去に火星では生命が誕生しており、それが今も地中にいる可能性があるため、
そういう意味でも、火星への人類到達というのは、非常に楽しみなイベントなのです。
最初にも申し上げましたが、これは2030年に実現する可能性があるため、
皆さん、是非その日を楽しみに待ちましょう(^^)!
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
こちらの記事はいかがですか?⇒【解説】火星に到達するまでにかかる時間は?