皆さんは、これまでに「流れ星」を見たことはありますか?
私は以前、たまたまその流れ星が煌めく瞬間を見たことがありますが、
その流れ星とは、数mm~数cmというような小石サイズの天体が、
秒速数km~数十kmというすさまじい速度で大気圏を通過し、
最終的に気体よりもさらに上の形態である
「プラズマ」となって、
発光する瞬間をとらえたもののことを言います。
この場合は、その粒は地上にまで落ちてくることはありません。
しかし、宇宙から落ちてくる天体の中には、
その流星となって燃え切らずに、地球へと落下してくるものがあります。
これが「隕石」です。
では、そんな隕石が地球に落下してくる確率は、いったいどれくらいのものなのでしょうか?
隕石が地球に落下する確率は?
隕石が地球に落ちてくるとなると、それは大変珍しいことのように感じますが、
実は地球には、直径数mクラスの隕石なら、ほぼ毎日のように落下しています。
その数は、年間でなんと「数千個」にもなるのです。
しかしながら、こういった隕石のほとんどは、
大気圏で燃え尽きるか、
人がいない地域や、海などに落下しています。
地球は、その表面の実に約71%が海域なので、たまたま大気圏を抜けてきた隕石が陸地に落ちる可能性は決して高くないのです。
ただ、こういった隕石はもちろん人が住んでいる地域に落ちることもあります。
しかも、ほぼ毎日地球に向かって落ちているということからもわかりますように、
それら1つ1つを観測することは困難であり、
手で持つことができるくらいのサイズの隕石なら、いつどこから落下してきてもおかしくありません。
つまり、落下してきてから、初めてその隕石の存在を知ることになります。
ちなみに、地球に年間数千個と落下する小天体のうち、実際に隕石として人が住んでいる地域で発見されるのは、わずか10個程度にとどまります。
そのため、皆さんが隕石が落下する瞬間を目の当たりにする確率は、限りなく0に近いと言えます。
隕石の落下によって死亡する可能性は?
とはいえ、やはりその隕石が皆さんの頭上に落ちてくる確率は
「0」ではありません。
もしかすると、今この記事を読んでいる間にも、
いきなり天井を突き破って、こぶし大の大きさの隕石があなたを襲う可能性もあります。
ただ、そんな話聞いたことがないという方が大半だと思いますが、
実は今からわずか2年前、2016年の2月に、
インドに住む1人の男性が、不運にも隕石の落下の被害にあい、死亡してしまうという痛ましい事件がありました。
もしこれが隕石であると認められるのであれば、隕石落下による死亡例は史上初めてのこととなります。(1825年にも、隕石の可能性のある落下物による事故が発生しています。)
しかし、2016年の落下物も、ロケットやスペースシャトルの残骸の可能性があり、
こちらも隕石と断定されたわけではありません。
ただそれはさておき、それが隕石だろうと、何かの残骸だろうと、
いきなり頭上から何かが落ちてきて、それが一瞬のうちに人の命を奪ってしまう可能性は0ではないということがこれで証明されてしまいました。
ちなみに、この時落下した物体の重さはわずか11gでしたが、
地面には深さ約1.5mもの穴が開き、周囲の建物のガラスは割れるほどの衝撃が広がったといいます。
それほど小さなものでさえ、宇宙空間から秒速数kmというすさまじい速度で落下すると、それは非常に大きなエネルギーを放つことになるのですね。
ロシアチェリャビンスク州の隕石事故
チェリャビンスク隕石 ついに湖底で発見し引き揚げる。重さ570キロ – http://t.co/bmdyLeTr87
: pic.twitter.com/n5CkfXpp9S— ぜろすぺ~す (@0space0) 2013年10月16日
皆さんは、2013年にロシアで起きた隕石の落下事故について覚えていますでしょうか?
その事件の様子は、日本でもニュースで大々的に報じられましたが、
実はこの時大気圏を通ってきた隕石は、なんとそのサイズは直径17m(大気圏突入前)もある巨大なものでした。
しかしながら、この隕石は周囲の建物の窓ガラスを割り、1200人もの負傷者をだしたものの、
幸いにも、死者は1人も出ませんでした。
これはなぜかというと、その隕石は、幸運にも上空30km付近の場所で爆発し、分裂してくれたのです。
しかしながら、この爆発の際に放出されたエネルギーは
なんと広島に投下された原発の30倍以上にもなり、
それゆえに、数十kmも離れた地上の建物の窓ガラスさえ割れてしまうほどの衝撃が伝わってきたのです。
しかし、もしこの隕石が仮に上空で分裂せずに落ちてきたとしたら、
地上には直径100mもの大きさのクレーターが出来、
おびただしいほどの死者が出ただろうと予想されています。
このように、かなり大きな隕石が人口密集地域に落ちてくることは極めてまれなことですが、
実は、このクラスの隕石でさえ、宇宙の天体からすればごくごく小さなものであり、
実際にそれが地表付近に落ちてくるまで、それを観測することはできません。
ちなみに、この事件の後、チェバルクリ湖で約600kgにもなる隕石の破片が発見されており、
これが人がいる地域に落ちなかったことも、まさに幸運な出来事であったと言えます。
ちなみに、この隕石のもともとの重さはおよそ1万トンほどあったと考えられており、
大気圏を通り抜けた後(爆発直前)には、そのサイズは数m程度にまで小さくなったものの、重さは10トン程度あったと推定されています。
まとめ
今回の記事では、隕石が地球に落下する確率や、実際に過去に起きた事件についてご紹介しました。
宇宙空間にある天体は、実は頻繁に地球に向かって落下しており、
そのほとんどは大気圏で燃え尽きてしまいますが、
純粋な鉄を多く含んだ「鉄隕石」などの中には燃え尽きないものもあり、それが隕石となって地上や海へと落ちてきます。
それが、今日私たちの頭上に落ちてくる可能性は限りなく0に近いですし、
もしそのような被害にあえば、それはもはや運命としか言いようがありませんが、
そういう可能性は0ではないということは覚えておいた方が良いかもしれませんね…!
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