【最新】黒色矮星とは?その温度や、最後に鉄になる仕組みを解説!

私たちの住んでいる地球にエネルギーを供給してくれる「太陽」

太陽なくして私たちは生きていくことはできませんが、

その太陽は、今後遠い未来に、

ただの鉄の塊になってしまうかもしれない

といったら皆さんは信じますか?

ただ、これは本当に永遠ともいえる未来の話なのですが、

その前の段階で、太陽は

黒色矮星(こくしょくわいせい)」

という天体になると考えられています。

今回は、そんな太陽がどのようにして最後を迎えることになるのか、遠い未来の話をしましょう。

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目次

太陽の寿命はあと約50億年

私たちの住んでいる地球は今から約46億年前に誕生したと考えられていますが、太陽も、地球と同じく約46憶億年前に誕生したと考えられています。太陽が誕生し、数千万年たってから、太陽の周りを周回する地球が誕生したのです。

太陽は今はまだ働き盛りと言える年代で、今後数十億年は燃え続けるだろうと考えられています。しかし、あと50億年ほど経てば、次第に終わりの時へと近づいていきます。

このころになると、太陽の内部で燃え続ける「水素」が底をつき始めます。

太陽の内部では水素と水素がぶつかることによって、ヘリウムが合成される

核融合反応

が起きており、

その際に放出される膨大なエネルギーが、熱や光となって地球に届くのです。

しかし、もしその核融合の材料である水素が無くなってしまうと、今度はそれによって合成されたヘリウム同士の核融合反応が進んでいきます。

そして、この段階に入ると、太陽はその表面温度は下がるものの、100倍もの大きさにまで拡大し

赤色巨星」という状態になります。

しかし、膨張して赤色巨星になった後、今度はその外側の層が徐々に宇宙空間へと飛散していき、最終的にその核だけが残ります。

これが、

白色矮星」です。

白色矮星はかつての太陽よりもかなり小さい存在になっていますが、その表面温度は太陽だった頃の数十倍にもなっています。

ちなみに、冬の大三角形を形成している星「シリウス」の光は、まさにその白色矮星の光であることがわかっています。具体的には、シリウスという星は1つの星に見えるものの、実際には

「シリウスA」と「シリウスB」

の連星の光が1つに見えていて、その内のシリウスBが、白色矮星なのです。

太陽のように、自ら燃えて光り輝く星のことを「恒星」と言いますが、シリウスは地球から見える恒星の中で太陽の次に明るく見える星として知られています。

しかし、この白色矮星も永遠に熱や光を発し続けるわけではなく、これが熱や光を失ってできるものが、

黒色矮星」なのです。

黒色矮星のでき方とは?その温度はどのくらい?

赤色巨星の外層が拡散し、残った白色矮星は、非常に高温高密度の天体ではありますが、実はこの内部ではすでに核融合反応はほとんど起こっていません。

核融合反応とは、そもそもその天体が持つ重力によって、その中心近くにある原子が押しつぶされることによってエネルギーが高まって起こる反応なのですが、これは言い換えると、核融合反応にもそれを起こすためのエネルギー源が必要だったということになります。

しかし、白色矮星は非常に縮小した存在であり、かつその核融合反応が起きやすい水素もないため、その核に残ったそれより重い原子に新たに核融合を起こさせるだけのエネルギーを持っていないのです。(後述しますが、量子トンネル効果によってわずかに核融合は起こります。

なので、この白色矮星は、太陽だった頃のように新たに熱を生み出しているという訳ではないのですが、宇宙空間にはその熱を伝導させるための物質がほとんどないため、白色矮星は、非常に長い時間をかけて、その熱を放射によって周りに逃がしていくことになります。

これには、数兆年もの長い時間がかかります。

しかし、時間はかかるものの、着実にその温度は失われていきます。

そして、この温度が冷え切ると、言わずもがな白色矮星は熱を失い、そして光も失います。こうして出来上がるのが

黒色矮星」です。

その後、黒色矮星に新たに熱を与えるものは存在しないため、黒色矮星は宇宙で1番冷たい温度に近づきます。つまり、絶対零度である-273.15℃に限りなく近い温度です。

ただ、宇宙の歴史は今から約138億年前に始まったと考えられていますが、先ほども言いましたように、黒色矮星が誕生するためには数兆年以上のかなり長い時間がかかると考えられているため、この黒色矮星は今の時点ではまだ理論上の存在でしかありません。

また、光も熱も発しないため、もし遠い未来にそれが出来上がったとしても、それを観測することは困難です。

しかし、黒色矮星は非常に高密度の星であり、たとえ地球サイズの黒色矮星であっても、その質量は地球の数十万倍にはなると予想されています。

ですので、うっかり知らないうちに黒色矮星に近づいてしまったら、ものすごい重力によって引き付けられ、押しつぶされてしまい、一瞬で凍ってしまうでしょう。

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黒色矮星が最後に鉄になるとはどういうことなのか?

