※哺乳類の祖先はネズミ?爬虫類?両生類?:整理して解説!

私たち「人間」は哺乳類ですが、

時に迷惑な害獣として扱われることもある「ネズミ」も同じ哺乳類であり、

アフリカで百獣の王として君臨するライオンも、同じ哺乳類ですね。

同じ哺乳類といっても、その見た目や生態は種によって様々ですが、同じ哺乳類である以上、

その祖先が同じであることは間違いありません。

また哺乳類の祖先は、

ネズミであると耳にしたり、
爬虫類であると耳にしたり、
両生類であると耳にしたり…

そのあたりの情報が少し錯綜している印象があります。

ですので今回の記事では、その哺乳類の祖先は一体どのようにして進化をしてきたのか、詳しく解説いたします(^^)

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目次

生命の誕生は今から約38億年前

まず、哺乳類に限らず、ほとんどすべての生物は同じ生物を起源としているとされていますが、この地球上で初めて生物が誕生したのは、今からおよそ38億年前のことでした。

最古の生物は海の中で誕生しましたが、

それは今のような目に見えるほどの大きさのものではありませんでした。

しかし、それが約20億年ほどの期間を経て「多細胞性」を獲得し、

それが徐々に複雑な構造を形成して「三葉虫」のような古代生物が誕生しました。

この三葉虫が登場したのは今から約5億年ほど前のことですが、この時はまだ全生物の拠点はやはり海の中でした。

しかし、今から約4億年ほど前に、ついに動物や植物の一部が陸上へと進出し始めます。

ここから、我々陸上生物の歴史が始まりました。

両生類の誕生

今から約4億1600万年前~約3億5920万年前までの時期は

「デボン紀」と呼ばれ、

この時期に、海の中で発達した生物の中から、水辺と陸の境界を住処とする

両生類」が誕生したと考えられています。

そしてその後、約3億5920万年前~約2億9900万年前の時期は

「石炭紀」と呼ばれ、

この時期に、両生類の中から

有羊膜類」と呼ばれる分類の生物が誕生し、

これらが主に陸上で大規模な繁栄を遂げていくことになります。

有羊膜類とは、文字通り「羊膜」という構造を持っている生物群のことであり、羊膜とは、生物の発生(受精後)の過程で見られる、胎児を包む膜のことを言います。

有羊膜類の繁栄

有羊膜類はその後、陸上において非常に多種多様な分化を遂げていくことになります。

まず、有羊膜類はその後

  • 竜弓類
  • 単弓類

という2つのグループに分化していき、

これらは、石炭紀の中期には分岐していたと考えられています。(およそ3億年前

そして、ここからが非常に重要なポイントで、

このうち、

  • 竜弓類は、その後「恐竜」や、現生の「鳥類」「爬虫類」へと文化していき、
  • 単弓類は、「獣弓類」という分類を経て、現在の哺乳類にまで進化してきました。

なので、実はそれ以前の時代においては、我々哺乳類と恐竜の祖先は同じだったのです。

なので、ここでまず1つ分かったのは、

我々哺乳類の祖先は、もともと両生類だった

ということですね。

もう1度おさらいしますが、両生類の中から陸上の生活に適応した有羊膜類が現れ、そこから哺乳類の祖先となる単弓類は誕生しました。

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哺乳類の祖先は爬虫類ではないが…

先ほど、哺乳類の祖先は単弓類であり、

逆に、爬虫類の祖先はもう1つの大きなグループである竜弓類であると説明しました。

すると、哺乳類の祖先は爬虫類ではないということになりますが、

実は、竜弓類と単弓類とに分かれたばかりの単弓類は、私たちの感覚で知るところの、爬虫類に非常によく似た姿をしていました。

事実、その単弓類は別の言い方で「哺乳類型爬虫類」とも言います。

ただ、この呼び方も最近では適切ではないとされ、単弓類で統一するのが一般的になってきています。

結論をいうと、

哺乳類の祖先に爬虫類はおらず、爬虫類は竜弓類の方から分化、誕生した分類です。

最古の哺乳類は「ネズミ」のような姿をしていた

単弓類の誕生は今からおよそ3億年前のことでしたが、

この単弓類はその後獣弓類という分類を経て、

今から2億2500万年ほど前に、ようやく哺乳類と呼べる存在が現れました。

現在確認されている中で最古の哺乳類は「アデロバシレウス」と呼ばれているもので、

その再現予想図は、今でいうネズミに非常によく似た姿をしています。

しかし、これはあくまで「ネズミのような生物」であって、ネズミそのものというわけではありません。

ちなみに、この時代に登場した哺乳類は総じて小型であり、

これはその当時の

大気中の「酸素濃度」が影響していました。

我々哺乳類の祖先はこの頃すでに今の横隔膜を利用した呼吸システムを獲得していましたが、実はこの呼吸システムは効率が優れているとはいえず、

当時は火山活動によって噴出したメタンガスと酸素の反応による影響から大気中の酸素濃度が急激に減少したため、これによって大型のものは生命活動を維持できず、小型化するしかなかったのです。

そして、哺乳類が小型化する一方で、優れた呼吸システムを獲得していたの恐竜の祖先は大型化し、約1億6000万年にわたって地上を支配します。

しかし、今から約6600万年前に直径10kmの隕石が地球に直撃した影響によって、大型の恐竜はすべて絶滅してしまいます。

そしてその後徐々に酸素濃度は上昇し始め、さらに恐竜の絶滅によって空いた席を埋めるように、恐竜の陰に隠れていた哺乳類達は大型化し、

地上を支配し、

そして現代に至ります。

なのでまとめると、

我々の祖先は、恐竜が絶滅する6600万年前までは非常に小型で、大型の恐竜から隠れるように土の中などで生活していました。そのころの哺乳類はネズミのような姿をしていましたが、これはネズミそのものというわけではありません。

まとめ

今回の記事では、哺乳類の祖先は一体どのような生物だったのか、両生類、爬虫類、ネズミとの関連などをまとめました。

結論を言うと、

哺乳類の祖先は両生類であるというのは正しく、

爬虫類やネズミであるというのは誤りです。

ただ、ネズミのような姿をしていたのは確かにそうで、そこから度重なる進化が繰り返され、我々人間も誕生しました。

なので、もしいつか何らかの原因で人間が滅んでしまったり、人間が別の星に移住してしまったとしたら、小さなネズミがまたしても多種多様な変化を遂げ、新たな知的生命体が誕生するのかもしれません(^^)

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました!

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