蚊に刺されると、その部位にかゆみが生じるというのはもはや誰もがご存知のことですが、
そういえば、なぜかゆくなるのか改めて考えたことはなかったという方も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、蚊に刺されによるかゆみは、
蚊が血を吸う際に体内に注入する血液の凝固を防ぐための成分と、
刺したことが気づかれないようにするための麻酔成分
を含んだ「唾液」に対する体のアレルギー反応によって起こります。
ということで今回の記事では、その詳しいメカニズムについて解説しますとともに、お湯を使ってかゆみを抑える簡単にできる方法などについてご紹介します。
蚊に刺されると、なぜかゆみが生じるのか?
蚊に刺されてしまうとなぜかゆみが生じてしまうのかということについて、その簡単なメカニズムは先ほどご説明した通りですが、
ここで衝撃の事実を1つ紹介しますと、なんと蚊は、血を吸う時には計6本もの針を使って巧みにその血を吸い上げています。
まるで1本のように見えていたあの蚊の針は、分解すると6本になっているというのです。
上の写真に映っているのは、夏になると出没する「ヒトスジシマカ」です。特に外出した際に蚊に刺された場合、それはヒトスジシマカの可能性が高いので、もし腕にくっついている蚊を見つけたら、縞々模様になっているかよく見てみてください。
さて、話を戻しますと、蚊はその計6本のうち
- 2本を皮膚を切り裂くのに使い
- 2本を皮膚を支えるのに使い
- 1本を血液凝固を防ぐ成分や麻酔成分を注入するのに使い
- 1本を血液を吸うのに利用します。
以下の動画を見ると非常にわかりやすく解説されています。ただし、虫が苦手な方は閲覧注意です。
そして、蚊に刺されによるかゆみは、この蚊が血を吸う際に体内に送り込む成分が体内に残ってしまうことにより、その成分を異物であると判断した体が、それを追い出そうとしてヒスタミンを放出させることによって起こります。
具体的には、そのヒスタミンの作用によって刺された部位の血管が拡張し、これがいわゆる赤い「腫れ」の原因となり、その拡張した血管はかゆみを生じさせる神経を刺激するため、それが脳へと伝わり、人はかゆみを感じるのです。
ただ、かゆい場所はかけば少しの間そのかゆみが落ち着きますが、これは痛みの神経回路が一時的にかゆみの神経回路を遮断するためであるということがわかってきています。
なので、「かく」という行為はまさにその場しのぎにしかなりません。本当の意味でかゆみを抑えたいのであれば、抗ヒスタミン薬などを利用するのが一番です。
と言っても、ついついかいちゃいますよね…笑
かゆみを抑える方法!お湯を使えばかゆみを抑えられる?
ただ、朝起きた時にいつの間にか蚊に刺されていたものの、家にそういったかゆみを抑える薬がないという時もあるでしょう。
そんなときは、なんと「お湯」を使うだけでそのかゆみを多少抑えることができるといわれていますので、是非試してみてはいかがでしょうか?
その具体的な方法としては50℃近いお湯で蚊に刺されてかゆみが生じている部位を暖めるだけです。また、お湯ではなく濡らした後に熱したおしぼりなどを使うのもOKです。
こうすることによって、かゆみの原因となる唾液成分が分解されやすくなり、多少かゆみを抑えることができるといわれています。困ったときには、是非試してみましょう。
蚊に刺さされない対策を行うことが大事!虫よけの仕組みとは?
しかし、このお湯を使った対処法は、効果が出る方もいれば、そうではない方もいるでしょう。
そもそも、科学的により根拠のある製品や、ステロイド薬を使った場合でさえ、なかなかかゆみがおさまらない時もありますよね?
蚊に刺されてしまった場合、それに気づくころには多少かいてしまっている方がほとんどだと思います。しかし、それ以上ひどくしないためにも、蚊に刺されを治すためにはかかないことが重要です。
しかし、そもそもかゆいのは誰だって嫌ですよね?
だからこそ、蚊が増える時期には、その蚊に刺されを防ぐための対策をきちんと行うことが大事です。
蚊に刺されを予防するグッズには色々なものがありますが、その代表的なものといえば、
「虫よけスプレー」や「蚊取り線香」ですよね。
他にも類似の商品、例えば吊り下げておく芳香剤タイプのものや、着るだけで虫よけ効果のある衣類などいろいろなものがありますが、原理的には虫よけスプレーや蚊取り線香の仕組みによってそれらも説明することができます。
例えば、虫よけスプレーにも最近色々な種類が出てきていますけれども、現時点では「ジエチルトルアミド」、通称DEET(ディート)という成分を使った製品がその市場の大多数を占めています。
このDEETは、それを肌や衣類に付着させておくことで、蚊などの虫がその表面に着地するのを嫌がるという性質があります。
まさに「虫よけ」成分と言えますが、しかしこのDEETは汗や衣類のこすれによって比較的簡単に取れてしまうので、もし外に出かけるときには、数時間おきに塗りなおす必要があります。
また、蚊取り線香は「ピレスロイド系」と呼ばれるものに分類される成分を空気中に散布させることにより、それらを嫌う虫を寄せ付けなくする効果が期待できます。
近年登場した、吊り下げておくだけで虫よけ効果を期待できるような製品に含まれている成分も、このピレスロイド系に分類される成分です。以前は蚊取り線香のように燃やすことによってその揮発性を高めていましたが、近年の研究によって、それらを常温でも効率よく揮発させることができるようになったのです。
例えば、そういった製品の中でも良く知られる、ウナコーワから販売されている「虫よけ当番」は、ピレスロイド系に分類される「メトフルトリン」という成分などをその主成分としています。
DEETは空気中に散布させても虫よけ効果を得ることはできず、肌や衣類に付着させておくことが重要ですが、ピレスロイド系成分は空気中に散布させておいても虫よけ効果を得ることができるというのがその大きな違いです。
まとめ
今回は、蚊に刺されによるかゆみはなぜ起こるのか、その理由や、お湯でそのかゆみを抑える方法などを解説しました。
皆さんも経験があると思いますのでご存知だと思いますが、蚊に刺されはかけばかくほど治りが遅くなってしまいます。
ですので、もし刺されてしまった場合は、できるだけかくのを我慢して適切な処置をするようにしましょう。
また、夏になると蚊に刺されを防ぐ防止グッズは必需品です。
ちなみに、タイツのような薄い生地では蚊は問題なく血を吸ってしまいますので、もし物理的に蚊に刺されを防ぎたいのであれば、もっと厚めの生地の衣類を選ぶようにしましょう。