黒色矮星は基本的に水素以降の原子によってできている天体ですが、原子とはそもそも

  • 電子
  • 陽子
  • 中性子

の3つでできているということは、皆さんもご存知でしょう。

具体的には、「原子核」の中に陽子と中性子が入っており、その周りに電子がまわることで原子1つができています。

陽子はプラスの電荷を持っていますが、それと相殺するようにマイナスの電荷を持つ電子がまわることで、中性を保っているのです。中性子はそもそも電荷を持ちません。

しかし、もしこれらの粒に寿命があるとしたら?

この場合は、黒色矮星は非常に長い時間をかけて蒸発していくだろうと考えられています。

これは、まさに永遠とも呼べる遠い未来です。

しかし、もしこれらの粒に寿命がないとすると、この場合に黒色矮星は、

量子トンネル効果

と呼ばれるものによって核融合反応を起こし、最後には鉄の塊になるだろうと考えられています。

量子トンネル効果とは、ある物質の粒子と波動の二重性に起因する反応のことで、本来ならエネルギー的に無理だろうと解釈されるような反応が、ある一定の確率で起こってしまうことを言います。

ある障壁があるとき、粒子はその障壁を超えることは通常ならできないものの、波動として反対側に伝わることによって、そこから全く同じ粒子が登場することがあるのです。これがトンネルを通過しているようだと説明されることから、トンネル効果といわれています。

核融合の場合も、このトンネル効果によってクーロン障壁を通過する存在がいることから起こる場合があります。

というより、

実は太陽の中で核融合反応が起こる理由がこれなのです。

実は、非常に高温でかつすさまじい圧力がかかっている太陽の内部でも、単純にそのエネルギーだけでは核融合反応は起こらないと考えられています。

しかし、このトンネル効果の発見によって、トンネル効果で核融合反応を起こした水素原子が熱や光を発しているのだと説明できるようになりました。

だからこそ、比較的ゆっくりと核融合反応が起こるため、太陽は数十億年以上という長い時間熱や光を発し続けることができたのです。

そしてこのトンネル効果によって黒色矮星の中で核融合反応が起こる可能性は、限りなく低いですが、0ではありません。なので、黒色矮星はその後非常に長い時間をかけて核融合反応を起こし続けます。

すると、最終的に何に行きつくのかというと、

それが「」なのです。

鉄に行きつくまでは核融合反応が起こるとエネルギーがわずかながらに放出されるのですが、鉄をそれ以上核融合反応させようとすると、逆にエネルギーが必要になってくるため、鉄はそれ以上の核融合は基本的にできません。もししたとしても、すぐに安定な鉄に戻ってしまいます。

こういう理由から、黒色矮星は鉄になる、と理論的には言えるのですが、

これはあまりに非現実的なことで、もし黒色矮星がすべて鉄になるまで待っていたら、それより先に宇宙の終わりが来てしまうのではないかと思うほどです。

数兆年どころの話ではなく、永遠に近い時間が必要になります。

もしも太陽が鉄になったら

しかし、もしも最終的に太陽が鉄になったとしたら、地球サイズの超巨大な純鉄の塊ができることになるので、それにライトを照らしたらすさまじい輝きを放つことになるでしょう。

ただ、現時点ではそもそも熱を放出しきった白色矮星は存在しませんので、それがみられるのははたして私たちの何代下の子孫になることなのか、検討もつきません。

そもそも、そのくらいの時代になると、人類はもはや絶滅しており、地球もなくなっているのではないかと感じますよね。すさまじい未来の話です。

ただ、こういう理論の話はとても面白いですね。私たち人類、そして地球は今後どのような未来を歩んでいくことになるのでしょうか。(^-^;

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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