【解説】金星に海や水は存在するの?

太陽は、地球を含め計8つの惑星を従えていますが、

そのうち、地球から最も近い場所にあるのが、

今回お話しする「金星」です。

しかも、この金星は地球とほぼ同じ大きさと質量、及び重力を持ち、

かつ、地球の隣ということで、

かつてはこの金星にも、地球と同じような自然が広がっているのではないかと考えられている時期がありました。

そして、今この記事をご覧になってくださっている方は、

地球と同じような自然とはいかないまでも、

金星に海や水は存在しているのかどうか、

というあたりが気になってこちらの記事をご覧になってくださったのではないかと思いますが、

ただ、結論から言えば、

金星には、まったくと言っていいほど水は存在していません。

それどころか、

金星の表面は平均して460℃以上にもなる灼熱の星なのです。

そのため、地表に水もなければ、大気中にも水分はほとんどありません。

しかし、実は今よりはるか昔、金星が誕生して間もないころには、金星にも海が存在していた可能性があるとされています。

では、何故金星はカラカラに乾いた灼熱の星になり、

第二の地球」にはなれなかったのか、

今回の記事で詳しく解説いたします。

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目次

金星に存在した海や水はどこへ消えたのか?

金星は、今でこそカラカラに乾いた惑星ですが、

今から40億年以上前、金星ができて間もないころには、

この金星にもが存在していた可能性があるとされています。

しかし、地球には今もその海が海として残っていますが、

金星の海は、その後徐々に蒸発を始め、ついに1滴もなくなってしまいました。

その金星の海が蒸発を始めてしまった理由は、

やはり、地球よりも太陽に近い場所に存在することにあります。

地球よりもより太陽の熱の影響を受ける金星では、その海の水がだんだんと蒸発し、

さらに、その海水に溶けていた二酸化炭素が空気中へと放出され、これが温暖化を促進させました。

こうして、温度上昇が長年にわたって続いた結果、ついに海は蒸発し、水はなくなってしまったのです。

また、その水は水蒸気となって高層大気に運ばれた後に、太陽の光に含まれる紫外線によって水素と酸素に分解され、

その水素のほとんどは宇宙空間へと逃げて行ってしまったと考えられています。

そのため、金星には液体としての水もない他、水蒸気すらもほとんどないのです。

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金星大気の組成について

金星は、水や水蒸気こそほとんどありませんが、

実は、大気自体は豊富に存在しています。

まず、星が大気を持つうえで最も重要なのは

重力」であり、

その重力が小さすぎると、星は大気をその表面に留めておくことが出来ず、大気は段々と宇宙へと逃げて行ってしまいます。

そのため、例えば重力が地球の3分の1程度しかない

「水星」にはほとんど大気が存在しないのですが、

地球と同等の重力を持つ金星には、豊富な大気が存在しています。

(水素が宇宙へと逃げて行ってしまったのは、水素が軽すぎるためです。)

ただ、金星の大気と、地球の大気の組成は全然違います。

具体的には、金星と地球の大気の組成はそれぞれ以下のようになっています。(主要なもの)

成分金星地球
酸素約20.95%
窒素約3.5%約78.08%
二酸化炭素約96.5%約0.038%
アルゴン約0.007%約0.93%
水蒸気約0.002%約1%

この組成で注目していただきたいのは、

赤で色付けした「二酸化炭素」と「水蒸気」の組成の違いです。

特に二酸化炭素は、地球の場合は、全体に占める割合としては非常に少ないというのが分かりますが、

金星は、その大気の成分のほとんどが二酸化炭素で、

これが尋常ではないほどの温室効果をもたらしています。

そのため金星は、実は金星より太陽に近い水星よりも暑い星なのです。

また、その二酸化炭素を主とする大気による大気圧がすさまじく、

金星の表面で感じる気圧は地球の90倍にもなり、

これは、地球の水深900mで感じる圧力に相当します。

つまり、金星の表面は、暑い上にすさまじい圧力を受ける場所なので、

とても人間が足を踏み入れることができるような場所ではありません。

せっかく重力は地球とほぼ同じなのに、下からの力ではなく、上から押しつぶす力によって、

金星の表面に降り立てば、たちまち私たち人間は死んでしまいます。

まとめ

今回の記事では、かつて金星に存在した可能性のある海、水に関する情報と、

その金星がどのような星なのかということについてまとめました。

金星は、地球より内側をまわっていますので、

その公転こそ、225日という地球よりも100日以上早く回ることが出来ますが、

実は、地球は24時間で1周自転を行うのに対し、

金星はなんとその自転に243日もかかります。

つまり、公転よりも遅いのです。

しかも、金星の自転はそれだけ遅いにも関わらず、

奇妙なことに、その金星の上空には、

その自転速度からは説明がつかない、

時点速度の60倍以上にもなる風が吹いており、

これは「スーパーローテーション」と呼ばれ、今もなお金星最大の謎といわれています。

金星は地球に最も近い惑星とはいえ、実はまだまだ分からないことだらけなんですね。

ただ、今はまだ地球の二酸化炭素の割合は金星に比べると少ないですが、

皆さんご存知のように、地球の二酸化炭素の量は年々増えつつありますので、

もしかすると地球の行きつく先は、

まさに「第二の金星」なのかもしれません。

遠い未来の人間が困らないように、なるべくCO2の排出は減らさないといけませんね…!

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)

こちらの記事はいかがですか?⇒日本の「最大の鳥」と「最小の鳥」とは?

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