私たちの住む地球は、太陽の周りを365日かけて公転していますが、
その太陽のように、自ら光と熱を放つ天体のことを
「恒星(こうせい)」と言い、
実はこの宇宙には、そんな恒星が何十兆個、何百兆個、もしくはもっともっと存在している可能性があります。
それだけ、宇宙は信じられないくらいに広いのです。
しかし、太陽の周りには現在、地球を含め8つの惑星が存在していますが、
太陽1個に対して惑星が8個、
その他に、準惑星などの天体もありますから、きっとそういう星は恒星以上に沢山存在していますよね。
ただ、そういう天体全てが、生命が誕生しうる星になるわけではありません。
恒星から近すぎてもいけませんし、遠すぎても駄目なのです。
そこで、重要になってくるのが
- 「ハビタブルゾーン」もしくは
- 「ゴルディロックスゾーン」と呼ばれる領域です。
これはまさに、
「生命が誕生するのに適した環境と考えられている領域」
と定義されており、
地球はちょうどこの領域内に入っていると考えられています。
では、これをハビタブルゾーン、ゴルディロックスゾーンと呼ぶのはどうしてなのでしょうか?
今回の記事では、その語源について詳しく解説していきたいと思います。
なお、ハビタブルゾーン、ゴルディロックスゾーン自体の詳しい説明については、以下の記事で詳しく解説しています。
ハビタブルゾーンについてはこちら!⇒【解説】金星、地球、火星と「ハビタブルゾーン」について!
ハビタブルゾーンの語源とは?
それではまず初めに、ハビタブルゾーンの語源から解説いたしますが、
こちらは非常にシンプルな名称であり、
「住むことが出来る」という意味を持つ「Habitable」と
「領域」を意味する「Zone」を合わせて
「ハビタブルゾーン」となっています。
いたってシンプルですので、非常にわかりやすいですね。
一方、ゴルディロックスゾーンの語源は、少し意外なものとなっています。
ゴルディロックスゾーンの語源とは?
ゴルディロックスゾーンとは、何やらすごい名称ですが、
実はこの語源は非常に意外なもので、
「ゴルディロックス」とは、ある童話に登場する女の子の名前なのです。
その童話というのが、イギリスで誕生し、
日本では「3びきのくま」という名前で親しまれている童話です。
この童話には、その主人公である女の子ゴルディロックスと、
大きさがそれぞれ異なる3匹の熊の親子が登場します。
- 1匹は体の大きなお父さん熊
- 1匹は中くらいのおかあさん熊
- 1匹は体の小さな子熊です。
物語は、その熊の親子がそれぞれ大きさの違うさらに出来立てのスープを盛り付け、
冷めるまでの間に、森に散歩に出かけるところからスタートします。
その熊の親子が散歩している間に、熊たちが暮らす家にやってきたのがゴルディロックスちゃんで、
ゴルディロックスは、ドアを叩いても中から返事がなかったため、勝手に家の中に入ってしまいます。
すると、そこには良い匂いのするスープが3つさらに入れておかれているのですが、
ゴルディロックスはそのうち、ちょうど良い温度に冷めていた子熊のお皿のスープをすべて飲み干してしまいます。
その後、部屋を見たわたすとそこには大中小の3つの大きさの椅子があったのですが、
ゴルディロックスはそのうち、ちょうど良いサイズの子熊の椅子で遊んでいたところ、その椅子を壊してしまいます。
その後ゴルディロックスは、別室に移動すると、そこにはまたしても大中小の3つのベッドがありました。
すると、そのうちちょうど良い寝心地であった子熊のベッドで、ゴルディロックスは眠ってしまったのです。
すると、そこへ散歩を終えて熊の親子が帰ってくるのですが、スープが飲み干され、椅子が壊れていることに気が付きます。
そして寝室に移動すると、そこにはすやすやと眠るゴルディロックスがいました、
それを発見した子熊が驚くと、ゴルディロックスも驚き、
ゴルディロックスは一目散に逃げて行ってしましました。
「3びきのくま」の話はこれで終わりです。
何とも中途半端な終わり方のように思えますが、
これは、ゴルディロックスの行儀の悪さを指摘し、お行儀よくしなければならにということを教えるために誕生した童話であるとされています。
そして重要なのは、ゴルディロックスゾーンの語源がなぜここにあるのかということですが、
これは、ゴルディロックスが
スープにしても、椅子にしても、ベッドにしても、
ちょうど良いものを選んだというところが関係しており、
ここから、「ちょうど良い」という意味で
「ゴルディロックス」という言葉が使われるようになったのです。
天文学におけるゴルディロックスゾーンとは、まさに生命が誕生しうるのにちょうど良い領域ということですので、
このような使われ方がするようになったのですね。
また同様に、
景気が過熱しているわけでもなく、不況でもない、ちょうど良い状態の経済のことを
「ゴルディロックス経済」と言ったりもします。
そもそもゴルディロックスとは?
思わぬ形で、ゴルディロックスゾーンの語源になったゴルディロックスちゃんですが、
ゴルディロックスとは、何とも物々しい名前のように感じますし、
初めて聞いたときに、これが女の子の名前だとは到底思えませんよね?
では、なぜこのような名前が付けられたのかというと、
実は「ゴルディロックス」とは「金髪」という意味なのです。
具体的には、
金を意味する「gold」と
髪を意味する「lock」を合わせて、
「Goldilocks」という名前となっており、童話にはまさに金髪の女の子が登場します。
日本にも造語は色々とありますが、
ゴルディロックスは金髪を意味する女の子の名前で、
かつ、それがちょうど良いという意味で使われているだなんて、普通に考えたら想像もつきませんよね。
まとめ
今回の記事では、
「ハビタブルゾーン」及び、
「ゴルディロックスゾーン」の語源について解説いたしました。
なんとなくゴルディロックスという言葉を知っていても、
その語源がまさか童話にあるとは知らなかった方も多いかもしれませんね(^^)
それにしても、ゴルディロックスちゃんお行儀悪すぎますね…笑
勝手に人の家の椅子を壊した後に、ベッドで寝てしまうなんてすごい度胸の持ち主です笑
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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