【解説】金星、地球、火星と「ハビタブルゾーン」について!

太陽は、我々の住む地球をはじめとする、計8つの惑星を従えていますが、

その地球の1つ内側には金星があり、

1つ外側には、火星があるということについては皆さんご存知ですよね!

↓左から、金星、地球、火星

ただ、どちらも地球から見れば隣の惑星ですが、

地球から月までの距離に比べると、この2つの惑星までは100倍以上も離れており、

実際、この距離感が惑星の環境に与える影響というのは決して小さなものではありません。

そしてここで重要になってくるのが

ハビタブルゾーン

という考え方であり、

これは

宇宙の中で生命が誕生するのに適した環境と考えられている天文学上の領域

と定義されています。

簡単に言えば、

太陽に近くもなく、遠くもなく、

生命が誕生するためにちょうど良い領域ということです、

ハビタブルゾーンは「ゴルディロックスゾーン」とも言います。

そこで今回の記事では、

その金星、地球、火星とハビタブルゾーンの関係について解説いたします。

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目次

金星、地球、火星の軌道とハビタブルゾーンについて

ハビタブルゾーンとは、

「住むことが出来る」という意味を持つ「Habitable」と

「領域」を意味する「Zone」を合わせたもので、

日本語では、「生命居住可能領域」と呼ばれます。

私たちの住んでいる地球は、今現在多様な生命が誕生していることからもわかりますように、そのハビタブルゾーンの中に入っています。

一方、地球の隣にある金星はそのハビタブルゾーンに入っているとはいえず、

火星は、最も小さい推定値内には入っていないものの、広く見積もった場合のハビタブルゾーンには入っているという現状にあります。

また、金星、地球、火星のような「惑星」ではなく、

「準惑星」という分類に属する「ケレス」も、広く見積もった場合のハビタブルゾーンには含まれています。

詳しくは上の図をご参照ください。

ハビタブルゾーンにはどんな意味があるのか?

このハビタブルゾーンという考え方が、それほど意味のあるものなのかというのは、正直疑問がわく方も多いのではないでしょうか?

現時点で生命が誕生した確認が取れていない星を、単にハビタブルゾーンの外であると定義しており、それ以上でもそれ以下でもないからです。

火星は特にそうですが、地球のような多様な生態系が誕生していないというところから、狭い推定値からはギリギリ外れており、

火星には過去に生命が誕生していた可能性があり、

今ももしかしたらいるかもしれない、

今後住める可能性があるという意味では、広く見積もったハビタブルゾーンには含まれています。

もちろん、単純な現状を見ているわけではなく、

太陽(恒星)からの距離、そこから注がれるエネルギー量等をもとに、計算から導き出された範囲内のことを言っているのですが、

結局このハビタブルゾーンが意味するところは、

我々の住む地球はちょうど良い大きさの天体であり、

かつ太陽と非常に良い距離感を保っていたために、

生命が誕生し、進化することが出来たということです。

ですが、金星が明らかにハビタブルゾーンの中に入っていないということは、金星の特徴を知ればよくわかります。

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金星とハビタブルゾーンについて

実は金星には、かつて惑星誕生初期には地球と同じような豊富な水、すなわち海が存在していたと考えられています。

しかも、金星は地球と同じくらいの重力を持っており、

その特徴だけを見れば、地球と同じような星に成長してもおかしくありません。

しかし、金星が「第二の地球」となりえなかったのは、

その金星が、太陽と近すぎるためでした。

というのも、最初こそ金星には海が存在していたのですが、

太陽から注がれるエネルギーによって、その海は次第に蒸発し、

その海水に含まれていた二酸化炭素が、気体となって空気中に放出されました。

すると、その二酸化炭素が温暖化を促進させ、さらに海水が蒸発、

この繰り返しによって、金星はついに水が一滴もない灼熱の星になってしまったのです。

そして、現在その表面温度は460℃にも達し、

空気中に存在する膨大な二酸化炭素によって、

金星の表面で感じる気圧は、地球の表面で感じる気圧の90倍にもなります。

これは、地球の水深900mで感じる圧力に相当します。

地球によく似た特徴を持つ金星が、これだけすさまじい環境になってしまったということからもわかりますように、

これは、金星と地球の間がちょうどハビタブルゾーンの境界になっているということを明確に意味しています。

地球も、もしもっと内側を公転していたら、金星と同じような運命を辿っていたのかもしれません。

火星とハビタブルゾーンについて

火星がハビタブルゾーンの中に入っているかどうかというのは、判断は難しいところです。

現状では、最も狭い推定値には入っていないものの、最も広い推定値には入っているという中途半端な位置にあるのですが、

火星は現在、その地表の温度は平均してマイナス60℃にもなる極寒の地であるものの、

これは、太陽から遠いためということだけがその理由ではないのです。

例えば、もし地球が火星の位置にあったとしたら、

今ほど豊かな生態系が築かれていたかどうかはわかりませんが、生命が誕生していた可能性は大いにあります。

では、なぜ火星ではダメなのかというと、

これは、火星の重力が関係しています。

というのも、実は過去には火星にも海が存在し、豊富な大気が存在していたと考えられているのですが、

火星の重力は地球の約3分の1程度しかないため、

その大気を地表に留めておくことが出来ず

その後、46億年という長い年月が経つうちに、大気は少しずつ宇宙空間へと流出してしまったのです。

すると何が起きるかというと、

この場合は、金星とは全く逆で、太陽からのエネルギーを温室効果で閉じ込めておくことが出来ないため、

火星の表面温度はみるみる下がっていってしまったのです。

また、火星は寒い星と思われがちですが、その赤道付近では温度が20℃に達するような場所もあります。

ただ、その熱もすぐに逃げてしまうため、火星は非常に冷めやすい星なのです。

なので、もし今の金星と火星が逆の位置にあったとしたら、地球のように生命が誕生していた星は2つになっていたかもしれません。

そのため、火星は太陽からの位置という意味では、ハビタブルゾーンから絶対に外れているとは言えないものの、

その重力の弱さが理由で、温暖な気候を築けず、生命が多様に進化しうる天体にはなりえませんでした。

まとめ

今回の記事では、金星、地球、火星とハビタブルゾーンの関係について詳しく解説しました。

今回の記事の内容からわかることは、

地球は確実にハビタブルゾーンの中に存在し、

しかもその大きさ、重力も、生命が誕生するためには非常に良い条件だったということです。

逆に、金星と火星はそうなれなかった残念な星なのですが、

もし今後地球人が移住できるとすれば、それはより太陽の影響が少ない火星です。

太陽の光は、生命が生きていくためには欠かせないものですが、

それが強すぎると金星のようになってしまうので、沢山エネルギーがそそがれれば良いというものではありません。

逆に火星は地球に比べると注がれるエネルギー量は多少小さくなりますが、それでも0ではないため、それを利用することは可能です。

ただ、火星には重力が弱いという本質的な問題があるため、

現状火星を地球のような緑豊かな大地にテラフォーミングすることは不可能であるとされています。

しかし、シェルターなどを築いて生活することならできるため、これはあと数百年後、数千年後には実現しているかもしれません(^^)

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!

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